殺風景なガラス張りの待合室に覚える
独特な曖昧さを避けてみるのも一興と敢えて
乾いた風の吹き抜けるホームに佇んでみた
乗ろうとして乗らなかった準特急の走り去った先には
見覚えのある古い建物 ....
ということにしとく
青い月が私に囁くとき
夜の風が吹き抜けて
青い月はいっそう
冷たく見える
一緒にはなれないよ
そんなあの日の
貴方の言葉を思い出す
朝には白く
消えゆく月に
....
こころ秘かにそう呼んでいた
――温泉宿ではなく海辺の一軒家を
灰褐色をした雑木林と
露出した山肌が囲み、
いつからか戻らなくなった主の代わりに
月に一度か二度、ぶらり現れては泊まって ....
風呂あがりの
ほてった身体を
常夜灯だけがともる
洋室で冷ます
妻も娘も寝静まった
夜更けに
フローリングの床に
じかに座る
柔らかな闇に身を浸すと
穏やかな気持ちになる
....
トクン、トクン。
心の鼓動と共に
コレが現れた
トクン。トクン。
友の幸せを聞いた日から
黒いシミは広がって…
やがては
全身をも蝕んでゆくだろう
分かっていても 止められない
この感情は ....
短いスカート 駄目
茶髪 駄目
この靴は 駄目
この靴下の色 駄目
ダサイから 違反しよう
太陽の光に浴びせてまで髪の色はかる先生
明日違反したらあなたはクビです
死刑で ....
明日の朝一のサプライズを準備していたら遅くなってしまった。その甲斐もあって机の中の仕込みはばっちりだ、驚く顔が目に浮かぶ。
教室を出ると、職員室の方に先生達の気配がある位で、校内にはもう殆ど人が ....
僕が女になっても好きでいてくれますか
女に生まれていても 好きになってくれましたか
姉に生まれていても 好きになってくれましたか
僕の肌が黒くなっても好きでいてくれますか
日本人じゃなくて ....
もう忘れてる。
さっき考えてたコトなのに、とても大事なコトのはずなのに、もう思い出せないでいる。
それ程ダメージはでかくはない。
おバカの特権だ。
引き換えに何を失くしたのかはアトから ....
{引用=みんなてき}
そう思っていた時期があった
へらへらと笑っている
鏡に映る自分さえも
{引用=みんなてき}
解りあえることなんてない
あなたとは違 ....
おやすみなさい
ねないけど
おはよう
余裕ないけど
今友達といる
嘘だけど
好きだよ
たぶんそれは本当
で ....
あいにくの雨。オマケに少し肌寒い。
普段通ってはいるものの、降りるのはホントに久々だ。
傘をささなきゃならないから、距離がとれてちょうどいいかもね。
街の光がいつもより沢山眼をに ....
ぬっぺふほふ
脂身 から にゅるんと 手と
煮凍り から ぬらりんと 足が
新月の 夜道を ぺたりぺたり 歩いて
軒下の 薄明かりに ぐんにゃり うずくまる
こらあげん の 垂れ ....
路地裏の傘傾げ
死ぬときは
風邪をこじらせてと決めていた
かんざしではないことを不運に思いながら
奥さん、
こっそり呼びかける
その塗箸は
やはり孤独でできているのですか
振り向いてくれない 冷たくてうすい猫の耳です
気まぐれに揺れるリズムの 尻尾を乱暴につかみます
いい匂いのするおうちに 僕もはやく帰りたい
やわらかい布団に包まって 37℃の温度を感じていたい
....
梅は前線を作らない
梅前線と決して言わない
ぽつぽつと
五月雨がやがて降りしきるように
いつの間にか咲いている
あちらこちら
あたたかな
山肌や
木々や
家々の壁を背負って
大 ....
銀座一丁目行き
まるでバスのような行き先を掲げて
開業した際に導入された電車は
千代田線のマイナーチェンジで
目新しさはなかった
けれど当時
沿線に従兄弟の家があったから
山吹色 ....
どの{ルビHEART=心}をお買い求めなられますか?
全て
私が温かな気持ちの時に作り上げました
一品物に御座います
数には限りが御座います
欲しい方はお急ぎください
あなたの{ルビHEA ....
突然やってくる悪魔ちゃん
おうーーー
自分の力ではどうすることもできないし
場所によっては最悪だ
あいつは何なんだ
本当に空気読めない
たまに私をからかうくらいの振りをして
突然 ....
自由なんて
そう、
限られていて
ぼくはばかみたいに
浮かれていて
そう、
・
きみ、
いまここは
なんだとおもってる
ぼく、
いまここは ....
自分のサイズで歌って行こう。
流行りも廃りも着こなせないし、チョイスするのはボクじゃないみたいだし。
アンタ好みになりたいワケじゃないけどさ、そこら辺のヒミツはチョットだけ知りたい気分なのです ....
鼻水をたらした子供が にこにこ笑いながら駆けて来る
すれ違うとき 私の胸に飛び込んで 溶け込んでしまった
子供は まだ 私の胸の中で 笑いながら駆けている
むくむくする 暖かさと
....
薄く
霜が降りる早朝は
透き通る柔肌に
衣服の滑り落ちる音
快く耳を澄ませる
街はようやくのこと
呼吸をし始めるそうだ
ふくよかに
乳房が笑いながら
云う
喧騒のない街には
....
淡灰色の木綿
胸元に縫われた
鉤針編みの
ほんの些細な花を
両肘の下で袖をとめる
小さなボタンを
白いタイツを履いた
二つのひざに触る
生成色のピコレースを
顎の下か ....
雪女
もうそろそろ思い出して欲しいの
あの冬の日の美しい青年も
今じゃ肉色の雪だるまで7人の子だくさん
どうにも暑苦しくて耐えられないわ
今年も余計に雪を降らせてやったけど
....
一つひとつを確かめるようにして袋に詰め込んでいる。
違和感は突然その頭をもたげてくる。
目をそらすことだってできるけれど、そういう時に限って一番手に負えないのは自分だったりする。
創造し ....
寒い冬の日
凍った池の前で
あなたと二人
過ごしていた
言葉もなく
音もなく
赤色や黄色や茶色の
葉に敷き詰められた水面を
私たちは見続けていた
陽の光が緩やかに傾きかけた頃 ....
疑いを持つ正当性
それを主張する弱さ
突き詰めて考えたら
気持ちはもう
残ってなかったのに
あの色に溶けてゆきたい まっさらな 青の中に
そして
世界中を飛び回るの
どこかに置き忘れたモノを見つけに
それは
誰かと交わした約束だったかもしれない
で ....
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