宇宙の涙は
幾世もの孤独を流れ
幾千の願いに打たれる
何のために
生まれたのか と
彼等もまた
想うだろうか
いつの時代も背中を見送って
悲しみは心に秘める
何かが手を離れる時
ポケットに写真を忍ばせて
思い出してね
ここに居るから
伝えられない言葉が雨になって
私の中をすっと流れる
いつ ....
僕達は今日も
沢山の言い訳をしながら
一つ、年を取っていく
若さが絶対ではない
けれども確実に失われたものがあった
ふと、思い出した
傷つきたくないから
必死に守ってきた心の鍵を ....
空色から生まれた風が、
少しの遠回りをして やってきて
季節の話をしてくれる
静寂に波打つ風紋の砂の褥
焼けた肌は、夏を貧欲にむさぼり
求めるそれを手にするまで けして 止めようとし ....
ひとしきり 遊んだあとに娘は
本へ目を落としていた私に 突然
これ はこ?と聞く。
本の入っていた段ボールの空き箱を指さして
ロシア・フォルマリズムから日本の
8月の自宅の居間へと ....
重心をほんの少しずらせば
スローモーションに身体は傾き
世界はするりとひっくり返る
そのままで
そのままでいて
頭の上に足をつけたきみが見えるよ
わたしたちが歩く世界は
....
帰郷
血の秘密 過去帳繰れば死児里子
父の子と兄の子埋まる猿すべり
風呂敷に春児を包み捨てにゆく
金蝿と庄屋のみ肥え天保の
作男斜視おいど追う鎌砥ぎつ
鬼百合の群生ひと喰いの記憶
....
せめて はいさぎよい
悔いにのみこまれてもその上に震えたつ
涙もかれた花のいろをしている
せめて はもとめない
とうめいになったからだで小さなものたちを拾う
どんなにこぼれても心のあ ....
私の病気は、軽い記憶障害です。とても嫌な記憶ほど、あっという間に忘れます。
今まで、嫌なことがありすぎて、脳の機能が削除を優先しているのかもしれません。
たとえば、記憶というものが、一枚の写真なら ....
ムンとした暑さ
もう4時だとういうのに
熱気が引かない
都会のコンクリート
娘の夏服を買いにいく
まさかの連続定休日
一点買いなのに
レジは長蛇の列
ネットカフェの
パソ ....
朝から
ひぐらしの声が聞こえてきて
やっぱり
帰りたい って
思った
そんな日でも
快速電車は
あの頃のアパートを
速度を上げながら
通り過ぎる
耳を澄ませば
....
もう着るものかどうか、わからないけれど
さらさら、木綿の肌に触れる
待ちうける その時の
今 やってきた季節のさかりに
たくさんの声がする
行こうか/行ってきます/行くよ/さあ
い ....
なき虫であっても
なく虫ではなく
よわ虫であっても
つよがる虫なのである
にがり虫に似た
にがい顔で
本の虫は点とり虫というが
てんとう虫はほんらいお ....
私が泣き虫なのは
夜のせいらしい。
夜まで起きてると
ふあんとこわいが
襲撃してくるって
いつか誰かが言ってたなあ
一人ぼっちのお昼は泣けてくる ....
会えてよかったですあなたが遠いところに行ったみたいで淋しかったから一つずつ小さな部屋の窓ガラスが静かに開け放たれていくようなお話かしらあなたがこれからも清潔な歌をうたいますように瑞々しい歌がうたえま ....
眠たい
けれど眠れない
何もない
暗い世界を
おなかが減ったまま
歩いている
誰か
私を
どうぞ
いっぱいにして
片足脱げた
サンダルは
きっともう
そのままで
....
い、痛くないの?
男のひとの満足げな顔って決して嫌いではないのだけど
京急立合川駅って普通電車だと運転免許試験場のある鮫洲駅からひと駅
競馬の好きな方なら大井競馬場への最寄駅で通り良いか ....
温まった砂浜に
背中を合わせて
目を閉じたら
じわっと溶けて
地球に
同化していく
虫取りの子たちが
アジサイの茂みに見え隠れする
夢の色を追いかけて
おおきくなってしまった
ぼくは
その動きをなぞることができない
思い出して叫んでみても
ブランコの揺れと ....
鏡の中に
鏡の中に、ともに映った
妻の姿と僕
にっこり微笑んで
買い物のため
二人で訪れた,スーパー
明日は。その後は
君と僕
きっと幸せだろうね
三十二年一緒だ
君には少 ....
こいつらがロックなんて言葉口にしたらぼくは間違いなく殺意を覚える
と思った矢先
そいつらは画面の中で
オフホワイトをバックに
しけた顔して不快極まりない口調で「ロック」とはを語り出す
ソ ....
バカ、ウンコ、バカ、ウンコ、そんな切ない花占いをやっている
ズタズタになったチンポに包帯をまいて3日間をすごした
階段を降りれないまま髪を洗えないまま3日間をすごした
包帯には血がにじ ....
暗い部屋に行こうと思って
穴に落っこちた
見上げた空が青くって
誰か覗いてるみたいだったけど
自分にも見えて
よくわかんなくて ....
いいんだ、もういいんだ
これまでのことは
産まれてきて、居場所はなくって
どうしようもない日々ばかり続いて
気がついたら
何処でもないここへと辿りついて
でもいいんだ
次のひかりは見えて ....
誕生日おめでとうと言わないでと言われたから、言いません
だけどそれはあなたの本心ですか
それともつらかっただけですか強がっただけですか
どうか わたしのためでなければいいのだけれど
憎んでも忘 ....
この空を 君は自由に 飛んだから だから鳥はね 泣いたりしない
悲しみは もうたくさんだと 花は言う 僕は自分に 水をあげた
いつまでも 帰らぬ温もり 待っている 隅で眠る ....
砂漠には
牡牛や熊や鳩や鷹
大昔
それらすべてはひとつであったと
髭づらの人が
乱れる息を
掌の中
上手にすり合わせ
微笑み
「悪疫は煮沸消毒いたしましょう」
「悪疫を煮沸消毒いた ....
梅雨の涼しげな霧雨が降る中
ふと本当に愛した人を想う
今では声聞くこともできないけれど
私の心の中には未だ
目には見えない刃が刺さっている
あなたと何度笑いあっただろう?
....
甘えんぼな あたしは
あったかいひと
やさしいひとに
ふれると
ホワンとしたきぶんに
なってしまう
気を全開にゆるしてしまう
たまに失敗することもあるけど
猫の勘はたいがい ....
淡雪は炎のように降りつもりきみの素肌の灼熱を知る
凍蝶の滑り落ちゆく黒髪にかかる吐息は結晶化して
性愛の天を凌いで伸びる蔓 凌霄花は空にまみれ ....
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