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ばいばい
さよなら
またあした。
けんかした日のかえりみち。
道端につぶれた{ルビ木通=あけび}
避けるようにとおります
ふんでしまったらさあ大変
靴の ....
あ な た
の 首 を
絞めて
押
し 花 ....
何を書こうとしたのか忘れてしまった
私はお風呂の中で
或いは教室で、バス待ちで
ふと詩を思いついたのに
それを脳みそに留めたはずなのに
今こうしていざ向かい合うと
うっかり何処かへ ....
雨で濡れた制服を物干しにかけると
お気に入りのセーターと
向かい合ってゆらゆらとダンスを踊った
優しい雨のなか
口ずさんだのはジーン・ケリーの“雨に唄えば”
これは何処からきた雨 ....
海とよく似た青いパンプスが欲しい
女の子は 愛に生き 愚痴を喰らう
すこし綺麗でいたいと思う
化粧をおぼえて 誘うことをおぼえる
何処で習ったのかは 自分にもわからない
遺伝子のなか ....
さみしいアスファルトに薄い雪化粧
その上にきりとり線を描いてゆきます
おなじ歩幅で 一直線上に
きりとり線を描いてゆきます
振り返らない足あとは
戻らない昨日によく似ている
....
難しい言葉を並べるのだけが詩ではない
と陽だまりに抱かれたばあちゃんが言った
ちょうど春の終わり頃
小学校で書いた詩を先生に褒められたあとだった
知っている言葉をずらずらと
....
ひとりにして
誰の声もききたくない夜
子供のように声をあげて泣くことを忘れた夜
お母さんが言っていた
赤ちゃんが泣いている時に
母親が寝たまんまなんてことはないのよ
泣き声がきこえ ....
離れないのです
鼓膜から脳の髄まで焼き付いて
離れないのです
母無き子の嘆く声
消えないのです
あの小さな幼子の
必死でわたしの袖を手繰る感覚が
....
わたしはねこ
あなたの脇のした 或いは
ストーブと向きあって 眠りたい
わたしは陽だまり
あなたが苦しくなったとき
そっと寄り添わせてほしい
わたしは鳩
平和なん ....
冷たい潮の香りが怖い
{ルビ蚕=かいこ}のように丸くなって
意識を沈めよう
聴こえるは 船の汽笛
朝には赤道近くまで 行くのだろう
こんな寒い夜は 誰かの温もりに
{ルビ抱=いだ ....
お酒でものんで 忘れちゃえばいいのよ
泣き上戸だって笑われてもいいのよ
誰かさんのためじゃなくって
あなたのためでいいのよ
なかなかうまくゆかないけど
わたしにと ....