すべてのおすすめ
  埠頭には、柔らかな潮風の敷布が行儀よく掛けられて
  その何処かにはカモメたちの鳴き声が隠れている
  物欲しげで それでいてひどく退屈そうな
  女たちのことがふいに彼の気にかかる ....
  百葉箱のなかに置かれているのは 古めかしい爆撃機の模型である
  縞状になった日の出の薄明は その謙虚な空間へも差し込まれる
  若がえっていくのか年老いていくのか それは定かではない ....
コートの袖に去年がついていたの
で振りほどき
目の前を続けるの
です
名前のない雨が一粒一粒
ざあざあと集団自殺すれば
水槽から濁った冬があふれだす
私は言葉を投げつけたの
に水面には ....
空錆びて赤い 近頃めっきり夢が減ってきたので
巷の貘達は仕方なく
現実を食べるようになりました

現実を食べるようになって
貘達は急に怒りっぽくなったり
不機嫌になったり
涙ぐむようになりました

 ....
ずっとずっとずっとずっと
雨を眺めている
空は骰子のように
晴れたり曇ったりするので
今日は詩聖が天の箱を揺さぶって
数えきれぬペン先を地上に刺したのだ
天空には
恐るべき数の鋭利なる矢 ....
手の平を見つめる

指の間から零れるものは
幸福の粒と
不幸の砂
選ることもなく
一緒に零れ落ちる

頭上から降るものは光
雲に閉ざされた陰も降る
選ることもなく
一緒に降り注ぐ ....
頭蓋骨の中で
産声をあげた言葉は
即座に成人を迎えるが
吐き出された刹那
暖められてた
体温も密度も
蒸発して消えてしまって
レコーダーで保護しても
中にはものまねみたく
自分に似た ....
遠く 朝の空に カラスが 鳴いた 
空に向かって投げられた 一筋の石のように 
深く青い空の中 大きな羽影が音も無く遠ざかる

夜に満ちた寒気が 弱い光にわずかにゆるみ
 首を縮めたくな ....
私たちは
それほどたくさんの
フレーズを奏でられない

私たちは
それほど大きな音を
鳴らせない

けれどもういちど
ネジを巻きましょう
さびついてしまわないように


私た ....
火星剥く 少女の細い細い手首の糸
静脈の清流を
机の上に広がった乾燥しかかった薬品が流れる
かえるさきは循環する心臓の末端
そこはフランスとスイスの国境で
ちょうどこの鐡道の糸の終着点
窓辺には革表 ....
夜店の風鈴のように
蔓棚から垂れて枝にぶら下がり
秋風に吹かれている卵
茶色く毛羽立った上着の中は
半透明なグリーンの輝き

物珍しさと
手間の掛からない栽培が
流行を呼び 
夏は陽 ....
鳥たちが
羽ばたいて
赤子たちが
目を覚ます

鳥たちが
暮らしていたことなど
赤子たちは
知らずに育む

無邪気な勝ち誇りは
なぜだか咎に似て
無意識な寝息は
伝い聞く 幼 ....
冬の肌は
こわれもの

夕餉の火を落とし
手にたっぷりと
クリームを塗る
ひび割れから
そっとしみこむように

日常というものは
重力がある限り
何処に行ったとしても
そう変わ ....
さびた車輪が 降り積もった時間を振り払い 
重くきしむ

巨大な動輪が レールの上をわずかに揺れて 
危険な過去の岩石たちを粉々に砕く

車軸に浴びせられる 熱いオイルの飛沫が 
すでに ....
ざらざらの掌で
温められ
擦られ
撫でまわされて
摩耗した挙句
まるく つややかな光を放つ
表面に一点の翳りもない
器が
轆轤の上に
遂に生成し得たとしても
掌の持ち主の
荒れた ....
ゆらゆら路地裏に消えていく猫の尻尾
日曜日の午前9時
空がある
雲はない
宇宙がどのようになっているか いつの日か科学は突きとめるだろう
宇宙が何故在るのか 誰も永遠に分からないだろう
テ ....
降りそそぐ5月の光が せせらぎの上を転がり 溶けて 

