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  {引用=みずうみに
釣り糸をたらすと
うつくしい皺が外縁へむかい
逡巡をひろげていく

魚のいない惑星では
玻璃でできた液体はとてもあおい

水べの図書館の閉架には
魚偏で ....
西日のざらざらで
描いた影の絵を
なぞる蜜の指
終わろう終わろうと
切っては捨てた
いろいろな物が
日の沈むあたりで
燃え残って鳴っている
世界と水平な心でいて
こまかい こまか ....
線路の脇の赤茶けた砕石の荒野
そこに芽吹いてしまったジシバリ
細長い茎のてっぺんに
ちいさいタンポポに似た花を掲げ

電車が来れば車輛の下に潜り込むほどレールに近いのに
倒れずに
ふらふ ....
やすらかな、静けさと麗しさのかたよりのなかで、
彼はそっと目をしばたいたの。
そうして楽器を叩く。
若い彼は楽器をたたく。
 
塔のそとでは風がながれ、
落ち葉をはこんでゆく。
湖にしず ....
梔子の花は枯れず
ただ一輪として朽ちず
果てしなく昇る夏雲の白さを
その面に留めて

漣は凪がず
ただ一波として静まらず
絶え間ない青い流れにいつか
遠く帰るために

空は果てず
 ....
音楽を聴く分析学的な時間が好き
きみと過ごす解析学的な時間

深く沈潜してゆく愛情にも似た雪のよう
罵られる騾馬のように時間が過ぎていっても

愛撫する隙もないきみと暮らしているぼくは
 ....
言葉でなくて
石を拾う
このことばには
重量があります


宇宙の蝶番に
薬指を挟みました
いたわっているところに
風鈴が鳴ります


鳶を見下ろす
鳶はいない
そういう思 ....
くだけちる
まえの、ひかりを
だまって
みつめていた


夏のおわりに
めばえをなづけたりする
そらは逃げ水になって
星をのみほす
みたこともないくらいに
あかい月を
 ....
白くてぼんやりしている一日
読みかけの本は表紙から冷えていく
犬はどこどこ毛を生え換わらせるから
死んで右往左往している夏の毛を集めて
新しい子犬として
毛糸玉に魂を吹きいれる魔法の息を
 ....
けだものだったころが、もうあんなに遠く
淡い水色を地に、薄紅色の薔薇柄の薄いカーテンが
夏の終わりの風に
パタパタ揺らめいていて ベージュのソファがあり
包帯
外の桜の木の緑が、盛りだけれど ....
泳ぎ疲れた川魚の 
ため息が水面にうかぶとき
十月は訪れる
他愛もない 言葉のくずを散りばめて
だれもいない山道の清水に流してしまおう

季節は傾斜し 黙り始める
そのはざかいに ぼくた ....
頸を傾げ
游ぐ白鳥の
鉤括弧を孵化させる


言葉を寄せれば頬が温もる。そうしていくつもの冬を乗り越えてきた。
正義と正義と欲はきっと同じ意味であり、他人のものであるとは到底言い難い。しか ....
生まれ そして 死にました
子供であり父であり祖父でした
馬に乗ってとぼとぼと歩きました
汽笛を鳴らし 出発しました
乾きと空腹のなかにいました
熱風のなかにいました
戦禍に巻き込まれてゆ ....
句読点が降ってきて会話が途絶した

遊歩道にひしめく感情が

拾われない末路を想像して枯れていく

秋を踏みしめている

この靴も

服もすべて

私への期待値を担保として
 ....
    

    母




触れることが
ないのであれば
なくことはなかった


どんなに言葉を尽くしても
そこには夜があるばかりで
ひろわれるもの、ひろうもの
いず ....
ある日の繊細さが
風鈴の音の揺らぎで夏を作り出したように
きっかけという名を
古ぼけた電話帳で探したときに
故郷につながる道の霧が晴れていった

生まれてきたという引き金は
生きてきたと ....
真面目なあの人を笑わせたい
そう思ってたくさんの嘘を用意した
花を摘むよりも簡単
お箸を並べるよりも
宇宙人の話は全然だめで
にこりともしてくれない
幽霊も金縛りもだめ
好きなものを知ら ....
し終えられた
空はない
着手しようにもみえない
何が?
突堤が
三角帽もだ

朝の汽笛ながれてきえて
アクアマリンのトマト潰れて咲いて

発端と終焉は
{ルビ搦=から}められ
 ....
何も誇るものはないというのに夏と
誇らしげに肩を組みまた来年と囁いた

飽きれるように笑って夏が歩みさって
中央通りの真ん中に蝉を落としていった
入道雲を墓に見立てて空に還してやれば
雲た ....
どちらか
からの
黙らせる
{ルビ海嘯=かいしょう}
それがあり
その後に
ながい
沈黙がおりる

