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昨夜、
夢の中で
君と違う女を抱いていた
顔も知らない
名前もない女だった
気が付いた時には
腰を振っていて
目の前の女体に
魅了されながら
欲望と官能に溺れ
悦楽と ....
部屋の温度が静かに落ちていって
居るはずのない あなたを抱き寄せる
逢いたいとき逢えない人だって
解ってるけど さみしい独りの夜
誰より好きと言えるのに 誰より想っているのに
あなた ....
羊水の中で生きぬように
私はかく強くありたい
境界線に達してもいいさ
それが私の生き様となるのなら
羊水の中で溺れぬように
私はかく厳しくありたい
機械にも人形にもなりたくはないさ
....
こんな季節だから
風が、雨が、
眠っていたものたちを呼び起こす
過去には戻れないのだと
何度も復習したが未だ覚えられない
何度でも発作がやってくる
苦しみでも悲しみでも
なにもないよ ....
空に輝くのは無数の星
山の下にも無数の光
空の星が見えないこの街
この夜景が美しいと
誰かが讃えたらしい
確かにこの街は綺麗
空の星なんかより ずっとずっと
確かにこの光は綺 ....
(日本は夜でも宇宙から見るとはっきりその形がわかる)
なんて思いながら
トイレに行く
その廊下で
隣から
義理の叔父と叔母の
喧嘩の音がする
わたしは舅のことを想う
嫁いで二年目
....
どこまでも続く道を
「希望」と呼びたいなら、
その道の選択者は
よっぽど辛抱強くあるべきだろう。
....
白と黒の密林
そいつがこのノートです
はあはあ
詩、
詩はありますか?
「ありません」
無愛想なおばさんが言う
白は詩
黒はそうじゃないもの
この詩は
白? 黒?
胡散臭い灰色? ....
“三歩下がって付いてゆきます”
いつだって女は
そう思っているの
紅差し指に光る
永遠の絆
永遠なんて
そんな簡単に掴めるものじゃない
わかっている
わかっているから
....
カーテンと
鉄骨の隙間から覗いた
スカートを捲る
そこに、秘密はない
白く染まった床と
天井の間で眠る
ストッキングを破る
そこにも、秘密は見当たらない
ステンレスの ....
それはいつまで経っても明日にならない
俺は始まりからずっと遠くてもっとぶ厚くて
お前の衰弱しきった太陽が忘れられない
明ける夜に挿された首のひやっとした
どの空も拒んで傾いた
それは動く ....
夜の飛行場には
サヨナラが点在する
携帯電話のキーのような
小さな光の形をして
滑走路を疾走するもの
引き離されるもの
雲に呑まれるもの
星になるもの
僕らの住む街 ....
しきりに甘えてくる
路傍に捨てられた仔犬
お腹を空かせているんだろう
僕に似ているような気がする
震えながら何かを待っている
僕がポケットから
割れちゃったビスケットを
取り出して手 ....
バニラシェイクが
白く、あぶくを吐き出して
私の頬を
愛撫している
フルリレロと銘打った
ソフトクリイム
(キットカットフレイバア)
の、カップは
見て見ぬふりをして
壁の反対 ....
あなたとあたしの人生が
ごくごく自然に重なって
その地点に綺麗な花が咲けばいいのに
その花があなたの好きな水色ならいいのに
人の背中をすり抜け
雲をひろう老人を見た
誰も見ない道端のすきまに
金物ばさみを差込み
しょっている籠に入れて ふたを閉める
満杯になったら
山の上まで引き ....
思わず口から飛び出しそうになるほどの衝撃。
受けた打撃はヘビー級。
関係性はオブラートのように薄っぺら。
清水寺はここにはない。
けどね、
最悪な初対面ついでに
あの時のあたしも飛び降りればよかったの ....
君が勢いよくカーテンをあけるから
まさに零れ出ようとしていた光が
勢いよくぼくを包み込む
その白い肌は朝に満たされて
なんて君を美しくさせるんだ
たった今ぼくのなかも
朝が通り抜けて行った ....
雨の夕暮れ
うそはまばたき
影の下
ぼくはうそつき
路面をみてごらんよ
路面を
路面を見てごらんよ
路面を
神頼み
なみだはかがやき
空の下
ぼくはうぬぶれ
....
百点満点の自分なんて、
そうそうあるもんじゃないけど、
あの時、彼女の立ち位置を羨んだ自分は
素直に誉めてあげたいんだ。
私は今でも
自分の声に、自信を持っている。
りんりん、と
風鈴が鳴る
目蓋の裏に
広がる風景
日本家屋の
優しい縁側
そうめんに
氷を浮かべて
酢の入った
ところてんは
食欲を誘う
かき氷
甘い匂いと ....
黄金の水を とくとくとく
あわの神秘に どきどきどき
ごくごくごく
ごくごくごく
毎日僕は
繰りかえす
熱くなまった
僕の身体は
どうして君が
欲しくなるのか
....
消えてしまいたいから
でも
消えてしまいたくないから
誰かに必要とされていたいから
誰かを愛していたいから
生きていたいから
死にたくないから
居場所が欲しいから
泣いてしまいたいから ....
「いつか」のために
笑っていよう
わたしがしあわせに笑っている
そこに、あなたのしあわせがある
そう、あなたが言うのなら
わたしは笑っていよう
この ....
鰤の照り焼きが食べたい
ていうから
作ってみましたけど
うっかりして
お焦げ風味になりまして
えへへ
へえ、
ぶりって
『鰤』って書くんだねぇ
なんの先生なんだろ
だれが魚に尊 ....
発作みたいに戻ってくる
恋を埋めた場所にいると
その記憶の破片や
感情の細々としたこと
夜一夜と思いをこぼし
いつか空にしたら
あったことも忘れられる?
見なかったふりをして
....
全てを
全てを白紙に出来たなら
頭痛の晴れない日中を
捨て去り忘れて眠れるのにね
目が合って
すぐに逸らして何事も
無かったように振る舞えば
報わぬ恋は夢物語
簡単に拭えない
築いた ....
近くにいるときよりも、
離れて過ごしているときの方が、
もっと ずっと
気になるものなんだなあ。
知らぬ盛り場の暗闇で
合金が茹だり少女の吐息を赤く待つ今夜
古い毛皮を人毛と取り違え
それは
それでも良いのだと電灯の下で上手くくすむ古母
切れた人毛から吹き出す液体を照らす太陽は
常 ....
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