自らの背に光を受ける 小さな魚の群れが
黄金色の川底の砂に 等間隔の影を落とす 

若草の緑が流れを縁取り 
木々のざわめきが  ....
駅を降りた時から
熟れた紙の匂いがしていた
一歩踏み出した時から
文字がバラけて押し寄せてきた
(ここは本の街です)

このあたり一帯が
巨大な書庫になっていて
その事実だけで
 ....
黙してほろほろ  
とある娘に、とある感情をいだき

とある表情に、頬を赤らめる

とある私



 
私に見えるのは
遠い 遠い 過去の渕
私に見えるのは
ひどく凍えた眼
私に見えるのは
そっと 覚醒た羊の夢
私に見えるのは
雑音の狭間の揺りかご
誰にもこの肌は届かない
雑音の狭間  ....
追い出されて
やっと探し当てた新天地
アネモネの花がいっぱい
色とりどりでその背は高く
私を隠してしまうほど
ここは樹海の中にぽっかりと
在る 秘密の場所
帰らない ここからはどこへも
 ....
闇脱ぐ 原因不明の
高熱の真昼に
ビーチサンダルの真似事

灼熱の砂浜を
踏みつけながら
彼女に伝える
夏の終息

沖へ行った
片方だけ
流されていった
さようなら

ビーチサンダ ....
あなたの皮膚に、脈うつ血流に、閉じた瞼の裏側に。
私は残ります。

あなたが生きている限り。
わたしは、ここに。
なぜだか私は卑怯者のように口を閉ざしてしまった。
まるで描写に値するものを失ってしまった画家のように。
よもや今に始まった訳でもあるまいに。
そう、私は穴蔵の鼠で人知れず格闘しているのだ。
 ....
立ち止まる 私の中に
暮れていく 背中の中に
それは広がる 
そっと広がる
枯れて枯れない樹木のように
許されないあの嘘のように
追いかけてきて
そっと広がる


見上げたのは
 ....
カリントウむしゃむしゃしながら寝入る脳内サンバカーニバル
ただのみきやさんの自由詩おすすめリスト(14108)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
エーテル_4- 草野春心自由詩113-12-26
エーテル_3- 草野春心自由詩213-12-26
365+1- 左屋百色自由詩9*13-12-26
空錆びて赤い- 北大路京 ...自由詩513-12-25
現実を食べる貘- ichirou自由詩8*13-12-25
雨を想う- 白雨自由詩213-12-25
還暦の感懐- ……とあ ...自由詩12*13-12-25
鮮度- 寒雪自由詩113-12-25
冬の朝のぼんやり- いねむり ...自由詩313-12-25
オルゴール- 村田 活 ...自由詩413-12-24
火星剥く- 北大路京 ...自由詩313-12-24
沈みゆく夕刻- 白雨自由詩313-12-24
キウイフルーツ哀歌- イナエ自由詩13*13-12-24
夢の中で- subaru★自由詩10*13-12-24
こわれもの- そらの珊 ...自由詩2213-12-24
錆びた車輪- いねむり ...自由詩513-12-23
会わぬが華- Lucy自由詩20*13-12-23
散歩の途中で__take2- 空丸ゆら ...自由詩1913-12-23
幼子が去った後には- いねむり ...自由詩4*13-12-23
本の街へ- Seia自由詩313-12-23
黙してほろほろ- 北大路京 ...自由詩213-12-23
とある私- 殿上 童自由詩18*13-12-22
沈黙の最中- 駒沢優希自由詩2+13-12-22
アネモネ- もっぷ自由詩713-12-22
闇脱ぐ- 北大路京 ...自由詩113-12-22
ビーチサンダル- うみこ自由詩6*13-12-22
記憶- a_ya自由詩413-12-22
粉糞- ヒヤシン ...自由詩9*13-12-22
侵食する、それ- 自由詩9*13-12-21
カリントウむしゃむしゃしながら寝入る脳内サンバカーニバル- 北大路京 ...自由詩413-12-21

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