震える手
Izm


街灯は今も寂しく
駐車場へと続く道に
光を落していた。

この微弱な心音と
どこか似ているような気がして
あのまま時が止まっていることが
救いだと思えるほどに。


通り過ぎる足音は
階段を踏み外さぬように
それでも力強く、
振り返りもせず。

一瞬の戸惑いを纏いながらも
笑顔を見せようと、
願いを込めた感触は
自らの記憶を混乱させた。

どうか このアスファルトで
繋がっていられますように。

どうか この風の中に
夏の微粒子が混じりませんように。




自由詩 震える手 Copyright Izm 2008-07-16 11:38:13
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