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ぼくらは ずっと待っていた
ぼくらの町へ 乾いた貿易風が吹く季節を
帆をぱんぱんに張り 胸板の厚い奴らが
また 町を訪れる春の季節を

むすめどもばかりか 近所の後家や亭主持ちすら
こころ ....
我は オサ
この 水の草原を 進む
異なる血の 家族を連れて
はるかなる 陸への途上

我は ハシラ
気がつくと 我は長だった
傍らに 成熟できぬ 仲間達
たまたま 我は
手と足と眼 ....

放たれた矢は射手の胸に刺さる
ゆえに詩は死
死は史にも通じ
後者は一般に過去を記録した事象を示す名詞である
詩が死であるところの史とは死の記録
過去とは死者の王国である
つまり どん ....
私は悪魔ではない
地獄の炎に取り巻かれているわけでも
コウモリの翼を持っているわけでもない
人間の中で暮らしてはいるが
私は れっきとしたマラークのひとり
今日も 無能な部下の提出する書類一 ....
 増大する人の世の悪徳に疲弊している私の
 両翼は とうに抜け落ち
 背中は
 巨大な浮腫により
 佝僂のように曲がっている

エミです
こちら はじめてかしら 今日よかったら また指名 ....
日曜礼拝の帰り
地区司祭のジェイコブから呼びとめられた
用件は 恋人を殺した地区女性信徒のあつかい
「あのおんなは
 罪を認め悔い改めております
 できますれば 天国の扉を閉じず
 主に魂 ....
 ・・・ひとりのこどものために

人間の中で
いつもわたしは震えていた一人のおさな子だった
ふたおやの不当な暴力に 無力であり
理不尽な要求に 声を震わせ 慄き
欲望の魔の手に この身体を ....
 仏蘭西語よりも希臘語よりも陰気な羅典語よりも
 英語の発音が好きだ だから
 私の名前を呼ぶときは
 英語の発音で呼びかけてくれ

ルシフェルとの戦いで
華々しい戦果を挙げたのは遠い昔の ....
テーブルの向こうで
カエルがなくのだ
涙もろいカエルがなくのだ

悲しみの理由は
支離滅烈
取り乱したカエルの日本語は
とてもビジネス文書向きではない

だか 悲しみという命題は
 ....
あなたとにって詩が
だれかにとって詩であるとは限らない事実を
そろそろ
認めませんか?

これは詩ではない
思いのたけを稚拙に並べた文章
不特定多数に還元された主語
(まず文章として問 ....
笛吹き男が
こちらを向いてにこりと笑う
(愛は劫初のくびき)

青ひげ侯爵が
やさしい言葉を投げ掛ける
(言葉の虚構の投網)

ついでに
市役所勤めの桃太郎が
たまった市民税を督促 ....
ぼくの肩に乗るピパは
足が一本かけている
だが ときおり
大声で泣くほかは
そこ等の蛙と大差は無い

ただ 知り合いの目利きによれば
それは伝説の金蟾(きんせん)なのだと
だから大事に ....
友人のバイクの
後部座席
奥多摩へのツーリングの途中
立ち寄った駄菓子屋
なつかしの
銀玉ピストルを見つけた

彼は おもしろそうに
ピストルを手にして
銃口をぼくにむけた

ぼ ....
乾いた風が汗ばんだ額と髪の毛をすり抜けるときも
大地を蹴る爪先に火山性の礫がかすめるときも
棕櫚の緑が覆う甘いオアシスの水の飲むときも
いまだ おまえの低いうなりと乳臭い匂いが
俺にまとわりつ ....
懐かしい天国への途上で
思い出されるのはあなたのこと
いや むしろ気がかりなこと

あなたによって
傷ついた額から血が流れるのは
これで二度目だ

茨の冠で傷ついた額は
最初に頭を打 ....
あの日は
いつもと同じ穏やかな日差し
ほこり風も吹かず
糸杉の葉摺れの音も心地よく
乾いた空気は風となって額を吹きすぎる
貴重で平和なひととき
ただ それは
カナンの地ではありふれた初夏 ....
ふと気が付くと
愛を無くしたケガエルは
渇水時のダムのよう
カラカラに干からびて
部屋の隅に転がっていた

