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書けない言葉の奥の
足りない夕日の中に
今も聞こえている風景がある

諦めたその視線に映る手のひらと
日々表情を変えていく ベランダの空

懐かしむかわりに そっと靴を履く
今の僕らな ....


鍵を開け部屋に入ると
夕暮れが横たわっていた
ただいまを
告げることができずに
カーテンを閉めてしまう僕は
そうして一日が終わることを確かめる







母さ ....
少しずつ 遠ざかった街で
午後の地下鉄に揺られながら
僕は いつかの頃を思い出している

目の前を
たくさんの人が
揺られ押され 通りすぎて

毎日決まった場所で
同じように吐き出さ ....
ゆらり ゆらり
波が
揺れるように燃える
空が
夜に向かって焦げてゆく


一度放したその手は
まだ
消せぬように熱を帯びて


窓が紅く染まる
夕景の中
明日は既に迫っ ....
明かりの無い部屋の片隅
目を開けて 僅か
閉じる

暗闇を見つめることはいつも難しい


閉じることで
そこに何が生まれているのかを知りたかった

同じことで
閉じたところで何も ....
雑踏の中で一人
実在しない 視線と
増してゆく 孤独みたいなものを 
蹴り飛ばしながら歩く
少し爪先が痛む


すれ違う人は 揃いも揃って
バカみたいな笑顔をばら撒く
人ゴミ
今度 ....
やわらかな
風が吹いている
丘の上の

さようなら

たくさんの公園と
澄んだ小川と
空き地と

苺の庭と
カブトムシと
サッカーボールと

さようなら



そう ....
あらかじめ
決められた色に
染める

透明と透明が重なって
疑って
濁ってゆく


気が付けばここに辿りつき


誰もが
青い炎に焦がれた

見せ掛けだけ
大きさだけを ....
一面に広がる海を前にして
子供の視線はずっと波を追いかけています

深く息を吸い込んで
寄せてくる世界に叫びます
その広さを叫びます

内容はちょっと どうでもいいのです


その ....
病院は寂しい所だった

相憐れむ人たちが
見た目には元気そうに
思い思いのことをして待っている

ここでは
みんな少し
優しくなれるらしい

一度目の気持ちなんて忘れた
穏やかな ....
図書館は今日も
中身の無い棚ばかりで
全部で五冊ぐらいしか本が無かった
世の中を模して
広すぎるように建てられている

CDレンタルの店員は
僕がばらまいた小銭を
借りてきた笑顔で拾っ ....
吐き出したくてたまらない
感情が
弱さのために
置き去りにされていく

そうして自身は守られている


紛らわす娯楽が
今は溢れていて
でも何かが残る
痛みの無いかさぶたのように ....
蛇口が捻られたのに気付いて
必死で押さえつけるけれど
耐え切れず 
当たり前のように
落ちる


浴槽には
透明で 
不思議な色に染まった水が たまっていて
新入りは 小さな音を ....
曇り空を見るといつも
全てのことを正当化してしまえる
気になるけれど
その度に
雨が降ってくる


言葉は便利で
音楽は優しく
都合のいいお話は
いつだって楽しい

でも残念な ....
秋の終わり 
街路樹の狭間で
主人の居ないくもの巣が
所在無さげに揺れている


いつの間にか
冷たくなった空気に
震える肌

きつい陽射しを負う背中だけが
何かがにじむように熱 ....
靴紐がほどけて
その存在を見せ付けてくる

埋められるための空白は
ただ待つことしか出来ないのに


生きることを言葉で表現できたなら
どんなに幸せだろう
もしそれが可能なら
生き ....
玄関のドアを開けたら
鈴虫がいた

小さい頃の歌 思い出す

リンリンリンリン リィンリン

鳴くのを待って
じっと見つめる

鳴かない
睨み合う

僕が負けて
歩き出す
 ....
こんな都会だから星は輝かない
空を見上げもせず そう思い込んでいた
見えているものを確かめていくのは
立ち止まってみないと難しいのかもしれない


考え込んだ夜 外はあまりに綺麗で
窓の ....
千波 一也さんの健さんおすすめリスト(18)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風景が、聞こえる- 自由詩9*07-10-8
家族- 未詩・独白507-3-31
帰路- 自由詩9*06-6-30
暮れ方- 自由詩3*06-5-19
まぶたの裏に- 自由詩5*06-3-27
人ごみ一人- 自由詩7*06-2-10
さようならと共に- 自由詩11*06-2-5
白い実験室- 未詩・独白2*06-1-26
思い出として- 自由詩5*05-12-30
寂しい所だった- 自由詩3*05-12-23
失くした一日- 自由詩7*05-12-17
一つにならない- 自由詩7+*05-12-9
浴槽- 自由詩5*05-11-26
空はいつも優しい- 自由詩6*05-11-25
くもの巣と赤い葉- 自由詩4*05-11-22
白い空- 自由詩5*05-11-3
鈴虫がないている- 自由詩5*05-10-19
街の灯- 自由詩4*05-10-15

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