{ルビ匿=かくま}われる
月夜に
ひたひたと
寄せる


堪えきれず ....
母は、
なまえはつけないほうがいいよ
と冷蔵庫にむかって
言いつづけた

寝ているときは
ずっと怒っている
車をひっくり返し
おとこを犯し
ベランダに放火し
エレベータ ....
体が浮かんでる
こんなに自分は
軽かったのか
見えるのは紺色の空

月が暗い海面に
飲み込まれてゆく
(なぜ)

次第に面積を小さくして
やがて頭まで海にのまれた


 ....
そこにある概念は
紙に書かれた記号
脳に刷り込まれた手続きの
言葉 という不自由なやり方で
びょうびょうと吹く存在の風に
顔を向けて立ち尽くす時
始まりから また始まりに帰り
終わるはず ....
足の小指の先っぽを人差し指の{ルビ柔=やわ}い腹でさわってみると
これも自分かと
落し物に
気付いた時のように思われます

一つの素朴な気付きは
千の逢着へのおそらくは発端で

雪 ....
乱反射している
ガラス窓の向こうで
少女たちが
アイスクリームを待っている
滑りのよい
よく手入れされて
磨かれた
頬を
右に左にさせるたびに
光の向きが
チカリ
チカリ
と変 ....
許されるならば
喜怒哀楽の頁にはさみこんだ
しおりをほどき
薔薇のトゲのように
愛は血まみれの行為であったと
旅立つひとに告げたい

愛は規範をもたない
むくんだ背すじに頬をあてて ....
六畳の部屋いっぱいに
写真を並べて
二人で黙って整理した
思い出は語らない

海の写真を 見せて
と言ったら
あなたがどの海?
と聞いた

今じゃなくて
私が死ぬとき

二人 ....
伝えたい事がたくさんあって 全て片手でひょいっと仰げたらと思い
ちゃんぷるー文化の谷折りの部分を思い出し
ひとつひとつ前進に全霊を重ねて 今ここにいる

人ひとりひとりが特別でみんなみんな最高 ....
エプロンドレスのお嬢さん、
ミシン鳴らして日は暮れる。
ヴィオロン奏でるお姉さん、
ワイン揺らして逢いに来る。

色とりどりの糸くずが、
エプロンドレスを飾ってる。
布と針とで遊んでいる ....
家族がぶら下がっている洗濯竿
洗濯槽の中で 
腕を組んだり 蹴り飛ばしたり
しがみついたり離れたりして 振り回され
夕立に遭い 熱に灼かれながら
それぞれの想いに色褪せては
迷いの淵を 回 ....
ただのみきやさんの自由詩おすすめリスト(14137)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
幻想と歴史- 道草次郎自由詩13*20-10-27
西日- はるな自由詩620-10-26
いつからそこにいたのだろう- Lucy自由詩10*20-10-15
sonnet(塔)- 朧月夜自由詩3*20-10-11
梔子の花は枯れず- につき自由詩4*20-10-6
秋の詩片- 梅昆布茶自由詩1420-10-5
四行詩- 道草次郎自由詩2*20-10-2
覆水- むぎのよ ...自由詩320-10-1
暮れるのがはやい- そらの珊 ...自由詩14*20-9-30
獅子の町- 田中修子自由詩6*20-9-30
十月- 山人自由詩4*20-9-27
違語- すいせい自由詩420-9-27
墓碑銘_Ⅱ- 滝本政博自由詩220-9-25
- 消費者自由詩420-9-24
鈴虫によせて_その2- すいせい自由詩320-9-24
夏が繊細さを手放すとき秋は虫の音を抱きしめる- かんな自由詩520-9-21
真面目なあの人を笑わせたい- ふるる自由詩9*20-9-19
潮時と業の華- 道草次郎自由詩2*20-9-19
夏を慰撫する歌- 帆場蔵人自由詩3*20-9-18
海と比喩- 道草次郎自由詩2*20-9-16
コンデンス- 平井容子自由詩820-9-16
夜に浮かぶ- 木葉 揺自由詩4*20-9-15
ことば- こむ自由詩320-9-14
橇と風と- 道草次郎自由詩120-9-14
窓際での軽食にて- 北村 守 ...自由詩120-9-13
- 白島真自由詩1820-9-12
写真- ガト自由詩2*20-9-11
名月への手紙- 朝焼彩茜 ...自由詩4*20-9-10
お針子- 46U自由詩4*20-9-9
洗濯物- 為平 澪自由詩320-9-8

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