ミイラ化した粘膜は
彼等が忌み嫌う爬虫類の鱗のよう
かつて 愛し合った痕跡は ....
大型台風が 故郷を直撃した夜
携帯電話で
十年以上も音信不通の父の処遇について
妹と話をした

その話の途中
突然の昏倒で緊急入院した母親を持つ恋人から
メールがはいった

その日  ....
成覚寺*の一軒隣り
全国チェーン店系列の喫茶店で
砂糖抜きのロイヤルミルクティをすすりながら
かつてここは
宿場町の 春をひさいでいたをんな達の
悲しい場所だということを思い出した

太 ....
その街では
いつも暖かな懐かしい風が吹いていて
まるで中央アメリカの芳醇な空気のよう
勝手知った家のスキャンダルの扉は
決して開けられることはないので
ぼくのトウモロコシはすくすくと育つのだ ....
駅前にホテルが二つ デパート三つ
それから 増えている風俗店

以前は
国道十六号線とJR中央線の交わる狭い一帯に
軒をつらねてひしめき合っていたのに

裏の遊技場を隔てた
暗黙の境界 ....
サハラ砂漠で夏眠中のカエルは
とてもつらい

遊牧民に掘り起こされ
厚い安らかな粘膜のシートを
乱暴にこじ開けられ
たっぷりと溜め込んだ皮膚の水分を
絞りとられるのだ

たいせつ ....
一文字一文字に視線を凝らし
こころの襞を丹念に畳み

ときおり涌き出る節足動物の感情を
日光が乱反射する水底に沈め

柔らかな肉の水面を デコードされたカモメたちが
捕食する様子を見なが ....
お花畑に
直立するオベリスク
であるところの君
あるいは
漫画に戯画された
仮性包茎
であるところの君
きわめてきわめて 男根的性格である君よ
君のピンクの先っぽには
いつもお天道様 ....
土曜日の夜に2件
日曜日の午前中に3件
電話がかかっていた
この週末ずっと部屋にいたぼくは
留守番電話が計5回反応したのを
全部見ていた

誰だってお断りのときがある

そんなとき
 ....
空からカエルの降る夜は
かたつむりに乗って 砂漠に行こう
羽の生えたカエル達が 僕を捜して
砂嵐の向こうから跳ねてくる

ムラサキカエルの思い出が
お化けになってやってきたよ
死んだら ....
千波 一也さんのThe Boys On The Rockさんおすすめリスト(26)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
貿易風の吹く頃- The Boys On ...自由詩3*07-8-25
オサ_〜_海にねむる*より- The Boys On ...自由詩3*07-8-4
Poesie- The Boys On ...自由詩3*07-6-5
天使祝詞_ルシフェル- The Boys On ...自由詩4*06-10-14
天使祝詞_ラファエル- The Boys On ...自由詩5*06-10-7
天使祝詞_ガブリエル- The Boys On ...自由詩4*06-10-1
天使祝詞_ウリエル- The Boys On ...自由詩5*06-9-23
天使祝詞_ミカエル- The Boys On ...自由詩6*06-9-16
ポーカーフェイスの涙- The Boys On ...自由詩5*06-6-17
これは詩ではない- The Boys On ...未詩・独白6+*06-4-1
私的プロメテウスのアリス的逃走- The Boys On ...自由詩4*06-3-26
劉海戯金蟾- The Boys On ...自由詩7+*06-2-13
BANG!- The Boys On ...自由詩5*06-1-8
生きる- The Boys On ...自由詩5*05-12-18
モノローグ- The Boys On ...自由詩3*05-11-27
ユダの闇- The Boys On ...自由詩6*05-11-6
愛を無くしたケガエルは- The Boys On ...自由詩3*05-10-21
ことはじめ- The Boys On ...自由詩3*05-10-15
新宿二丁目の喫茶店にて- The Boys On ...自由詩5*05-9-17
さよならとこんにちはの街で- The Boys On ...自由詩5*05-9-3
八王子____学生時代の思い出に- The Boys On ...自由詩2*05-8-28
スキアシガエルの入定- The Boys On ...自由詩12*05-8-20
瞑想のオード- The Boys On ...自由詩3*05-8-14
ファロスのピクニック〜Yへの祝婚歌- The Boys On ...自由詩7*05-7-23
週末の留守番- The Boys On ...自由詩2*05-7-13
空からカエルの降る夜は- The Boys On ...自由詩3*05-6-25

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