咲いては花 咲かずとも花
ツボミのまま 枯れても
きっと 美しいだろう
高価な種は 始めから持っていない
穏やかさなども知らずに
ただ ひっそりとあればいい ....
今は昔、夢の物語
彼女と共に照らされた
瑠璃色に輝く朝焼け
世界の区切りを見た
彼女と共に感じた
大きな大きな空の青
果て無き青の光
そのとき、とても幸せになった
彼女と手 ....
山間から 金属的な反響音が聞こえる
ブランコのきしみのような音だが大きすぎる音だ
山に反響し どこから 背後から聞こえる気もするし
前方から聞こえる気もする
川岸に下りると クレーンが ....
.
真理を目の当たりに見ることは危険だ死すべき人
には許されぬ業{ルビ=わざ}裸眼では目
が潰れてしまうという気高き Mont Blanc
万年氷の巓{ルビ=いただき}に散る朝日を見るよ ....
窓の無い、心の底
重苦しい空気に
自身を溶かしていた
光すら届かない場所に
気分を沈めていた
魂の存在を五感が感じている
あまりにも暗いから
目醒めているかもわからない
胸だと ....
昨日さがし
今朝、起き抜けに
自分は右左が分からず
(ほんとに)
今朝、目覚めたとき
自分は表裏が分からず
自分の仕事が何なのか
すっかり惚けてしまって
濁った頭の中を
....
脳梗塞で少し不自由になったお父さん
いつも笑顔を絶やさない明るいお母さん
産んでくれてありがとう
ずっと見守り支えてくれた皆様方
育ててくれてありがとう
周り ....
.
三日続いた吹雪が上がり谷筋に三角の青い空
けものたちの暖かな匂いを捜しに行った
うずたかく吹き溜{ルビ=だ}まった雪はまだ乾い
て柔らかい今朝空から降りてきた天使の膚{ルビ=はだ}
....
伝統の中で
裏切りから始まった20年は
三日天下のようなもの
暫く触らずほっておけば
後世に検体の価値を成す
パクリーマンは
自爆連発のネズミ花火のようで
中国の祭典かと思わされ ....
嘘を
重ねてゆくとホントウになります
嘘を
ついてゆくと少し苦しい
嘘を
つかねばならないと嘘をつきます
嘘を
つくと楽になります
ホントは嫌いだから
嘘をつくのです
ホントに ....
こんなに悲しい帰り道が
蛇行しながら現実までのびている
黒く長いそれを
私は切なくなりながら
ひたすら歩く
歩く
白銀の丘陵に連れていってくれた
未完成な公園に踏み固められ出来た ....
私の 両手の平だけの
大きさでいいのです
少しわけてください
星のあたたかさを
池にうつりこんだ私の
姿なんてみたくない
後ろ影でいいから
そっと押してください
昨日が終わって ....
様式美とはこんなことを言うのか
西洋の美と江戸の美が混然となった舞台
何処にも属さない世界を現出する
その舞台装置の中で演じなければならない
役者の苦労は如何ばかりだろう
半端な存在 ....
「愛」
空気のよう
つかめない
だけど大切
生きる為に
まるでとくとくと
鼓動が脈打つように
生まれ生きる その身に
宿したの
貴方を感じて
貴方を聞いて
貴方を見て ....
あなたは激しい加速をとり違えた氷のように歩いていた
わたしの喪失は人混みにもまれていよいよ遠のいていた
あなたの鈴のような耳のひらき
わたしはわたしのせいで気がふれてしまいたかった
“わた ....
闇の中の寝息
甘やかな寝息
それは全てを癒す月光の香り
腕の中の光輝
小さく強い光輝
それは純真たる魂の輝き
暖かい君を優しく抱きしめ
ゆっくりと眠りに付こう
美と愛に感謝 ....
青く光った矢印が
一斉に前を示し
両腕にしがみ付く怠惰な風は
酸っぱい痛みを産み落としていった。
萎んだ夜と悴んだ指先には
遠くの方から響いてくる
赤い点滅の伝言を
読み解くことはできな ....
一人でいるには この家は
あまりに 広すぎて…
何をしようもなく
何をすることもなく
ただ 僕のまわりの空気が異様に冷たくて
ただ ぽつりと懐かしき日々を描 ....
思えば君は
薄いゴムと縮んだ性器の隙間や
欠陥商品の微細な穴からたまたま生じた子ども
でなければ
ナマ入れ中出し好きのバカ親から出来た子どもだ
総じて我々は
無計画な家族計画や避妊のヘマで ....
ひと昔もふた昔も前みたいに霜柱立ったり
ちょっとした水溜りに氷張ったりするわけじゃないけど
それでも今どきの朝って起きるの辛かったりする
とりあえずは出かける場所があって
帰ってこれる場所 ....
冬の凍てつく青空に
大きな大きな梯子掛け
雲一つ無い寂しい青空に
大きな大きな梯子を掛けて
与太郎 騒ぐは 梯子の終わり
とおく空には届かない。
梯子のてっぺん 高いとこ
それでも真 ....
憂鬱が鐘を打つ日
しなだれかかる花と枝葉
背中に影のレースを編んで
見も知らぬ世界の歌をうたっている
その影は誰よりも近しい人
私を小さくして大きくした人
振り返らないルールなので
....
埃の舞い上がる歩調に
嗅覚は痛みを放出する。
ここに枯れた曜日を
交わして
私の呼吸はゆっくりと
化石する。
もう、映えないで
と弾けた西日に
夜のさりげない会釈を
歪ませて
朗ら ....
空の頂に月のない夜
まなざしは
同じようにはやってこない
待ちぼうけの子どもたちが
眠ったふりをして
息をこらすように
取り巻いて包んで
進行する世界に
オクターブごとに反響する
数 ....
カラの待ち雪 棘のソリ
押し花テープ 濁す香り
えんぴつトンネル 炭のスス
あいら ぶゆう
べきっ
猫も寝ず
ネジも
春 じゃがいも種の 底
芽 トタンですべって コ ....
{引用=
まもるもののない空から
かれの顔や肩に雨がおちてきて
夕ぐれが
せまっていた
きょう
という日は
くぐりぬけねばならない試練のような
分厚い曇 ....
ぼく、生理がはじまった
おちんちんから血が出るから
ひにょうき科の先生に診てもらったら
おめでとう、と言われた
いやっほい
と、ぼくは宙返りをして
さっそく父さん母さんに報告した
....
がば!がば!
がばがばのがばちゃん
おさんぽしよぅる
う手々をうしろに組んで
がば!がば!
がばがばのがばちゃん
おとうふ屋さんのおみせ
おとうふっておもしろいねぇ!
雲よりもふにゃふ ....
京(みやこ)の雪は
帰省の翌日
天気予報にあったとはいえ
数年来の大雪で
暮れの街が大混乱
テレビのニュースでのみ見る
京の冬らしい姿に
立ち会えなかった
呑んでは ....
おじさんのかわいがってる子犬
ふわふわパタパタ部屋の中
触れてみたいけど
触れられないと思ってた
おばさんのかわいい子犬
くるりの目できょろり
私をみないのは
当り前だと思ってた
....
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