すべてのおすすめ
時間はスロウモーションのようにゆるく
  春の陽射しは暖かく降り注いでいた
  用事もなくただ布団を転がりながら
一人で過ごしている寂しさを紛らわせて


  何かに気付いたように ....
チェーンステッチで
四つ葉のクローバーを
刺繍した

クリイム色のやわらかなフェルトに
ひとさし
ひとさし
鎖をつなぐ

祖母へ
眼鏡入れとして
プレゼントした

祖母は
 ....
針を数えたか、と
父が言う
裁縫は針を数えることから始まって
針を数えて終わるんだと
わかったようなことを言う
自分では
ボタンひとつかがらないくせに

もしも
針がどこかに落っこち ....
どこもかしこも豆板醤
爆竹弾けて踊る龍

そんなことなら豆板醤
炒めてしまえばうまくゆく

いつものところで豆板醤
温もり探して触れる指

ここぞとばかりに豆板醤
フレフレ鉄鍋揺れ ....
二〇一二年の一雫が
左肩に落ちる

乾いた肩が ほら笑った
指で払った雫が
隣の肩にかかる

右肩の笑みが増す
隣の肩が羨ましげに
指をくわえる

余計でもない一雫が
転々と分 ....

白く熱い道を
白いカッターシャツの高校生が
自転車でくる
7年ぶりに会った息子、きのうのこと
美しく花開いたのっぽのあの子

その道を今日も彷徨えば
また出逢った有り難さ

足 ....
いつだって ゆうやけこやけが聞こえるまで
遊んで僕ら 走って帰る

足りないものだらけで
ほしいものだらけだったけれど
野球選手にだって
スパイにだって
ヒーローにだってなれた

 ....
古い洗濯機が回る
脱水の力はもうない

母親が捨てるのはもったいないから
おばあちゃんちに持って行って
花壇かエコカプセルにしましょうと
言ったから

春になれば
それらしく緑になる ....
眠る月
きみは銀河に浮かぶ
きみは灰
月の興味を失う
ふしぎなことだが
毎日雨が降り続いている
雨は濁流をつくって
市街地を走っている
市街地では人々が
右往左往している
夏からそのままになっている
南部鉄の風鈴が
軒下でずっと
雨を呼 ....
忘れ去っていく言葉よりも
あなたのいのちの清さにふれて瞼が閉じる
いつまでも文字にならない
あなたの悲しげで透明な息づかい
反復するあなたの鼓動が
休もうとしている風を揺るがす

あ ....
かなしい夢をみて
目覚めた朝は
ああ、夢でよかったと思う
けれど
かなしいことが
なくなった訳ではなくて
心の引き出しを開けたら
別のかなしいことが
そこにある

引き出しをちゃん ....
静かな 待合室に響く

早口で話す声
隣りにいる付き添いの人は
慣れているのか
相づちさえ打たない

脈絡もなく
しゃべり続ける婦人

耳を塞ぐ

イライラを通り越して
不安 ....
雨が降っているのかしら、と
君がつぶやく

君のつぶやきは
答えを求めている時と
そうでない時があるので
それを聞き分けるのが
とても微妙であるけれど
肝心なのは
語尾のニュアンスで ....
降り続く白い冬
いまはただ
うつむいた雪が
降り積もってゆく

脊髄が 錆びついてくるのを感じる
骨が膠着し 何も言わなくなると
ますます冬は
冷たくよそよそしくなる
寒さが喉で固ま ....
川のほとりの

裸の枝の先に片方だけ

手袋がいろとりどり

沢山刺さっている

風が吹くといっせいに

手を振っていて

どこかで探している持ち主に

さようならと別れを ....
ひとりで生きられる
生きられない

それとも、ひとりで生きざるを得ない

わたしってどれなんだろうね




無責任ってわけじゃないけど
ちょうど
満員電車のなかで誰かに寄り ....
統計によれば自殺が一番多い月曜日の朝

通勤電車で幸いにも座れた僕は自殺もせずに健気に生きている人々に囲まれていた
電車が駅に着く度に本のページをめくるように目の前に立つ人が入れ替わる
チェス ....
過ぎ去ろうとしている
冬のしっぽが
白く きらめきながら
川面を流れていく午後
でも
私は
それをつかまえられない

