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小さな家の
小さな庭で
立ち止まる小さな時間
枯れた柿の木の下で
腐ってゆく
冬を越せなかった果実
もつれてしまった糸を
ほどいていくのに
疲れてしまい
あきらめてしまった春 ....
からだという
枷をひきずりながら
とぼとぼと囚人が
やってきた
まどろみのなかで
わたしはうしなわれ
再生してゆく
あかんぼうのように
泣き叫ぶことが
できるだろうか
砂浜 ....
何か
を食う
たったった、と
たっ
たっっ
臆面もなしに
揺れる天秤
秤皿の上にあるのは
したたかな
計算
みっみみ
みみが
みぎ
外は氷点下
忘れられ ....
俺は間違っている
ちょっと外へ出れば
無名の住人
犯罪者ではないが
はたから見れば
不具者
誰とも話したくない
いや 相手にしてくれない
幸せな人や
幸せそうな人
不幸せそうな ....
ねこのこえがきこえる
冬空の底のそこのほうから
窓をあけてみても
すがたはない
姿などなくても
わたしだけに届くように
ないている
てつがくなどなくても
ねこは生きていける
わたしの ....
ぼく、生理がはじまった
おちんちんから血が出るから
ひにょうき科の先生に診てもらったら
おめでとう、と言われた
いやっほい
と、ぼくは宙返りをして
さっそく父さん母さんに報告した
....
風の中に飛び込んで
空を泳ぎ切る
湧き上がる入道雲まで
真っ青な空間を
かきわけて
辿り着く
遊びにきた子供らの声だけが聞こえる
足首に触らないでください
時につれ
舞い散る ....
冬に凝縮されていたものが
放散される夏
胡乱な眼で見つめていた
電線で繋がれた道も
砕かれた砂浜の突端で
選択を迫られる
歩いていれば
いつか生から解放される
轍もいつか途絶える
....
羽虫の妖精が
肩にとまっていた
指で弾いて
空へ帰そうとしたけど
彼の眼は
地中に埋められた種を
見ていた
生も死も変わらないとしたら どうだろう?
透き通る陽気に
犯 ....
世界は球面ではなく
幾重にも分かれた
平面だったのか
白鷺よ
お前に迷いはないのか
さびしくないのか
悲しくはないのか
地下鉄がやってくる
地上から
人間が降ってくる
バニリンが鼻 ....
青い顔をした老人は路地裏を杖をついて歩いていた。どこからか漏れてきた白い蒸気が路地全体を雨上がりの草叢のように湿らせている。
白と茶のまだら猫が前を駆け抜けていった。人の気配はない。この辺りにも ....
空っぽエンプティの神様は
融通がきかない
シジフォスのように岩を
頂に押し上げる
朝から雨だと
出かける気がしないのは
小学生の頃から
変わらない
生きていることにテーマはない
....
春に体は押し返され
弾みで乾いた鱗が
ばさらばさらと足元を埋める
みだりがわしい温度に
誘われるまま
感知信号に止められて
まるで自分が分銅になった気がし
もう死んでしまったのかと思 ....
ふくれる。頭をかきむしる。悪くない。これは悪くない。何をしてもどこまでも許される。母さんはそう言っていた。空腹。水ばかり飲んで、血の通っていない胃袋。越えてしまう。越境。満たしたい。頂点を迎える午前 ....
書く
泳ぐ
消す
打つ
飛ぶ
読む
走る
思う
有る
死ぬ
蹴る
射る
居る
着る
似る
干る
見る
強いる
悔いる
起きる
過ぎる
恥じる
落ちる
帯び ....
横断歩道で飛び跳ねていたら
ユーウツに
アタマシバカレタ
歩道橋の上から
唾を垂らせば
いかめしい車達の頭に
反旗の鉄槌が下る
もうそろそろ青虫がサナギに成る時間だ
春のワ ....
日が長くなってきた
暖かい日がちらほらと
そろそろ学生遍路が道に迷い
路傍で空を見上げる頃か
蝉の鳴き声が聞こえる
まだ冬の終わりだと言うのに
耳鳴りだろうか?
幻聴だろうか?
....
salcoさんのwithinさんおすすめリスト
(17)
タイトル
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カテゴリ
Point
日付
小さな家
-
within
自由詩
5*
14-2-23
くらげ
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within
自由詩
3*
13-1-12
何かを食う
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自由詩
8*
11-12-26
鬱
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自由詩
7*
11-11-11
猫が通り過ぎる
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自由詩
9*
11-1-29
ぼくの初潮
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自由詩
5*
11-1-9
雨上がりの声
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自由詩
6*
10-7-13
初夏夕景
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自由詩
5*
10-6-21
行き先
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自由詩
3*
10-6-4
蒸せる
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自由詩
4*
10-5-24
薄暮
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散文(批評 ...
3*
10-5-6
空っぽエンプティ
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自由詩
5*
10-4-27
春の入り口
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自由詩
8*
10-4-9
殉死
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自由詩
7*
10-3-21
澱(おり)2
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自由詩
3*
10-3-14
春・雑感
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自由詩
12*
10-3-8
冬越え
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自由詩
13*
10-2-25
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