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新鮮な墨が降り注ぎ
今日も新しい夜になる
昔の夢も 昨日の夢も
すべて洗い流されて
路傍の黒に宿って眠る
瞼の裏の死神が子守唄を歌い
今日の夢が昨日を殺す
旧い世界が死んで
....
目線の先の空に暖色の廊下が浮かんでいる
夕時を回った薄暗闇の淡い夜には
不思議なほど似つかわしげな灯りの配列が伸びている
窓に映る背後の景色を
私はぼんやりと座りながら眺めていた
い ....
世界の王を殺す旅に出よう。
彼の玉座は誰も知らぬ。
蝿の大隊を導いて
馬鹿の王を殺す旅に出るのだ。
旅の支度を整えよう。
全ての者に別れは済ませたか。
捨てて行く物は決まったか。
....
空見上げ 意味無き色に ほだされるまま
迷うと知りつつ 思慮を手放す
飼い鳥に つつかれた手に 悔いながら
やり直せても 繰り返すはず
春の陽と 紛いはすれど 秋の風
....
滴るような影が覆う
窓ガラスにも無数の痕跡を残しながら
実体の無い掌が感覚を撫でていく
階段の暗がりは質量を増し
無音
外は雨
彼は目を閉じたまま
静かに耳をそばだてた
金魚はきっと世界を弾丸に替える目を持っているでしょう。
静止しているか光速の平行移動で過ぎ去る世界しか、彼にはわからない。
一心に水を蹴るのは、少しでも世界を動かすため。
動く世界を渇望している ....
暗い窓の外に雪が降る
雪の色は灯りに映えて色を返す
窓を隔ててそれは揺らめきながら私の前を過ぎ
消えていく
落ちたかどうかはわからない
地面は窓の枠から遥か遠く離れたずっと下
きっと私 ....