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アブラムシの大発生に悩まされたのは去年のこと
気温の上昇とともに細菌のようにどこからともなく湧き出る奴らは先端近くの柔らかい茎や花芽や蕾に群がり食い荒らす
本で調べると薬剤を噴霧するよりもゴ ....
花のかたちをした夜が
水を駆けて駆けてゆく
水を求め うたう声もまた
駆けて駆けて駆け抜けてゆく


手のひらに降る灰
すぐ消える灰
鉄柵の内の空
すぐ消える空
 ....
どうでもいいぢやないか

それは君のくちぐせであり
ぐうぜんにも 君からきいた
さいごのことばでもあつた

ひと月まへ 一緒に飲んで
別れ際にきいた いつものせりふだ
その前に何を ....
私は瓦礫のような絵を描いている、
白は絵の具で、絵の具の壁は白い、
あなたは私のガラスを叩くでしょう?
私は吹きっさらしの家です

夢ではなくて、死ではなくて、
現実にはふた通りあります、 ....
あるくとおく、流れ流れて
流されてきた弱さを恨むのか
水にとけた光に問いかけた
転倒した月日の果てしなさ

ただ勘違いしていただけだ

月日は数えるだけしかなく
切り売りして歩くお前な ....
上司にパワハラを受け被害者然としていた人が
自分の部下にパワハラをしている

加害者の時は自覚できない
悪いのは常に他者だから

人を傷つけたってわからない
原因は常に相手にあるから
 ....
草原で踊りもせずに、海岸で泳ぎもせずに読書に耽る人を馬鹿にしていた、そんな夏に
好きになった少年が
寂れた展望台で静かにひらいたタイトルをひそかに探して
わたしはあまり踊らなくなって、あまり ....
わたしの前の席が空いたけど
今しも都市のかなたに沈もうとする大きな夕陽を
見続けていたかったので
座らなかった

燃え滾る線香花火の火球のような
太陽だった
それを反射して真紅に光る壁面 ....
カエルばかり鳴く夜にみた夢のこと
口から泡をふきながら
肝心の言葉が出てこない
夢日記のページは埋まっても
あとで見返せば
何が書いてあるのかわからない
単語と単語の間を繋ぐ接着剤はピンク ....
背のびしても
とどかなくなった月は
親指と
人指し指のあいだで
沙になって
さらさらと風にのる
くらい、脆い

雨の
こぼれたすきまから
青く
ふる光を
織るようにしてなびく
 ....
天気予報は雨でした
なめられっぱなしのなめくじが繁華街へ向かう

あなたの名前は何ですか
えっ 名前 何だろう
名前のない なめくじ
かたつむりのように背負うものもない なめくじ

ガ ....
虚しさは、ろうそくの炎のように揺らめいて
正体を見失う
スマホをスクロールさせても、行き過ぎてしまって
たどり着きたい所にはいけない
私たちは正しく嘘を、粉飾できないでいる

街灯ひとつで ....
有精のそれがこの体に宿った夜
わたしは
高い梢に身を寄せう番のコマドリを
ヤドリギの茂みから見つめていた
無垢で美しい二羽の囀りが
森の向こうへ遠のいてから
わたしは
花落ちた虚 ....
前庭に鯨が打ち上げられて
砂が、チョウ砂が舞い上がれば
世界は揺れて空と大地は
ぐわぁんぐわぁんと回転しながら
遠ざかったり近づいたり

もしチョウ砂が黄砂のように
気流に乗るなら、あの ....
井戸を覗いてはいけない
母が教えた

井戸なんか覗くもんじゃないよ
祖母が言った
井戸は
覗いた子どもを吸い込んでやろうと
待って居るもんなのさ

橋から下を見下ろした子を
川がい ....
柔らかいグラスに
硬質のワインを注ぎ
手で包んでいると手の形に
だんだんワインが馴染んでくるので
もうそろそろ飲み頃だろうかと傾けても
グラスが変形するばかり

透明な器に生野菜を盛り
 ....
日暮れ時
蜜を求めて飛ぶアゲハが
自殺した美しい女達の
芙蓉のような人魂に迷い
燃えて無くなってしまった

いかに美しくても
幸せになれなかった
業深き女達の
貧しい平等

鱗粉 ....
そろりそろりと剥ごう
皮をつつつ、と剥ごう
夜を剥いで朝を剥いで

私というものが
どこでもない場所で剥き出しで
死んでいる、或いは

台所で皮を剥がれた
剥き出しの野菜や肉に混じっ ....
どこまで漕いで行こうか
こんなにも暗い夜だ
幽かに揺れている水平を
描いているのはいつの波紋か
この舵だけが覚えていることだ
銀の月が爛々と眩い
溶けているのだな、おまえ
うつくしく ....
あかるい蝶々のみちにひかれてまだ見ぬ息子がゆれていた
いとけない息子の息をわたしはきいていた

