すべてのおすすめ
青空の下で歌いたい
防音壁に囲まれた
カラオケボックスの中でなく

往来の真ん中で歌いたい
国会議事堂でも歌いたい
処刑場でも歌いたい
葬儀場でも歌いたい
教室でも歌いたい
職場でも ....
幾何学模様の闇が重なる
夜の底に
ひそやかに灯る青白い共犯

夜が明けて
其処に残されているのは
誰にも読み解けない証拠だけ

誰もが息を呑む
美しい証拠だけ
そのひとは腕時計を見る
そのひとの腕時計は1分1秒狂ってはいない

そのひとにもなんのためかは分からない
でもそのひとは腕時計を見る

そのひとにもなぜ正確に時刻を合わせるのか
でもその ....
十万人の弁慶が向かってくる           
ことばのない土を
ことばのない空を
断崖が しずかに線を引く

その聳え立つもの
佇むわたしの踝は  
夕凪を握りしめている
その夏の
無効をうきあげる
屈折 ....
記憶はなにを食べて生きながらえているのだろう

指先から冷えていくのを彼女はまだ気づいていない

埃を吸ったあとの掃除機をそっと抱きしめる

モーターの余熱が伝わって やっと明日につながる ....
寒中恋酒女

壊中金銭薄

身中満妄念

偲遠過去多々罪障

望月落涙虚

残少人生希清廉

要身辺整理整頓


遥山冠雪語狭小我

宇宙大深志更遠

自由何処在 ....
フレドリック・ブラウンの死にいたる火星人の扉という創元社の文庫本
推理小説だが
彼には火星人ゴーホームという超絶な作品もある

火星年代記というレイ・ブラッドベリの名作

火星の赤い砂はア ....
  積み木の赤い部品が
  緑のうえにそっと載る



  駆け抜ける電車の影が
  血の気のない床を砕いて
  それから
  途絶えて消える
  轍のひとつも残さず
   ....
眉一つ動かさず殺す女神が飼っていた

眇の金魚がいる。

水銀めいて光を反射する鉢を住処に

血の河を泳ぎまわる金魚を飼っている

銀の炎ちらつかす死神めいた女

まっ黒い眼をした ....
  おまえはだれだと
  蟻が訊く
  秋枯れの
  木の根をしいんと横切り
  くたびれた靴の色より
  鮮やかなぼくの影
それで結局一番取扱に困るのは自分自身であって
説明書が書けない せいぜい 長さと重さぐらいだ
従って「取扱説明書」は比喩でもなんでもない 真実だ
ぼくは電化製品だ コンセントとプラグは父母だ 修 ....
一人静かに座っている
ばあやの横にすずめが一羽
ばあやは米を振りまいて
にこにこにこにこ動かない
ちゅんちゅん鳴くは我が子とて
お日様だけが動いてる

すずめよすずめ
ば ....
わたしはうまれるまえの
かたまりの内側に潜んでいた
ある日溶岩とともに かたまりが溶けて
わたしが流れ出た
海が生まれた
空には赤い夜の太陽が
花開きながら飛び散っていた
 ....
この部屋は四角い
建物も四角い
紙は四角く切り取られ
電車は四角く走っている

土地は四角く区切られて
名前は四角く囲われる
レンジは四角く温めて
テレビで四角くものを見る

君は ....
ねぐせはなおさない
あんまりなおさない

はねっかえりの天然パーマ
したいようにさせておけ

校庭に 生徒を整列させるように
頭皮に 髪を整列させるなんて

そんなのナンセンス
ナ ....
          
喪服を着た父が 部屋の隅にいる
悲しいほど 
とても暗い場所に
かなり寝たので 夢だったのか ひどく汗ばんでいる
耳をふとんにあてると 父が階段を上ってくる気配がした
 ....
朝から僧侶が
歳末助け合い とかかれた登り旗を掲げて歩いていた

助け合え
助け合え と歩いていた

その脇で
道をはく老人がいた
うつむいて
ほうきを使う老人の
背に太陽が反射し ....
 
