*水の記憶*
かおる



コンクリートジャングルを
見下ろす
蒼い空に
真っ白な
ぽわぽわ羊が
たゆたっている

壊れてしまった
レコード盤のような
日常に
膿んで
見上げる空は
高い

鋼鉄の
レールの
向こうには
紺碧の海
砕け散る波は
やがて雨音と
リンクする

心地よい
雨だれに
身を任せ
遥か彼方の
追憶が
呼ぶ

この乾きから
逃れる為
水に
攫われるのは
いつの日なのか


自由詩 *水の記憶* Copyright かおる 2005-10-17 17:08:06
notebook Home 戻る