送別会と反省会と忘年会


自分の名前を忘れてしまったと桜がつぶやく夜
街灯のしたを風が低く吹き抜けていく
落とし物のように。
花を忘れてしまったとつぶやいている女が
そこにた ....
空き瓶収集所まで行く途中に
今年始めてみたカエルは仰向け
四肢を広げて道の真ん中に一匹 
こちらの路肩とあちらの路肩にも一匹と
まだ冬の残る雨に濡れている

暖かい日が二・三日続いて
冬 ....
{ルビ九十九=つづら}に折られた時の束ね
行きつ戻りつ
差し挟まれた幾つもの文から萌えて
息吹く面影がある

月が像を失い
奔放な青と黄が眼裏を揺らす夜に
散り積もった悲色の花びらから
 ....
夏でも冬でも昼飯はこれが良い
薬味ネギに
わさびを効かせた付け汁で泳がせ
一気にすすり込む

長く伸びたまま食道を抜けることなど
所詮無理な話 かたまって
食道の途中で速度を緩めた
 ....
 
わたしらしいわたしがいるらしい

わたしらしくないわたしもいるらしい

わたしは、どちらも知らないけれど



 
はき古した靴を空に放って風を聴く

はだかの馬が雲となって駈ける野に花をさがす

ひかりを混ぜ合わせていろをつくる
まだ名前のないいろを

いつももちあるいている心のスケッチブックに
 ....
ミルフィーユの中にいる
千の私
ナイフを静かに入れてみる
ほのかに甘い香りがして
作り甲斐があったなと
一応自分を褒めてみる

作るよりも食べるほうが難しい
ミルフィーユ
少しクリー ....
わたしの理想は
ほんの少しの財産と
ほんの少しの自由と
抱えきれないほどの愛にかこまれ
生きていくこと

逃げ水みたいな理想郷
照りつける太陽は理不尽で
果てしなく広がる砂漠にひとり
 ....
かつて激しくなにかになりたいと
想ったことがあっただろうか

自分以外のだれかになりたいとはいくども考えたが
それはクラスの席替え程度の安易な願望にすぎなかった

ラモーンズのコピー親父バ ....
あした を はちどりがついばむように
きたい を もりがふきなでてくように
みらい を 嗅いでみたい

めをつぶって
はなで
おおきく
おおきく
いきをすって

あかはらとほおじろ ....
冬の道のあちこちに
手袋の片方がよく落ちている

ポケットから
ものを取り出す時に落ちたのか
自転車の前かごから滑り落ちたのか
私も長年愛用していた
手袋の片っぽを失くしてしまった

 ....
 
たこ焼きや

冬の休日

ホフホフと



 
私が二十歳になった日に夢をみた
そこには子供の頃の私が
涙をながして微笑みながら
私に手を振っていた
きっと別れを告げに来たのだろう
私がさよならを告げると
小さな私は消えていった
あの ....
爽やかな朝が座禅を組んでいるのを遠巻きに見て、
賑やかに客が行き交う池のある庭に面した廊下に立っていたおまえは
鼻を垂らし、
昼も夜もなく透明な凍りついた顔で笑っている

やがて厳しい冬が過 ....
独断と偏見で蛤1位 夜、部屋に帰って来ても
朝、起きても
置いた物は
みんな
置いた場所に
ある

一人 なんだなあ
自由 なんかなあ
月の表面がつるつるであったと信じられていたころ
自作の望遠鏡での観察で月の表面がでこぼこであることを発見した
ガリレオ・ガリレイ

プトレマイオスの天動説はキリスト教神学オフィシャルサイトの既 ....
ぎゅうぎゅう電車がゴロゴロ走る
レールを潰してゴロゴロ走る

メール見るのに体をひねり
携帯取ればメールの先の迷惑顔

おっとおどきとお姉さん
通れぬ隙間を抉じ開ける
私の隣に入り込み ....
結露した窓から
こっちを覗き見て
耳の上の辺りが特にひどいまるで
死に損いの四月の残雪のよう
そう言って笑った
冬の魔性は
死と均衡のとれた美貌を冷たい時間に包み
去り際には何度か振り返 ....
わたしたちは毎日
岐路に立って考えている

左の道にいきますか?
 はい  いいえ

左の道にいったので出会った人
左の道にいかなかったので出会えない人

もしも 出会ったその人が
 ....
余白のたっぷりある
読み物は心が和む

白い部分は
単なる余りではなく

空想だったり
誰かの想いだったり
空(そら)だったり

色んなものを
入れ替えられるから

あくせく ....
視野の隅
磔刑の丘が緩やかに
空に溶けて行く先には何もない

君の指先は工場で品質を素早く読み取る
精密な器械でもあるが
ときにわたしを虜にしてしまう
哀しく白い造形でもある

時間 ....
 
