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覚えている 山の色、海の匂い
夕焼けの中、一緒に遊ぶ隣の家のお兄ちゃん
記憶は遥か遠く、遥か遠くに居て 瞬間に迫りくる

過去は止まり、描写は言葉を忘却している
感情の色を失くし、刻む脳裏の ....
ちいさい秋見つけた
帰り道

ちいさい秋実をつけた
輝いている

ちいさい秋差をつけた
キミとボク

ちいさい秋目をつけた
羨ましい

ちいさい秋火をつけた
悔しさに

 ....
大きくはない講堂で
詩人の声がしている

詩人の声は講堂よりも小さく
低いところを這うように響くから言葉のつぶは分からない
絨毯だけが分かっている
水を吸い込む時のように、そこだけが深い赤 ....
ヤモリの張り付いた電信柱が
オレンジ色の灯りをともし
夜の歌を静かに歌っている
夜の秒針を刻んでゆく
ぼくは落ち着けないでいた

あの中華そば屋までの果てしない
道のりは
とても遠くて ....
夕暮れがやって来る頃決まって私の腕に止まる君
ねぐらへ帰る途中なのだろう
一羽であることもあるし
友達を連れてにぎやかにさえずることもある
いやもしかしたらきょうだいだったのかもしれない
あ ....
また道路に死体がありました
カラスが群がっていました
車たちは知らん顔で通り過ぎるのです

また道路に死体がありました
いつ死んだのかもわかりません

私はみなかった
なんの死体なのか ....
五円玉と五十円玉



出来のいい兄弟みたいに
二つ揃って穴のある
可愛らしい小銭の
五円玉と五十円玉
どっちが兄ちゃんだろうね
そりゃぁ、五十円玉が兄様だろね
五十円玉一つでいい ....
死にたいという衝動が一日中私につきまとう
死が人々の中でたらい回しにあっているのか
私が死の中でたらい回しにあっているのか
でも、死にたいと思うたび、私は私に立ち止まる
死を望むに ....
夕陽は波の音を残して
海と空の混沌に溶けていく
松の梢から昼の光が消えると
ぼくの中で映像がうずきはじめる

 時を忘れて遊んでいたぼくらに
 夕餉を告げる母の声がとどくとき
 一日 ....
     東海は 知多半島の 里山に
      野の鳥かげがうすれるなか 
     昼夜の区別もとぼしくなって
   背の伸びきった「時」はただよい
 間の伸びきった「空」が拡がっている
 ....
 純白の天使が私の窓辺に降りてきた。
 机上の真紅の薔薇を香りもすべて真っ白に染めてしまう。
 ここにいてもいいんだよ。
 迷う私を優しく光の当たる所へと誘ってくれる。

 夜空には眩し ....
 高原の爽やかな風が私を撫ぜる。
 あなたと過ごしたあの夏は過ぎ去った時の上に浮かんでいる。
 ぽーん、ぽーん。
 冬が来たのだ。

 定宿に置いてきた古皮の手帳にはあの頃の私の言葉が並 ....
綴られて次の頁へゆく前に
少女はもう一度 花野へ足を運んだ
静かな色彩の秋の花花に
じっと見入っている
草の実が、
ぼくたちも居るよ
とそっと少女に言いたそう
けれども時は待ってはくれず ....
昼下がりの雨の中で
ザクロが割れる
唇に指を立てて
ぼくは泥を踏んで歩く
それから 傘を振る

とても暑かった(その部屋は)
死にゆくものも
生き行くものも
ひどく暑い
後ろの席で ....
「6月に脇芽を差しておいたら大きくなった」
根元は気の毒なくらい細いのに 上は梅雨時のよう
緑の実をいっぱいつけて 木枯しに揺れている
他の作物は枯れ果てて 掘り返された畑の隅に


 ....
チョコレートは最強の食べ物におもう
遭難してもチョコのおかげで生き延びられたりするそうだし
おかあさんにしかられてもチョコがあれば
少しだけひとりでいれそうだし

箱にはいった高級なチョコよ ....
ネクタイを結べたら 
柄は水玉が良いですと 
呟きながら

ともすれば 
自らの首をも 締め兼ねぬ と 
妄想をする

するすると 小気味良い程に 
絡み付くは シルク

絹 ....
ごつごつとふしくれだっていくものが
望む形に程遠く
お前を育てていくのだとしても
遠く海を越え吹き渡る風に
しなやかな枝を延べたい願いがある
桜島だ

