水たまりに映る月影
安堵の帯びる人々の話し声
再び訪れた平和
通りはいつもより少しだけ明るい
靴下をはいた雨が
廊下を明るくたどる
つめたいの 爪に隠れる
雨の手
この指で消えてしまうと
笑いこむ
トタン とたあん
泥つぶ ついた足
で ごめん
....
2006年10月16日
森美術館にて。
講演、シンポジウムより抜粋。
火の女
もの凄い炎の手前に立つ
女のシルエット
突如、女は水に飛び込み
炎は序々に水面のような様相を呈し ....
止まっている
と言われた
アルバムの狭間で色褪せていく夕日だ
と言われた
食べかけたパスタの山麓で
僕は唇を噛み締めた
進め!
滞っている
と言われた
だまし絵の ....
うそでも
すきだと
いわなかったことが
わたしのおおきな
足かせになり
あなたは
いまや
かるがると
海のうえをとんでいる
もも胎児
ももたろが うまれるまでの ものがたり は
ももの森の雨の日も もちろん ももの匂い
雨のむこうの冬の そのむこうまで もも胎児は ももの中
さくらの森の雨降りが 桜餅の匂いが ....
落下する精神の一滴
不毛の砂漠が拡がる
一滴の水はオアシスとなり得ず
砂礫の隙間から地下水脈に吸い込まれる
蒸発するのでは無い。
胡散霧散するのでは無い。
現実だと認識できない ....
トランク一つで旅に出よう
遠い遠い異国の地へ
木の橋を渡り森を抜けるのだ
憧れていたムーミンの家
扉をノックしたのなら、彼は出迎えてくれるかしら?
可愛らしいお家の中で、お茶 ....
明日をも知れぬ
今日も漂う
忘れた筈の泪さえ
息を吹き返して
縄張りを主張する
昨日の明日は決して
今日では
なかったのだな
僕は
だんだん愚かに
なってゆくが
....
その白い線の上に
立っててね
このへんに
ぼくも立ってるから
ちょっと遠いと
近寄りたくなるし
「やあ!」
と言えば「あ!」と
返してほしくなる
だからその白い線の上に
....
きのうは愛してたけど
きょうは愛してない
あさってはちょっとだけ
愛してるかも
そんなていどで
生きてるから
手首に線路がおろろろろ
わたしはしってる
じぶんできめる
す ....
どういうふうでも
最後には
もういちど
出会いたいと
おもう
もういちど
出会って
いまより良くは
できない
おなじように出会って愛みたいになってぼろぼろに傷つけて
たくさ ....
どんなに大人っぽいと言われても
どんなに大人に見られても
中身は正真正銘女子高生
ご立派な16歳糞がきんちょ
無神経な言葉を彼に浴びせ
平 ....
か弱いものでも生きてゆける
それが人間らしさってこと
それなのに時には誰かを押しのけては前に進み出て
この一歩が生死を分けるのよね
なんて言い訳をする
※
世の中は悲し ....
宇宙はこわれて
とろとろの熊になった
やわらかで許された
ひとりぼっちの熊
わたしが出会うのは
その熊の孫の孫の孫の孫
なのだけど
まだだれも知らない
とろとろの熊しかいない
....
光と闇の狭間に見える
人物の陰影
突然漆黒となる闇の陰に
ペテン師の陰惨な微笑と
神の不条理な愉悦が
垣間見える
その反対側の光は
捕縛側の甲冑の黒の光沢を際だたせ
キリストは捕縛 ....
遠野の山道/峠の途中 一本の巨大な枝垂れ桜/
とおののやまみち とうげのとちゅう しだれやなぎにかっぱがぽつり
春先にその桜の根元/その下で春先に相撲を取る河童一匹/
はるさきいつも ....
キスをせがんだ乾いた唇に
熱は伝う 憚る暇もなく
堪えていた(つもりのない)モノが零れ溢れ
堪えられないくらい“私”に気が付く
ふたり 夜空を見上げて
満天の星のした
夢 語り合ったね
不安な僕の心を
君の笑顔が支えてくれた
自信のない未来を
君が拓かせてくれた
ずっと君の隣を歩いてゆくと
思っていたけ ....
彼女の名前は作り物
私が名付け親であります。
私は管理を怠りました
彼女は消えることもまた
話すこともできなくなりました。
ごめんねだ ....
開け放し砂漠のようなせまい部屋 砂糖の雰囲気を探してる
二人して抱き合うふりして寄り添って あつめたものはばらばらの穴
陽だまりと
血だまりは
だいたいおなじ温度
抱かれてるくらいの
おなじ温度
おっぱいは
血液と
だいたいおなじ成分
血をなめたときの安らかさも
だいたいおなじ成分
陽だ ....
心からだきしめていたい
心の中までだきしめて
いたい
あなたの心の痛み感じられるくらいに。
友へ
こころを寄せて
手紙をしたためています
わたしのうしろで書かれないものたちが
茶化して耳をくすぐります
フェルメールの筆は光の代用
ずっと見ていたかったのに
わたしは弁明しなけ ....
旅立ちは賑やかだ
大皿に盛り付けられた笑顔と
色とりどりの激励の前で
あくまでも清々しく感謝を歌い
覚悟の靴紐を適当に結んだら
潔く見えるように出発しよう
旅立つ者の不安は誰も ....
囁きのような極彩色の
ベッドに横たわり
レム睡眠とノンレム睡眠の
波に支配される時間は
どんな時間だろう
記憶との関係で言うと
忘れ去られた色彩
轟音のような
モノトーンの目覚 ....
緑道公園の木の上で
最後の蝉が鳴いている
ジリジリ・・・
ジリジリ・・・
今にも力つきそうな声で鳴いている
その声は一瞬一瞬過ぎるごとに
確かに弱々しくなっ ....
{画像=110917004242.jpg}
わたしはひかり / わたしはしずく
ふようして / こうかする
あなたはやみ / あなたはこうずい
かくさんして / ....
わたくし 妖怪 おもてなし と申します
わたくしの体のほとんどの部分は 水なのでございます
人間の水分量は六割だそうですね 人って よくそれで生きておれますわね
たわいのないことを地獄 ....
熱暴走を恐れている
いつブチ切れルかオドオドしながら
キーボードを叩いている
送風口に手をかざし排気の熱さに眉をしかめ
キーボードを持ちあげ底板に手を当てて熱さに一喜一憂する
そんな ....
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