季節記号
霜天

優しく、なりたい

暖かい部屋でうずくまると
人たちの裏側が透けて見える
思うほどには
複雑に出来ていないのかもしれない


優しくなりたい

おはようと言うように
季節を捲っていく
カレンダーに印を付けていく人の側で
私のページが捲れていくのは
すべてが、近づいていくことが出来るらしいから


優しくありたい

さよなら、という
たった四文字の言葉が君の振る手を意味しているのなら
私の手のひらは、四つの
たった四つがひとつを巡ってくるために
暖かい部屋に、差し伸べられている


うずくまる
ひとつ、ふたつ文字が過ぎていく
ただそれだけの眼差し
複雑には出来ていない
複雑には出来て、いない
思うよりも

思うよりも


自由詩 季節記号 Copyright 霜天 2006-10-01 02:07:58
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四文字熟語