さっきホームはすこし肌寒かったのに

動き出した電車から桜島をながめていると

ぼくはひかりの温度に右側を押されている

ぼんやりとした鈍痛を感じながら湾をながめる

あ ....
土中を這い回る魚にように
生への違和を拭えずに
代替の作法は理由も示さず月と太陽の間を追い巡る
成就することこそが必要だとは言われぬが
影法師のような慈悲が
朧げな輪郭を保って半身の羅針盤を ....
あの虹は君に向かって架かっているのだろう
消えないうちにクルマを飛ばせば逢えるのかもしれないな

幸せの音がたぶん鳴っているんだろう
庭には綺麗な花が咲いてコドモが唄ってるんだろう
とき ....
彼らは
魔法使いとして
法王から除外されて
いたのだが
領主たちは
彼らの可能性に期待を馳せた

彼らの功績は
黄金にまごう真鍮となって
いまでも生きている

パセリ・セージ・ロ ....
太陽が現れて、眩しい光が差し込む
  水面に揺れる地平線
  蒼く染まった頭上から

    歴史を振り返ることなく
    生活を語ることなく

  背中には影
  光と同化すること ....
ただ
あどけなさにいた季節
純白と翡翠の子守唄
濡れた温度が優しくて
秘密の杜で
穏やかだった
毒の甘さを知らぬ頃

未通女に柘榴を差し出したのは
楽園の蛇だったのだろうか、未知 ....
どす黒い雨雲が一面に立ち込め
大粒の雨粒が天から涙のように流れ出る
そんな日に太陽が一瞬顔を出す

今日もどこかで誰かが死んだ

海も空もセピア色でできた世界で
どす黒い雨雲の割れ目から ....
きれいな人が 大きな昆布の束を抱えて
ピアスの石が イルミネーションに煌く
街のざわめきの中で 抱えなおした昆布の音が
雪が舞っている 北の海の潮騒に重なる


あたしは帰りに寄ったス ....
右の耳にカチャーシー
左の耳に吹雪のハヤテ
五歳で世界の全てを知って
その後は忘れていくばかり
フェイクと名付けた鉤針に
ハイディング・ジャンクの帽子をかけて

右の目に生
左の目に死 ....
手入れが欠けた裏庭には
跋扈したぺんぺん草が 王者となって
むなしいかげを ふるわせている

神楽月というのに
優雅な舞楽は 聴き取れず
沈滞した深閑だけが 満ちみちて

丘のひだにも ....
琥珀とも違う
碧がかった金色の不思議な瞳で
遠くをなぞる弛緩

淡桃色のペディキュアが落ち着かない
透かし視て
爪先が音を立てずに偲ぶから
君は泣かないひとだと思ってた。

 ....
雲をこね波あわだてし、省く文字。を残すことはリズムを意識的に落ち着かせることであり走りたがりの私の言葉に歩けと命じることでありまるで囚われの身にでもなったみたいに不自由なのに息を、

詰めたままで ....
ただのみきやさんの自由詩おすすめリスト(14140)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空白- 鷲田自由詩1015-12-6
ちいさい秋踏みつけた- イオン自由詩4*15-12-6
朗読の講堂- マチネ自由詩7*15-12-6
闇路- レタス自由詩11*15-12-6
すべての梢は止まり木である- そらの珊 ...自由詩2515-12-5
道の脇にころがったワタシ- 朧月自由詩415-12-5
五円玉と五十円玉- 月形半分 ...自由詩9*15-12-5
思う- 月形半分 ...自由詩3*15-12-5
夕焼けの海- イナエ自由詩14*15-12-5
芥子色の北風⑥- 信天翁自由詩515-12-5
救い- ヒヤシン ...自由詩8*15-12-5
進歩する日々- ヒヤシン ...自由詩9*15-12-5
歳時記の白い栞- もっぷ自由詩615-12-5
ザクロのように- オイタル自由詩7*15-12-4
12月のミニトマト- 藤原絵理 ...自由詩615-12-4
チョコレート賛歌- 朧月自由詩215-12-4
水玉の女- 藤鈴呼自由詩3*15-12-4
北の木- Lucy自由詩1615-12-4
ひかりの温度- 吉岡ペペ ...自由詩715-12-4
回帰- 由木名緒 ...自由詩13*15-12-4
あの虹は君に向かって架かっているのだろう- 北大路京 ...自由詩1315-12-4
錬金術師- レタス自由詩415-12-3
太陽- 鷲田自由詩415-12-3
ユニコーン- レモン自由詩15*15-12-3
雨の日の青空- 自由詩4*15-12-3
グルタミン酸- 藤原絵理 ...自由詩13*15-12-2
恋とは無縁の地の果てで- ピッピ自由詩315-12-2
風の舌(六)- 信天翁自由詩515-12-2
ペディキュア- レモン自由詩16*15-12-1
雲をこねて、波を泡だてる/即興ゴルコンダ(仮)投稿.92- こうだた ...自由詩5*15-12-1

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