窓の外に硝子色の鳥が飛び、静かの海は今日も波が激しい。
雷空から白い光が、幾本も降り、燕が凍った。
白い窓に息を吹きかけて、砕け散る街の色は赤。
街が血を流す、夜が近い。地下室に閉じ込められた空 ....
{引用=
1
そして
と
呼ばれている接続詞に
つかの間
休息を与えられ
安堵して
母親の洗った
布団に
潜り込み
今日1日の艶やかさを
昨日と
比べるこ ....
「スカッとしたい!」
ただそれだけのこと
年上同僚と上司からの絶え間ない
ツートップなセクハラ発言
尻はなでくりまわされ
後輩はクレームばかり持ち帰るから
年々増えていくお ....
能開セミナーで
綺麗なお姉さんが
額に手をかざしてくれた
あたたかな波動
とてもいい気持ち
突然
MCのおっさんがたおれ
獣の声でうめきだした
お姉さん
カメハメ波のポーズで
....
電線を泣かせるのは
木枯らしだ
冬のからだの
声だ
何も掴めないのは
街路樹だ
冬のからだの
手だ
キシキシと縮こまった
エンジンを震わせて
登り坂を這っているのは
....
もっと聞かせて もっと紡いで あなたの言葉の 深みを旅したい
梅の花 香りと共に 消えていく あなたの声は もう聴けなくて
「お帰りなさい」と 声が聞こえる 僕の居場所は ....
週末、定期的に届く招待状はまるで
光年先の異星からやって来る奇妙な使者のよう
青い光
目視を拒まれた、
太陽と月の錬金術
十六夜の月を鏡に、
くちびるには薄い紅 ....
大好きなあの子が笑っているとき
ぼくは空気になった
冷たいアスファルトの上
共有する呼吸を知った
ひとつになって
やわらかくなって
ぼくらの心臓はまるくなる
....
海の稜線が光ると僕は
それがある種類の
誘導光だと
感じる
あの光が誘導する物事は
とても難しいのだけれども
僕たちの大事な部分と結合している
そんな時間とはまた
違う別の時間に
....
ラーメン屋の湯気の中で
二人で未来を語っていた時から
おまえは何時(いつ)も ずれた視線をしていた。
駿河台の坂を上って行く途中
ヒラヒラと雪が降り始め
俺には寒かったが
おまえは ....
人がいなくなって初めてその人の価値を知ります
人がいなくなって初めてその人の優しさを知ります
そう思えば
今何気なく過ごしているこの時間も
かけがえのないものとなってゆくのです
朝一番に窓を開けると真っ白に吹雪いていた
時が流れるにつれて徐々に雨へと変化して
暮れる頃にはそれさえもあがっていた
駅の改札を抜けて家路につく
空には呑気に星がちらついていて
コー ....
私のおなかの上で赤鬼みたいな怖い顔をして
額の汗を拭おうともせず
力強さこそが総てと容赦ない恥骨の痛みに涙を流す
*
さきほどまでの赤鬼が嘘のような寝顔
横になって見つめれば不思 ....
雪国の町は空気も凍る
重い空の下
ねぇ
あなたは凍えていませんか?
秋の日の柔らかな日だまりの中で
産まれたばかりの私を
あなた
そっと抱きしめてくれた
それが暖かで
それが安ら ....
空想を語りつぎ
今はただ虚無でしかない
物語りはかなりの頻度で
涙をながした
ありとあらゆるもの全てに
意味があるけれど
時代がすすみにつれて
その意味がうす ....
天空の青はただ、孤独のいろ
神秘の源泉より切り出された青い石は
月の砂漠を揺られ、世界を支える山脈に沈む夕陽を眺め、
地中海を越え、さらに遠い国々に運ばれるためにある
....
蝉時雨の光。七色の雨が降り注ぐ街にて、潜水艦が飛行する夜。
寝静まった住人が起きだし、徘徊する街にて。夢を壊さないようにぼくらは
足音を立てずにこっそり歩き続けた。赤い風船が飛ぶ、夜。
窓から窓 ....
君に電話をかけるのは簡単だ
『8』、『コール』の順にプッシュする
それだけ
いつか 君が好きだと言った8
君と知り合い
業務主任は8から1に出世した
あの頃の二人が
毎日 何を話 ....
キィィィィ ンンン
鳴っている
塾帰りの娘を迎えに来て
路肩に車を止めてエンジンを切る
ガラス1枚隔てられただけで
街のノイズは膜を張られ
夜の静寂が濃くなるから
ィィィィィ ....
鬼がやってきたので 福豆を袋ごと投げつけた
クイックモーションから全力で投げた
「 俺が大殺界だってこと、わかって来てんのか! コラ! 」
鬼に投げつけた袋を拾うて ほぼゼロ距離 ....
大きな河がある。
河原の茂み越しに夕日が沈む
大きな赤い夕日が沈む
川沿いの巨大な倉庫の
グレーのシルエットを引きずりながら
大きな河がある。
河原の水際にホームレスのホーム
ホ ....
{引用=
目にするものは、すべて
縮小された世界 ほそい指先に
絡まる色糸の道と煩雑なブロック
意識ばかりが拡散して、
すぐに ほんとうの姿が分からなくなってしまう
この街をあんなにも ....
お誕生日ですわね
アナタ検索でヒットした
ブログの情報達を手がかりに
あなたがアップしていたお部屋に
今からお伺いしたくなりました
心配はしないでくださいませ
住所を知る必 ....
君と僕はずっと
一緒に育ってきたから
君はいまだ僕のことを
幼い頃の
あの何も知らないバカだと思い込んでいる
10年前は僕もバカだった、君もバカだった
同じぐらいかないいや
君のほうが少 ....
声を拾い集めてみます
盲目の私には広々としすぎる
歩くことさえ困難なこの街で
途方もない結果を残したい
私の耳がぎゅうぎゅう詰めになるほど
たくさんの声を繋いでみたのなら
....
君の心の中の桜咲け
その心いっぱいにあるつぼみよ開け
寒い冬がもうすぐ終わる
春は来る
君の心の桜咲くとき
その希望と夢はもうすでにつかんだ
君はいっぱいの ....
いやになっちゃうわ
恋人と別れた後の帰宅途中
立ち寄ったブックストアで買い漁る
ファッション雑誌と少女漫画
恋占いの本だけ
あいだで隠すようにして
花が咲き散らばる
そんな一面な ....
奇数行 奥主 榮
偶数行 鵜飼千代子
草むらにもぐりこみ
地平線がゆるむころ
息をひそめた虫たちは
オパールの海が{ルビ有明方=ありあけが ....
はじめて
バレンタインのチョコレートを
用意したのは小6のとき
遙か遙かむかしのはなし
でも 鮮明に覚えてる
初恋
あのころは
ペコちゃんマークの
ハートのチョコレートく ....
雪だ、雪が降っている
真夜中に降り続く しんしん降りてくる
雪降る夜はワクワクする
台風の朝のように心が躍る
そして今日とは違う明日の景色を待つ
窓に張り付く淡白い結晶を眺 ....
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