もうじき冬が来る。

あの人に出会った冬が来る。

あの頃私は浮かれてて

名前も知らない出会いだけを信じていた。



春に出かけたダムには

まだ氷が張っていたし

山 ....
曖昧な笑顔を

優しさだと思っていたから

本気になって辛かった



待つのは簡単だと

タカをくくっていたから

毎日が長かった



だから思い切って全部捨てた
 ....
目に見えて不幸そうなわたしを

演出しようとしたけれどできなかった。

総てに負けているなんて

認めたくないから。



髪を切る代わりに

きつく結い上げた。

溜息を ....
鉛筆を研いでる間に書きたい事を忘れてしまう

(何もしなかった日)
…海水浴場へ着くと家族連れはもう帰り支度をはじめていた 。
ほしかったポロシャツにもまだ未練は残っている 。
車で走れば雨雲がついてきて
ぼくの右脳に影をさす
…一瞬すれ違うひとから過 ....
少年は飛んで行った
アスファルトの空に向かって
自由が欲しかった この世は生ける監獄

少年が泣き叫んだ時
世界は耳をふさいだ 目を閉ざした
口をつぐんだ そして今
彼が手の届かないとこ ....
赤い雲が青空に溶けていく
さなぎの上に 初めて羽をひろげる鬼ヤンマ
透明な四枚の羽と 複眼に陽が射す
洗濯ものを 外に干す

水辺の近くに立つ 銀の洗濯棒が光を集める
風波をかぶる池の石  ....
湖底に眠るオルフェウスの首
無数の藻を寝台にして置かれている
目は閉じられ
口は唄うかのように
ほんのかすかに開いている
水がゆらめいて光りさざめく

闇と光が溶け合っている
死と生が ....
小磯良平描くところの令嬢である

タイトルは「冬の夜」

昭和29年週間朝日
新春増刊号の表紙であるが
ちなみに当時の値段で一冊70円
先日古本屋で50円だった

花森安治や長谷川町 ....
幼い心をこじ開けて

あなたは痛みを植えて行った

悶え苦しむ年月

綺麗な嘘で幾重にも

痛みを包んで行った


いま この心に抱いているのは

ぞっとするほど美しい

 ....
アタシは強くなる!

毎日かいじゅうに襲われようとアタシはがんばるよ生きる!
負けないのだって夢があるから

強くなる!きっと、
パンダの赤ちゃんが
亡くなったと
News速報で流れる
平和な日本

動物の赤ちゃんが死ぬのは
特に珍しいことでもないけれど
パンダは特別枠なので
みんながかわいそうと言う

わざ ....
知らず知らずに
君を刺していた

心の何処かが軋んで
君を刺していた

誰にだって
有り得ることなんだ
僕達は棘を抱えて
生まれてきたんだから

気をつけていても
何処かの ....
離れているほど、愛することもある。

それは幻想。

近くにいてこそ、憎しみが増す場合もある。

それは潮時。

哀しみは誰の上にも平等に降り注ぐ。

涙を隠す雨となり、 ....
60年代末のベトナムのジャングルで
月を見上げながらたばこをふかす高校でたての若い兵士

シンプルでストレートでノリのいい曲の背景に
時代の絶望をぶらさげてラジオから流れていたCCR

 ....
愛は金で買えないが

快楽なら金で買える

優しさは喜びをもたらすが

優しさに傷付くこともある



何が正しくて何が間違っているのか

誰かを愛した時はそんな線引きなど ....
ベビーブーマーは
十分な引退に挨拶します
希望を示す音は上がった
49へ1947年から彼等は
大量生産されました

県を越える彼等
私生活の中へ沈む
2つの場所から
1つの場所へ
 ....
取り替えて! となりのトロロよく伸びる

掘り返す? となりの芝生に埋まる骨

おとなりのとなりのとなりも知らぬ人

番犬や となりを吠えてはや十年

バス停にトトロによく似たおばさん ....
彼女のもっとも愛したピアニストはバド・パウエルだった
彼女はバド・パウエルを目指してJAZZピアニストになった

1958年の秋 処女LP【トシコ】を発表した時 
全世界のJAZZ評論家は敗戦 ....
飲みこんだ真珠や
赤いブレスレッド
すべてを撫でる風は吹く
温度を忘れても
冬をほどけば
空に明日が生まれる
夜を閉じて
支度をしよう
窓の外から歌が聴こえる
見て、朝が来る
角に追いやられた居場所を
ゆとりと無理やり読んで
朝まで遊び呆ける

大人気ない強情は
時には余力に気がついて
無駄と呼ばれる作業に勤しむ

それが一人遊びの業の楽しみ
と言えたら幸 ....
さみだれている庭
ひと雨ごとに、育つ緑がここにある
雨の匂いと土の香り

湿気は、ほんのささいなセンチメントも
美しくふくらませる
庭を見渡せる屋根付きテラスで
濃く煎れた紅茶を飲んでい ....
お墓を作るってことは

現実と向き合うって事だ

つまりそれはサヨナラだ。



眠たくなるのは生きてるからだ

お腹が空くのは生きてるからだ



なんだか悲しいのも ....
文鎮が
ふうわり ふわりと宙に浮き
驚く書生の顔前を ナマコのように漂って

原稿用紙が舞い上がり
驚く書生の目の前で 舞子みたいに踊りだし

万年筆が身悶えし 書生の指を逃れ出て
ぽ ....
{画像=120712232443.jpg}




陽の当たるところ


その建物は言いました
都会には幾つも建物があるけれど
そのなかでもぼくが一番さ

ぼくは一番大きな建物 ....
 
あんたの言葉は勇み足

あたいの想いは勇み足

そんなふたりの愛は、やっぱり勇み足




 
何もかもが
嫌になって
何もしたくない日

音楽も聴きたくない
TVも観たくはない
本も読みたくもない

そのために余ってしまう時間
その時に睡眠薬を口に放り込んで
眠れるかどうか ....
9番目の大豆の記憶
[1つの干ばつ/1988年--]
それは人類に関する
最悪の状況の収穫だった
(その後に)見解を表現します

-- 内側 -- 再び
[それは大きい]
土の中で ....
市場の朝は早い
そこには人間の胃袋を満たすという生の根源に直結した欲望の匂いと独特のエネルギーがある

狩人が獲物を担いで去ったあとに残された空間は
歯の抜けた老人の
ように
手持ちぶさたの待ち人顔な ....
線路脇ヒメジョオンに見送られ次の駅で降ります、わたし

信号にたどりつくたび赤になる 誰かに 急ぐな! と言われたみたいに

夏蝉は耳がないと聞きました だからことごとくおしゃべりなの ....
吉岡ペペロさんのおすすめリスト(10515)
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