人がいる
そこにいる
しみじみ
しっとり
生きている
人がいる
今をいる
柔らかな光が
あまたを
包む
初出 FPOEM 2000.01.26
改訂
....
あたらしい
灰色海の貝をさがしてたら
天使をみたよ 濡れた砂の手で
子どもの頃にだって、
こんなことはあったのかもしれない
忘れてしまっても
白い貝殻だけが残されたり
アザラシの ....
わたしのあなたは
あなたではないかもしれないけれど、
けれど、いい
1.
泣かない 泣かない NaNaちゃん
泣かない 泣かない NaNaちゃん
NaNaちゃん NaNaちゃん
泣かない 泣かない NaNaちゃん
悲しいときには いつも
空を見上げて ....
こぼれたミルクは飾りボタンの溝を泳いで
くるくると光を跳ね返していた
いつまでたっても混ざり合うことはなく
胸を埋めるような匂いが辺りに漂い
大気ばかりが乳白色に濁っていた
窓の向こ ....
神様 あんた いたんだね
てっきりいないと思ってた
苦しいことばっかりだから
てっきりあたしは神様に
愛されてないって恨んでた
神様 あんた いたんだね
こんな最後の最後に ....
{引用=
理由しか言ってくれない舌先に 角砂糖一つ乗せる雨の日
小さくて子猫よりもやらかくて 明日には消える初雪みたいで
五月雨の震えるような優しさは 今日よりも先、明日 ....
昨日テレビで
熊田Yが
俺を好きだと言った
口は動いてなかったけど
ダイレクトにわかった
彼女の気持ち
朝早く街に出て
足早に急いでいると
自転車にのぼりを立てた
作業服のおっさ ....
1
交差点の灰色の空から淡い紅色の花びらが舞い落ちる。人々はその花びらを見ること無く俯き加減に黙黙と歩いている。誰一人として空を見上げるものは無い。そして降り積もった紅色の花びらを踏みに ....
ここに参加してから6カ月以上たちました。
当初「ゲイジツって……」という散文でいろいろ現代詩は気味悪いと書き、芸術を標榜するサイトもゲロがクソを批評しているようだと書いたら、OHさんあたりからも ....
言葉足らずだと
「何言ってるか分からないよ」と
柔らかくなる目と真っ直ぐな背中を
変なことを言うと
「え、どういうこと?」と
上がる眉毛とかしげる首を
夕日がきれいというと
「ほ ....
{引用=ジャンクフードからドッペルゲンガーまでを
わたしの小さな世界の一員と認めて陳列したストアで
コスモポリタニズムを宣言するの。
エキセントリックな彼を愛する彼がとても好きだから
シャネル ....
流されることのなかった涙は
夜になると人知れず空に抜け出し
宇宙のどこかで
ひとつの星に結晶する
僕らは手を伸ばしても
その涙をぬぐうことが出来なくて
だから
ただ夜の空白をなが ....
言葉はひかりより
遅れてやってくるから
たぶんまだ
君は粒子で
かすかな時間差の中に
小さく膨らんだり
縮んだりしているんだろう
空は淡く
まだ少し痛いから
僕は水辺にいて
円 ....
夢をみました
そう、夢を
あなたにいえない夢を
せつなくて
封 印
苦しくて
封 印
意識の底の底の底
君をグッと押し込めた
はずなのに…
この道も
あのショップも
この曲も
あのライブハウスも
この雪も
....
詩集の表紙には闇夜に浮かぶ舟の漁火が、誘導するようにふわりと灯り、
誘われるまま詩集を開くと、霧の中に佇む一艘の小舟の写真が出迎えていた。
山中以都子さんの詩集『水奏』は、もうここから始まってい ....
たばこのヤニで煤けたリビングの壁に一箇所
まるで雪景色を穿ったような真新しい壁紙が気になる
あのひとがわざわざ買ってきては飾っていた
贔屓にしてる野球チームのカレンダー
縦じまのユニフォー ....
{引用=
ごめんねとさよならばかりを繰り返し わたしの傍で疲れて眠る
なんでかな、沼のような沈黙は 全部わたしのせいだと思う
20センチ高いとこから見られると おなかのう ....
{引用=
呼吸をしていた
それなのに産声じゃなかった
あなたを呼んでいた
それでも求めてるわけじゃなかった
願いが響くなら
言葉の海に声を沈めて
それがあぶくになれば今すぐになれ ....
僕は星が好きなんだ。とくに月が好き。
地球や太陽や月も星なんだよ。ときどき忘れちゃうこともあるけどね。
月。
満ちたり欠けたり。
細くなったり太ったり。
丸くなっ ....
星の数だけ浮かんだそれぞれ孤独なロダンと
それぞれ頭の中で試されるモダニズム
泣きべそをかいた子供が唯一カギを持つこの城で
誰も知らない自分だけの
誰も知らない自分だけの
宇宙へと旅立ちます ....
雨が好きだと 聞きました
コンクリートを細く打つ
水粒達の音を聴き
空間の糸筋楽しむよう
貴方は窓辺で薄い雨
気だるく眺めているのでしょう
お願いです
雨を愛で入る貴 ....
{引用=
雲の崖から
流れ落ちる虹
光は水に沈み
黄昏の彼方に
風は失われた
日々を呼ぶ
夜の匂いの中
思い出は座礁し
波のはかない仕草に
古い傷は{ルビ火口=ほく ....
路面電車から降りた羊飼いのみる夢
葡萄酒はとっくに尽きて月が出てる
錬金術師は金色のイングリッシュハーバーを
一杯の砂漠の水と共に ほんの少しの干し葡萄を
小さな箱で あい色の ....
酔いに任せて
川を下り
逆行という逆行を
すべて成し遂げた。
僕は一羽の
白い鳥であり
羽は
すすけて汚れていた
年相応だ、と
誰かが僕に言った。
夕暮れから
夜に
世界が ....
縮絨された暦に秘めた
敏く、哀愁を帯びた紅紫の日々と
愚かなる人々の美しくも艶やかな罪の数々
その淡い影と華やかな彩りに埋もれ
古びた床へと無数の疵を残して
錦鯉の泳ぐ池のある庭を ....
小雨の中の交差点
寒さ厳しく 小走りで
自動扉がウィーンと開く
その店に入った時から
異様な空気。
フロアの中央に
背の高いテーブルひとつ
天井にはミラーボール
窓際のカウンターに ....
わたしは勿論あのひとを
大切に大切におもっているが
もしかしたら実は
あふれこぼれんばかりの
「愛したい!」という
エネルギーのかたまりを
ぶつけられる相手ならば
....
あ・うん の呼吸を探していたら
思わぬところに落ちていた
なんと
小学一年生で 宝の地図は
手にしていたのだ
あいうえお の 35文字を超えた時
や行が やってくる
いえ を重ねて
....
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