つばめのいる家
朧月

夜中に灯油をいれる
つばめが驚くから電気をつけられない
灯油をいれるもの
懐中電灯で照らすもの
ふたりで作業することになる

ひとりでできることなのに
つばめがぬくぬくとすごすために
ふたりで作業するのである

ばかやろう
そうおもいながら しゅこーしゅこーと
ポンプをもんでいる

なんだい
そうおもいながら ぽうとあかりで照らしている

つばめは
ばたばたと羽を動かしている
去年の巣をいじっている

あれ おんなじつばめか?
そうきかれたけど
きっとそうちゃうか
いいかげんに返事する

帰ってきたと
そんな気がするから

去年のつばめのこども
じっとみまもったこども
いなくなった私のこども

こどもの命をみてた

ばかやろう
そう思いながら
しゅこーしゅこーとポンプをもむ

なんだい と
明かりを照らす



自由詩 つばめのいる家 Copyright 朧月 2010-04-04 09:20:27
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