突堤のテトラポッドで男は根魚を釣っていた
その側で片耳の三毛猫がひなたを掘っていた

夏 ....
もう二度と戻れない
とつぶやきながら僕らの日常
入口も、出口も
いくつも開いている
環状2号線

トンネルを抜けると
道がいくつも別れていた頃の幸せ
次のトンネルを抜けた
 ....
日が陰っているあいだのほうが
花の色は鮮やか
じりじり直射されると
ハレーションを引き起こす

風のない
霧雨の朝
すこしの水分
少しの明かりを
ゆっくりと開き切る手前の時を
深呼 ....
その知らせは
あるいは見ず知らずの番号からの
不吉に鳴り止まぬ着信であり
割り込みの権利を有する特等席の乗客のように
日常をふいに破いて届けられるので
わたしは声を失う

関わりの長 ....
わたしの嘘はわたしがよく知っている
でもわたしの本当なんて
わたしにもわからない

もっと自分をさらけ出せとか
魂の叫びを!などと言われても
わたしにはよくわからない

独りよがりにな ....
風がやって来て佇んで声がした
分身であり風である

空気と風のマーブル色彩に増す透明度
エネルギーを分けにやって来て
あなたのやり方で表現する
風が眩しくて初夏の語尾がキラキラと揺れる
 ....
いつもよりかすかに
いつもより明るい
夜の水のさえずり
手のひらの暗がり


鏡のなかにひらく傘
夜に向かう硝子の群れは
陽の名 月の名 
星の名を問い


果 ....
六月の夜の街で 通りすぎるはずの弾き語りに足をとめて

どうするべきか戸惑いつつ 疎らな聴衆の背後に加わり耳を傾けた
酔っていたせいかもしれない
気持ちのいい風が吹いていたからかもしれない ....
{引用=ふるいふるい くさばな

わたしをみながら

なにを はなしているのか

わたしに きこえない

おそろしい こえで


(いのることができないのです

 す ....
濃灰色に、重く雲があって
息苦しいような午前中に
雨がふりだした
傘が咲くだろう ひとはそのひとの人生のために 雨の底を歩いてゆく
歩んだ歩数のおおさ すくなさ おもさ かろさ
かろやかにた ....
手のひらの小鳥が
命を使い果たしていくとき
呼んだら
返事をした

それは
声にならない声
音を失った声は
振動だけになって
手のひらをかすかに震わせた

あれはやっぱり声だった ....
ただのみきやさんの自由詩おすすめリスト(14140)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
毒の花たちは私の理想の庭で微笑む- Lucy自由詩9*19-7-12
ひかり_ひとふさ- 木立 悟自由詩119-7-11
或る友へ- 石村自由詩31*19-7-8
ハチミツ- 由比良 ...自由詩719-7-8
痛み- 帆場蔵人自由詩11*19-7-7
正義はいつも自分にあるから- Lucy自由詩3*19-7-6
馬鹿にしてた- DFW 自由詩13*19-7-4
高架を走る電車の窓から沈む夕日を見つめていた- Lucy自由詩13*19-7-3
夢から覚めたカエル- Seia自由詩219-6-29
午睡- むぎのよ ...自由詩619-6-29
なめくじフェスティバル- 松岡宮自由詩17*19-6-28
傾いていく夜- 長崎螢太自由詩4*19-6-28
托卵- 両性具有自由詩219-6-26
眩暈- 帆場蔵人自由詩7*19-6-25
水のおしえ- Lucy自由詩9*19-6-24
やわらかいねこ- Lucy自由詩9*19-6-24
美人魂- ゴデル自由詩7*19-6-23
剥き出し- 帆場蔵人自由詩8*19-6-22
- 新染因循自由詩17*19-6-22
夏の夢- DFW 自由詩20*19-6-22
環状2号線- AB(な ...自由詩6*19-6-22
マチルダ____(その2)- Lucy自由詩10*19-6-19
知らせ- Lucy自由詩3*19-6-18
わたしの嘘はわたしがよく知っている- Lucy自由詩9+*19-6-17
このエネルギーを受けて- 朝焼彩茜 ...自由詩9*19-6-17
めぐり越える手- 木立 悟自由詩119-6-14
スペクトル- DFW 自由詩9*19-6-12
あこがれ- 羽衣なつ ...自由詩18*19-6-8
あじさい- 田中修子自由詩17+*19-6-8
梅雨空に- そらの珊 ...自由詩23*19-6-8

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