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深々(ｼﾝｼﾝ)と
遠い闇の
押し寄せる
夕刻の
八重咲きの
鬱金香
雑用のような行事に
押し流されて
一年が終わる
季節
人生設計リセットの
ループから
抜け出せぬまま
辺りに
第九が流れ始める
その押し付けがましさに
気が重くなる
最終楽章が終 ....
ただ 波の音が
聴きたくて
退(ｱｾ)た記憶の
駅を降りた
秋の海辺の
遠くに見える人影
波音と潮風に
案山子のように
吹かれている
わたしの
束の間の領土
カサカサ いわせながら
足裏に 季節を
感じる時
秋の音が
聞こえる
砕けた落ち葉の
紅葉の破片が
ばらばらになった譜面の
ひとフレーズのよう
こんなときは
ミケランジェリの
ド ....
