人類が計量できない程の
夥しい血を流して
辿り着いた国家体制は
独裁主義・共産主義・社会主義・資本主義の
僅か四つしかない
しかし独裁主義はまず長続きはせず
共産主義が滅びる様を見 ....
太陽に透かしてみている罪と罰 重たいほうをぼくがもらうよ
海べには 夜の残骸、猫の死体、重なって沈む時間たち
きみのふちをなぞって辿りつく先が知らない男の肩甲骨だ
かわり目のいき ....
あたらしいものにはまだ名前がない
形もあまり決まっていないしそれはたぶん
人類が歴史のなかへ隠しておいたものを
あきらかにするようなようなかたちではみえててこないのだろう
冷蔵庫のドア ....
思ったよりも
女と呼ばれている
それらの体液は
声が低いものだ
みんながみんな
ソプラノでは
歌わないし
歌えない
だけど
おのおのが
女達の
おのおのが
人生を濾 ....
最初から 天使はそこにいなかった
ステンドガラスの向こう側に
飛び去った天使の羽のかけらが
色褪せたまま落ちていた
彼らはいつも そこから微笑みかけている… そう
私に信じ込ませたのは ....
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この世の中には
幕間に控えて居る役者は
いっぱいいて
人が羨む役を貰えるかは
まことに運次第なのだと思う
人は与えられた役の ....
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気温が一度上がっただけで
庭は目覚め
今夜は舞踏会だと
シロテンハナムグリが伝言する
白薔薇が
今まさにデビュタントに
踊り出そうという心 ....
夢から覚めると
午後は陽炎の中 寡黙に佇んでいた
翻る あなたの影だけが冷たい魚
見も知らぬ者同士 これが
いつかの夢ではないと言えるでしょうか
ひび割れた心象が決壊する時
....
窓辺に置かれた
一輪ざしの切子硝子
複雑な光のプリズム
瞳の中の幾何学模様
ああ なんて楽園
だってわたしは
凡庸な人でしかない
透明の硝子は見る角度で
その色や輝きも違ってく ....
誰が来るというのだろう
誰か来るとでもいうのか
夜の街角で人を待つ
そうじゃない
僕は君が来るのを待っている
君が僕を呼んだのだから
夜の街角で人を待つ
街灯もない街道の端
手 ....
仲間からはずれてひとり夏の下
風の歌を聞かされし人新樹かな
軽快な暴力喰らい青葉潮
鹿の子のおめめに映る朝の月
笛の音が闇を引き締め薪能
エメラルド色の泉に身を投げる
....
台所の窓から見える
枝を切り落とされツタだらけになった
古く太い木に 小鳥が住み着いた
ツタのカーテンは巣穴を塞いで
子を守りやすいのか
ツタの中に入ってゆく
朝ご飯の支度をしながら ちら ....
歌を聴いて
映画を見て
美しい自然に触れて
素晴らしい芸術に出会って
誰かを心配して
努力が実って
幸せを実感して
絶望に悲観して
人は死ぬまでにどれだけの
涙を流すの ....
犬の眼をじっと見つめていると
黒々としたその瞳から
哀しみだけが
滲んでくる
犬は
なぜ自分が犬であるかを
きっと知っている
遠い昔
野生を
人間の為に捨てた存在
自由よりも不 ....
人間が春を選んだのは
寂しいのが嫌だから。
別れと出会いの季節なんて
とんだ嘘っぱちだ。
人間は死ぬまでお別ればっかり
なんにも気づいていない ....
六月の花嫁が
投げたブーケが
放物線を描いて
確かな意志を持って
わたしのほうへ
向かってくる
『ブーケをキャッチしたら
幸せになれる』というフレーズは
もちろん知っていたけれど
....
瞑ればおちる 喉元の声
ずく で 散り急いだ未明
知られる事は 色づいてからでいい
浮いた草がひろげる風の扉
顔を覗かせては
あわててもどる 七色の瞳
危険な冒険の途中なの
それ ....
愛という名のカニバニズム
この肉も骨も血も
すべてあなたに捧げましょう
張り巡らされた 透明の糸に
蝶々が絡め取られてしまった
白い翅を震わせ もがいても
ここからはもう逃れられない
....
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いつも何かが足りない気がする
いつも何か一言いい足りない
いつも何かを忘れている
いつも何か遅れている気がする
忘れてしまったもの ....
迷うたら負けやと、きつい一言
今でもうちのお守り
そんなあんたは迷わずどっか行ってもうたけど
あいしてる
あいしてる
あいしてる
貴方のことを
愛してる
かけがえのない
貴方を滅ぼしたい
ザクザクザクッと
して血の香り
月明かりに照らされてる歪んだ顔
その月はいつもより近くに見えて ....
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2012年5月21日 ほぼ晴天
本日待ちに待った「金環日食」だ
日食観察用メガネとスマホを片手に
あたしスタンバってます!
わくわくわく ....
どこまで走っていけばいいんだ
牛丼屋が見つからない
走り続けていたら海に出た
波の音に誘われるように
海岸沿いのパーキングに車を入れて
砂浜へ
薄曇りの空は曖昧に青く
海は瑠 ....
おもうんだけれど
すべての真実はきっとどこかの看板の裏にでも
ちいさな文字でこっそりと書いてあるんだ
ぼくの夢の中の沙漠の入り口で老人は言ったのさ
誤解は理解の種
迷妄の畑にも真実の苗は ....
じめじめと蒸し暑い日でした
それは一目ぼれと言っても過言ではない衝撃
帰りの飛行機、声を殺し嗚咽をもらしながら泣く中学生
恋を知った
お酒もたばこも解禁だ
貴女に引き摺られる、引き寄 ....
「あなたが居なけりゃ楽なのに」
何度思っただろう
疎ましくてたまらない
考えると腹が立ってくる
が
こんな事書いても
....
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桃の谷間に平野がある
触ってみれば硬い
閉塞した孤独な骨
そいつは{ルビ尾骶骨=びていこつ}という
ヒトは進化を繰り返す過程 ....
一日の終わりに
脱いだ
ぬけがらが
いくつか並んでいる
命がけで
脱いだわりに
その佇まいは
くしゃみ
ひとつほどの
可笑しさを漂わせている
上手に脱いだ
ぬけがらは
....
きらぎらしく耀へる湖面 滑る浮き舟
流れのまにまに 身を任せて
絡む水草を 押し分け行けば
彼方に見ゆるは 安土城
{ルビ古=いにしえ}の戦さに 敗れし{ルビ武士=もののふ}の
御霊眠 ....
その昔、水は鉄を含み、鉄は水の浄化を畏れ池の沼と溜まる
森の樹海より沼を這いい出た
池は湧き水へ灌がれ
道を逸れた一人の女僧が餓鬼を孕む
いつの日か鬼が母となり
母は子を宿しながら性 ....
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