アン・ドゥ・トロワ アン・ドゥ・トロワ

壊れたトウシューズをどこかに置き忘れた少女がひとり、漆黒の夢の中

そしてその静寂がわたしにまとわりつく



 
檻の中にいる時より
人の中にいる時の方が

君はずっと孤独だ

誰かと語り合っている時より
一人で黙っている時の方が

君はずっと雄弁だ

誰かに褒められている時より
誰かに見捨 ....
白くて少しざらっとした
鉱石のような植物
そんな草原で

石の人は
静かに一歩一歩
歩いている

目的は有れど
既にその石よりも
風化し忘れてしまいそう

傍らには
背中から ....
駅でたくさんの人が下りたあとの座席に
包みが置かれている
忘れ物だ
ぼくはあわてて取って
フォームを歩いて
事務室にいって
遺失物の届出をしようとしたのだが
形のあるものでないと受け取れ ....
 かけおりてくる兵隊がいる
 指揮だけがあって四季のない顔のない
 丘のうえから
 いっせいに声があがる
 雲がわく


 あがる声には
 責任がないから自主性がない
  ....
本当の自由を求めて空を見る

名も知らぬ黒い鳥が
隊列を組んで空を渡っていった

翼があるから自由でいいねと
そんなふうにつぶやくのは
自分の翼で空を翔んだことがない人間が想うこと
あ ....
{画像=121201015630.jpg}

ゆるりゆるゆる ひらきます

さむさのゆえの ゆるやかさ

ゆびさえふれず ながめます

ゆうやけいろを すこしだけ

もらいこくなる ....
見上げる星よ、きみであれ

痛ましいほどに
疑いようもなく
きみであれ



忘れてくれるな、
燃え盛る目を

忘れてくれるな、
恥じ入る肩を



かろうじて ....
  
     
                   
ものを捨てる
なにかを捨てることに
ときにためらい うしろめたさを
感じながら
一方では恣意的な解釈を
遠いツンドラの泥土のし ....
正しさってなんだろう

正方形の角が 誰かの頬に食い込むとき
その痛みが 真四角の正しさを証しするのだろうか

正しさってなんだろう

まっすぐな線をまっすぐに歩くことが
そんなに尊い ....
ほぼ全裸の国技 老人ホームは
駅のホームみたいに
最終列車を見送る時がある

いろんなひとの
いろんな最後を
見送る時がある

いっぽ前まで
せいかつをしていて
静かに静かに
旅立つ時まで

 ....
ただのみきやさんの自由詩おすすめリスト(14140)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鼻歌礼賛詩- まーつん自由詩3*12-12-3
名のない罪- 塔野夏子自由詩5*12-12-3
そのひとは腕時計を見る- HAL自由詩6*12-12-3
十万人の弁慶が向かってくる- 北大路京 ...自由詩4*12-12-3
追悼のうた—デッサン- 前田ふむ ...自由詩312-12-3
自家中毒- そらの珊 ...自由詩16*12-12-3
えせ漢詩- 梅昆布茶自由詩1012-12-3
火星の銀色の月- 梅昆布茶自由詩2112-12-2
積み木- 草野春心自由詩712-12-2
眇の金魚- 高原漣自由詩1*12-12-2
- 草野春心自由詩712-12-2
取扱説明書- 空丸ゆら ...自由詩1212-12-2
ばあやとすずめ- 田園自由詩312-12-2
『赤い快楽』- あおい満 ...自由詩8*12-12-2
しかくいせかい- まーつん自由詩11*12-12-2
もじゃもじゃ主義- まーつん自由詩8*12-12-2
冬のおわりに_デッサン- 前田ふむ ...自由詩512-12-2
朝の道- 朧月自由詩312-12-2
アン・ドゥ・トロワ- 殿上 童自由詩15*12-12-2
ずっと、ずっと、ずっと- まーつん自由詩6*12-12-1
石の夢- 夜恋自由詩212-12-1
箱詰め電車- 殿岡秀秋自由詩912-12-1
丘にいる兵隊- 石川敬大自由詩11*12-12-1
胡蝶の夢- そらの珊 ...自由詩2112-12-1
喜びはゆっくりとして- ドクダミ ...自由詩412-12-1
約束の歌- 千波 一 ...自由詩7*12-12-1
蒼い思考_デッサン- 前田ふむ ...自由詩612-12-1
正しさってなんだろう- まーつん自由詩12*12-11-30
ほぼ全裸の国技- 北大路京 ...自由詩712-11-30
最終電車- 朧月自由詩412-11-30

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