パレットに出された錆びた金色を
時間の筆が
グラデーションを付 ....
夜の光は優しくて

まっくろな闇も四角ばった建物も

あれホットチョコレートみたいに

トロミを帯びてゆっくり流れているなと

暖かい気持ちがする寒い冬の舗道

何故だろうか歩く地 ....
真白にとかれた耳飾り……
それは冬の名残です
寒い日にはてんてんとあとをつけていくもの
温かくなり、晴れた日には水上から流れくだってくるもの
かつてそうした世界の眼差しを愛していました
愛と ....
夏にあいたひし形の穴から
海が溢れだす
きみは定規で水平線を引き直す
クジラが大きな口を開けて
ぼくの腹話術で、あー、と言う
差し出された濡れ衣を
貴方は静かに纏った
濡れ衣は貴方に張り付き
体軸を浮かび上がらせ
その様子を見て
貴方は静かに笑った

菊日和の空の下
貴方は濡れ衣を濡れ衣とせず
その場を後に ....
2月も終わる

灰白色の曇り空

こころが痺れている

悲しくて

目や胸や膝が痺れている

青い空がある

それだって永遠じゃない

繰り返されている


だから生 ....
猫を飼いたいと想う
強く猫を飼いたいと願う

何度も管理人さんにお願いしても
答えはいつも駄目だと云う否定の答え

外には出さないし
部屋も清潔にするからと
懇願してもやはり否定の答え ....
この街では

何百万人もの人がいて

それぞれ違う考えと顔を持って

蠢いている

それなのに 皆

一緒に見えるのはどういうわけだろう?

・・・電車の中でふと

向かい ....
まだ 朝のやさしい光が
町にあふれるまでには 時間がある

薄闇の中で 白い呼気が 
のろしを上げている

白いのろしは まだ街灯が灯る 細い路地を抜け
 古びた木造アパートの鉄階段 ....
小学生の頃のいきつけの内科医院は いつも
消毒薬と漢方薬の匂いがしていた
医者の奥さんが受付の奥で薬を調合していて そこでもらう薬はとても粉っぽくて
飲むと必ずむせた

待合室から小さな裏庭 ....
降り止まない雨に
舌打ちして 空を睨む
思い通りにいかないことばかり
心がざらついて
軋んだ音が鳴りだす

苛立てば
心の瘡蓋はがれていく
「いつも君を想っているから」
あなたの声が ....
裏庭に佇む気持ち
(あまり陽のささない北向きの場所)
裏窓から外を眺める気持ち
(特に心浮き立つ景色ではなく)

何かに
裏をつけてみると
どこか秘密めいた香りが漂い
私は
つい覗い ....
ただのみきやさんの自由詩おすすめリスト(14140)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
天駆ける- Seia自由詩512-2-29
チェーンステッチ- そらの珊 ...自由詩512-2-29
さまよう針- そらの珊 ...自由詩712-2-29
小さじ一杯豆板醤- 灰泥軽茶自由詩8*12-2-29
余計でもない一雫- subaru★自由詩11*12-2-29
道で出逢う- 木原東子自由詩20*12-2-28
透明ランナー- 森未自由詩8*12-2-28
春になれば- mizunomadoka自由詩212-2-28
十字架のクレイドル- mizunomadoka自由詩112-2-28
- 瀬崎 虎 ...自由詩412-2-28
まぼろし- 乱太郎自由詩19+*12-2-28
引き出し- そらの珊 ...自由詩1012-2-28
待合室- 森の猫自由詩10*12-2-28
弔い雨- そらの珊 ...自由詩9*12-2-28
あしあと- 山人自由詩21*12-2-28
ろくぶての行方- 灰泥軽茶自由詩512-2-28
顔なしのひと- 恋月 ぴ ...自由詩3012-2-27
生きててよかったね- たにい自由詩2+12-2-27
午後の川辺で- そらの珊 ...自由詩10*12-2-27
春の兆しはまだ早い- 灰泥軽茶自由詩5*12-2-27
耳飾り- 理来自由詩6*12-2-26
age4- たもつ自由詩912-2-26
濡れ衣- 日野自由詩2*12-2-26
光が射してくる- 吉岡ペペ ...自由詩5*12-2-26
些細な希望- HAL自由詩5*12-2-26
次の駅- yamadahifumi自由詩112-2-26
まだ_朝のやさしい光が- いねむり ...自由詩5*12-2-26
小さな秘密- そらの珊 ...自由詩16+*12-2-26
【_雨宿り_】- 泡沫恋歌自由詩8+*12-2-26
裏庭/裏窓- そらの珊 ...自由詩8*12-2-26

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