太陽が僕を灼いて
遠くの世界歪ませた
水槽が君を囲んで
遠くの世界絵に変えた
僕は君の水槽に飛び込んで
濡れたまま手を繋ぎたい
熱い太陽に灼かれながら
水浸し ....
小春日和の太陽は
一見優しく
地上に温もりを与え
散りゆく草木を
名残惜しむ
その慈しみに触れたと思い
人々は
それぞれの想いを胸に
去りゆく
季節から日常から人から
帰化して ....
マッチ売りの少女にでもなった気分で
その鍵穴を覗くのがわたしの日課となってしまった
この街へ引っ越してきた当時はタバコ屋さんだったトタン屋根の並び
ちょっとしたお屋敷風の黒塀に
その鍵穴は ....
紅葉があんまり紅いから
メールを送ってみたんです
紅葉があんまり紅いから
安心するんじゃないだろかって
紅葉があんまり紅いから
やさしくなってみようかなって
良く撮れた
....
無辺際の空
金属が滑空する
滑らかな肌は
雲の白さに嫉妬する
見るものすべて
聞くものすべて
触れられぬあなたの
裸体を想起させる
悲しいことなど
嬉しいことなど
すべて綯 ....
肺病病みの男と
肺病病みの女が
みすぼらしい格好で
冬の道の真ん中にいる
男は希望に絶望し
女は絶望に希望し
ふたりはディーゼルエンジンの
煤で汚れた街路樹の陰に入る
何もほし ....
母とあたし
妹ふたりは
連休を利用して
パンフレットでは
値段の割りに
妙に大きな部屋の
あるリゾート施設を
予約した
広い庭を通り抜けて
通された
部屋は大広間のよう
....
なめらかな線に少しだけ空いた
そのへこみを
埋め合わせの私が入り込む
なんて居心地が良いのだろうと思っていたが
埋め合わせは考えた
もうちょっと居場所を広げられないかな? ....
ニコライ堂の鐘が鳴る
聖橋から小川町
緩くカーブのその坂の
底にあるのが小川町
小川町から靖国通
だらだら歩き神保町
三省堂か東京堂
なぜ行かないのか書泉の角を
曲がってうれし吉本 ....
死ぬまでにしときたい事を聞かれないと答え
してもらいたい事はと聞かれ即座に答えたね
膝枕 寝付くまで穏やかにしててもらいたい
髪と布の磨れ違う気遣いにウトウトほろ酔い
時に寝返りうつ伏せ窒息す ....
疾駆する 髪を風になびかせて
星の無い夜 月の無い夜道を
呼吸する音が 耳元でうるさい
冷たい空気と体温の熱さ
帰らねばならぬ 刻限までに
守らねばならぬ 交わした約束を
目にものを ....
街を歩くキレイなお姉さんは
秋晴れの空の下
ふかふかのブーツを履いていた
ブーツの上は素足で
短いパンツでお尻だけ
包んでるんだ
変なの
そう言う私に
キレイなお姉さんは
ふふっ ....
重いビートを無視しないで
おまえを、目覚めさせるために
はるか遠くから聞こえてくる重いビート
コーラスガールの太腿にこびりついた
昨夜の味気ない欲望
すべておまえを目覚めさせるた ....
引出し開けて眼球を愛でる
価値を産む祝祭の時の色
頭脳で汗かく情報煉瓦
起立するペニスと勃起するミサイル
濃霧に馬の後光の疾風
コツコツと地下階段 黄泉の光も漏れて来て
馬頭人間シャワーカーテンに陰
夜のうちに暴れ回って墓場の菊
戻れない黄泉からは死霊の世直し
飛ぶ夢や妙に明るい都市に住 ....
壊れたものを修理にだしたけれど
どこの店に行っても直すことができなかった
別れ際のあの不意な涙は
今も僕の掌に落ちて染み付いている
必ずハッピーエンドになるとは限らない
....
人を
傷つけて
何も感じないのは
とても悲しい
世の中は
信じられないようなことが
たくさん
目の前に起きている
人の
痛みも
わからないのは
自分の痛みも
わからない ....
「メランコリー。」
可愛がってたねこが
朝冷たくなっていた
そんな憂鬱
やりたい事見つからない
夢の消える音聴いた
そんなメランコリー
だから苦しいんだ
靴下片方見つからな ....
タンスの中からウェディングドレスが出てきた
真っ白だったであろうドレスは
少し裾らへんが黄ばんできていた
デザインは当然新しくはない
鏡の前に持って行き、私は
自分の胸に合わせてみた
狭い ....
宵闇に包まれた路地に建つ
戸建住宅の玄関前に
一匹
猫が座っている
しゃんと背筋を伸ばして
正面を見据えて
その確固たる存在感を
僕は
しげしげ見ながら
通り過ぎる
どこ吹く風とい ....
きれいなお化粧を落として
むらさき色の涙が
純白のはなびらを呪うように
ぽつぽつと流れていく
「檸檬をかじったり
桃を剥いたりするような
みずみずしさはだめなの
くちびるにハチミ ....
怖いんでしょ?
他の人は気付いているのかな
あなたは恐れを抱いている時には
微かに瞼が震えるんだ
その震えは
そっと抱きしめると止まる事を
髪を優しく撫でると止まる事を
そして何より
....
ペンネームとか筆名とか、自分の詩に自信があるならばそれで良いし、名前で詩の価値が変わるわけでもない、と思うのだけれど実際は自信もないし、詩の印象が変わる気がして、やっぱり筆名を使うことにした。匿名性 ....
夢魔のヒズメ削り取る血沈の昏さ
女体幻想 目開けば臭いタオル
狂気にてあらゆる体液の可食性
アウ・アウと耳元で紅い唇が呟く
肉欲の狂い腐乱した魂と獣形後生
....
もっと話を聞かせてくれませんか
そうしたら、
あたしは、言葉のあいまに置かれた
なだらかな読点【、】に背をもたせ、
気まぐれに口をつぐむあなたの 数知れぬ句点【。】の
小さなその ....
憎しみからは何も生まれない。
そんなのわかっているのに、傷が癒えないまま月日が過ぎる。
何のプライドなのかわからないけど。
そんなプライドいつからあったの?って自問するくらい。
嘘をつ ....
今日は大雨だった
雲っていたから
仕事をズル休みした
人間関係が悪い訳ではない
やる気がない訳でもない
欲しい物がない訳ではない
生活が豊かな訳でもない
自分に対する ....
この町の夜は静かなもので
特に冬の夜は衝動に駆られて
大きな音を立てて改造車で走る
少年少女もいない
その代わり目には見えない何かが
充満していて、それに触れられると
その部分だけ鳥肌が立 ....
最近朝早く目が覚めてしまう?なぜ??
僕が朝早く目が覚めるのは
顔を洗い歯を磨き、朝飯をたらふく食べるためです。
僕が朝早く目が覚めるのは
黒猫のトイレの砂を換え、黒猫に食事 ....
待ち人でありたいと廊下に立ち
ほとぼりが冷めるまでの言葉遊び
未だに解けない誤解があるなら
不本意な配慮も無駄にはならない
街灯が照らし出すと同時に
忘れていたものを思い出す
何気 ....
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