雪が降る、雪が降る、

赤いハートに降り積もる

春はまだか、春はまだかと、まるくなる



 
友を偲びつつ
窓辺によれば
窓ごしに見らるる春の四方
散りし桜の梢
若葉の木々
去りし日の想ひ出が
木々の梢にいざよふ

友を偲びつつ
窓辺によれば
窓ごしに見らるる春の空
乙女 ....
独り 楽しむ と記し
独楽(コマ) と読む

独り楽しむためには
独りで己を支えなければならない
独りで支えるためには
日々 回り続けなければならない

そして回り続けるためには
己 ....
1を3でわって
3をかけたら

だけど
1を3でわったら
0.3333・・・

0.3333・・・に
3をかけても
0.9999・・・にしかならなくて

どうしても1になれな ....
リンゴを木の枝にうまく乗せることができない

その人は寒空に部屋着のまま 油断したのだ

やっと乗せ終えたところを見計らって挨拶すれば

かじかんだ「コンニチワ」と鼻水少々 そそくさと家の ....
詩作をするときのお供、今回は音です。

詩作のお供にBGMを流す方もいらっしゃると思います。
わたしはというとダメです。聴いてしまって集中できません。

そこで今回ご紹介するのは「Noisl ....
 ポケットは好きだ。
 もし、この世界からポケットがなくなったら、ぼくはきっと、お猿さんになっちゃうだろう。いちばん好きなポケットはダウンジャケットなんかについてる、ハンドウォームポケットっていうや ....
 
わたしを見て

瞳に映るわたしだけがわたし

わたしがわたしでいるために、わたしを見て




 
吉岡ペペロさんのおすすめリスト(10500)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
詩__二篇- 月形半分 ...自由詩615-3-19
カエル夭折- イナエ自由詩12*15-3-19
こぼれる- ただのみ ...自由詩17*15-3-11
年を取るとはこういうことかーざるそばー- イナエ自由詩15*15-3-10
知らない- 殿上 童自由詩16*15-3-9
- 梅昆布茶自由詩15*15-3-8
私はミルフィーユ- コトバス ...自由詩4*15-3-8
すべては遠き理想郷- 迷亭うさ ...自由詩215-3-7
夜が零れる- 梅昆布茶自由詩15*15-3-4
みらい- コトバス ...自由詩3*15-3-3
【_手袋の片っぽ_】- 泡沫恋歌自由詩16*15-3-2
たこ焼き- 殿上 童俳句8*15-3-2
さよなら- リィ自由詩2*15-3-1
伽藍の春- atsuchan69自由詩8*15-3-1
独断と偏見で蛤1位- 北大路京 ...俳句215-3-1
置物- 金子茶琳自由詩1815-2-28
ガリレオの星- 梅昆布茶自由詩1615-2-27
ゴロゴロゴロゴロ- 宣井龍人自由詩9*15-2-26
魔性と化生- ただのみ ...自由詩15*15-2-25
【_分岐点_】- 泡沫恋歌自由詩15+*15-2-25
余白- 森の猫自由詩13*15-2-23
磔刑の丘に- 梅昆布茶自由詩1215-2-23
まるくなる- 殿上 童自由詩17*15-2-23
想ひ出- 宣井龍人自由詩8*15-2-22
独楽- ただのみ ...自由詩17*15-2-21
弱者- 金子茶琳自由詩1515-2-21
渡り鳥- ただのみ ...自由詩14*15-2-18
詩作をするときのお供3- 殿上 童おすすめリ ...5*15-2-18
ポケットのひと- たま散文(批評 ...16*15-2-16
見て- 殿上 童自由詩13*15-2-16

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350