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今日は土手を歩く
土手を歩いて風を数える
おまえと 僕と
懐かしい春の風を行進する
川面の丸い光を
後退する四角い針の葉の林を
居眠りする土手の潅木の列を
風はまんべんなく揺らして渡 ....
明け方から寒い風が吹いた初秋の昼すぎ
誰かが玄関に来て
こっそりと家人と話しをしている
いやな話しをしている
ガラス窓は水の色に曇って
庭の木が風で揺れるのも見えない
私はひそかに階段 ....
ぼくは、このメガネは、二年くらい前に買ったものです、
近くの眼鏡屋さんで。
最近はほんとに目が見えなくなって。
遠いところも近いところも、ね。
このメガネも、多分目にあわなくなってきているんで ....
松の根元に
腕を組んで眠る彼女である
彼女はここいらの生まれではない
こんなにも湿った(朝の)あぜ道のそばでは
彼女は豊穣なる火の国の生まれだ
だからよくしゃべりもするし
燃えたりする ....
路上
たぬきが死んでいる 今日
のどを空に見せて
堂々たるもんだ
左右に列なす車の真ん中を
雲を逆さに見下ろして
脇腹を少し赤く割って
動かないで
見に行こうぜ いっしょに
....
ひそひそと
整列する樹木の影
それから枝先の細さ
並んでゆれるつり革の
ぶら下がるもののない
空のつり革に
うなだれて
立ちのぼる
カズコサン
閉じている窓の
短く手の届くあた ....
家の裏に立つ一本の樹は
その背に
深い森を持つ
家の裏に立つ一本の樹は
その後ろに
もう一本の樹と
もう一本の樹を持つ
家の後ろに立つ一本の樹は
その背中に
もう一本の樹と
も ....
長く患っていた父が死にました
お通夜の部屋に潔い木の香りが流れました
父は長く一人だけの眠りを眠り
お線香はくるくると回っていました
わたしたちはチョコレートを
食べました 金色の銀紙を ....
る の形の漏斗へと滑り落ちていくように
ぼくは明るい駅へと吸い込まれる
窓に青蛙が張り付く
濡れた松葉が張り付く
滲むいくつかの家の灯りが
黒い木立に十字を掛けて
すいと横に流れたかと見る ....
さびしく光をめくる
冬の公園の夜
うろうろと
街を進んだ
車のバンパーに
暗い電球を乗せて
叫んだ
雪に埋もれた公園の池で
闇の飛沫が激しく踊り
死ね
街灯は
小道の向 ....
ぼくが生まれた日
今年のように
雪が物憂く降っていた
崩れかけた柱の根
巻き上げる夢の枝先
曇った窓に頬杖つくと
埋もれる氷の柱が
幾本も並んでいた
ぼくは泣かなかったけれど
指 ....
愛されていないから
悪ぶっているのだ
などとは
二股の枝が裂けてもいえないな
悪だから
ワルなんだよ
立ったままなのに
寝転んでいるような気がする
耳の奥で冬間近の電線が
風切る ....
濡れた藪の陰には
ヤスコちゃんがもう膝を抱えている
色の変わった大きな樽の中は
トシユキの指定席だ
横木の折れた狭い入り口に
クモの巣は長くぶら下がって
すでにだれかが小さな手足の跡を
....
ゆく道の車の窓に
雲を光らせ 幟旗を押し立てて
見知らぬ男たちが手を振る
起きぬけの笑顔で
すぼめて垂らした傘の先を
水たまりに映して
参議院選挙の投票に行く
昨日死んだ紺の背広 ....
五月の橋の上で
生まれ変わったら
何になりたいと聞かれた
ねことか
とりとか
雨の日の林の中の
きのこ
なんてどうかなあ
ぷつぷつとうたうたう
春の腐植の土たち
立ち上がろ ....
頭の薄くなった友人が
車の後部座席に老いた母親を乗せて
交差点を右折していった
すれ違う僕の車に気づかずに
ひさしぶりの幸せな笑みを口元に浮かべて
わからないことを後ろの席に語りかけて
そ ....
道は急速に右へとカーブし
街灯が
粉雪に色を試しているそのあたりで
ぼくは黒い髪の女の子に
恋をした
彼女は腕を垂らして
かばんを提げていた
髪をかきあげて
左目 右目と順々に
....
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(17)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
土手を歩く
-
オイタル
自由詩
4*
14-3-19
明け方から寒い風が
-
オイタル
自由詩
2
13-9-21
路地を歩くメモ
-
オイタル
自由詩
2
13-3-23
彼女の来歴
-
オイタル
自由詩
5*
12-10-20
路上
-
オイタル
自由詩
6*
12-9-23
カズコサン
-
オイタル
自由詩
1
12-5-13
一本の樹
-
オイタル
自由詩
7*
11-10-25
つや
-
オイタル
自由詩
6*
11-9-17
お帰りの少年
-
オイタル
自由詩
4*
11-9-3
冬の謝罪
-
オイタル
自由詩
6*
11-1-15
ぼくの生まれた日
-
オイタル
自由詩
12*
10-12-31
十一月の窓
-
オイタル
自由詩
4*
10-11-18
かくれんぼ
-
オイタル
自由詩
6*
10-7-18
参議院選挙へ_みんなと行く
-
オイタル
自由詩
9*
10-7-11
五月の流れる水の上で
-
オイタル
自由詩
9*
10-5-27
春の
-
オイタル
自由詩
7*
10-4-26
道は急速に右へとカーブし
-
オイタル
自由詩
3*
10-3-19
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