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人は87年間考えて、
考えて考えて、
考えて生きていくと、
いったい何に成るのだろう。

心に硬い硬い殻を纏った
岩石にでもなるのだろ ....
 春の採点

平日
ちっとも忙しくない日
じっと座っていると
時が頭上を通り越して行く
一世紀ぐらいのストライドじゃないかと
それほど風圧を受ける
目の前の原で四歳の私が
一心不乱に ....
自ら意図してじゃないの
前世の因果かしら
武道に縁があるようなのよね

父から剣道の手ほどき
刃を垂直に落として
むぎゅっとばかり、つかを絞る
小指の力が肝心でね

弓を引いた年月も ....
曇り空
天駆ける白馬の足跡が
頭上を覆う 掛布団の裏に刻まれていく

世界はまだ 眠っている
憎しみや 苛立ちの悪夢に
苦しげな 寝返りをうちながら
それは白い眠り 長い冬の終わり

 ....
幼いころ
のっ原をかけまわっていたあたしの

いつもそばにあったその草花が
いぬふぐり、で
あると知ったのは
高校生のときだった

かわいらしいひびきに
その名をおぼえた
 ....
去っていったものは
はじめから出逢ったことのないものと
想えばいいこと

背をむけたものは
はじめから背だけを見せていたと
想えばいいこと

そしてぼくは幼い頃に戻るだけ
独りぼっち ....
わたしを
かたちづくるもの

なにもないと
思ってしまうぐらい
安定のなかにいて
時折、
影のない ....
  籠の中で眠っていた
  バナナの果皮を捲ると
  ぎっしりと雪がつまっていた



  溶けてゆこうとするそれを
  あなたは指の腹を使って
  精一杯に踏み固めた

 ....
君は空を見つめて
この世界を呪っている
世界は虚空の中の澄んだ目に似ていて
何も伝えないが指示だけはする
君は空を見つめて
この世界を呪っている
海の波がまるで澄んだ牙のように
君を襲っ ....
銀行から電話があった

母のお金がなくなっているのだという

私はフィリピンとブラジルの混血だ

母の国には行ったこともないし行く気もない

父はもういない

いないからだろうか
 ....
意味がない言葉ばかりが
自分の中に 転がっている
失業したばかりの 月曜日 思い出の場所を目指した
きっと そこは あまり遠くはないところ
レンタカーを借りて 旅に出た

飛行機の 薄 ....
水族館の水槽を見上げていると
星々が落ちてきた
魚たちは群れとなり
あるいは一人で泳いでいる
まるでそんなことは
ないかのよう

ねえ、これが星の海だとしたら
海の下はなんて呼べばいい ....
{ルビ白虹=はっこう}日を貫く木曜日
燕が低く飛んだ。
古井戸のような女、ひとり
蒸し暑い道路を歩いていった。
宛名のない黒服を着て
「こんにちは」 
「いい天気で」 
「お元気ですか?」 

世の人々の関わりは 
シンプルな門答で成り立っている 

妻や子との会話が 
日々そうであるように 

その(あたりまえ ....
鳥は鳴く
誰も聞いていなくても

鳥は鳴く
木々の梢から
光あふれる 林冠の隙間から

まぶたの裏側に赤く滲む
陽光の温もり
鼻をくすぐる 芝草の匂い
シャツの下で身じろぐ 数匹の ....
冷蔵庫の中に
悲しい思い出をしまう
それを新鮮なまま
また手に取って 眺めるために
指先で掬って 口に運ぶために

人の経験の総ては
無意識の内に求めたものだと
語る言葉があった
恐 ....
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野に集えよ
きんぽうげ

小さき
いつつの
花弁ゆらし
 ....
 
 
バルセロナで象を拾う
春が来ると
いつも何かを諦める
諦めたくない何かのために
火薬庫の前で
遅いランチをとった
水道を行く黒船を見て
覚えたてのように笑う
 
 
心のある場所をさがす
頭じゃなさそう
顔じゃなさそう
体でもなさそう
でも体の外にもいない

どこだろ
頭の上かな
みえないから わからない
言葉にもいない

どこなの どこなの ....
登校中の女の子と男の子が
道路を横切ろうとしている
飛び出しに供えて ブレーキに足をかける
春の陽射しの中 防寒着の子達は
車道の前に立ち止まり
急に 女の子がしゃがみこんだ

その手に ....
  空の蒼い日
  乾いた独房に
  ひとふさの春が投げこまれる
  赤錆びた格子窓の向うから
  透明な一枚の手によって



  そこには誰も居ないので
  やがて、壁の ....
充実した夜 人はうちあげしたくなる

たとえば 美しい満月のときなんて



それは 満月と ほどよい距離感を

保っていられる 今

この平和への感謝だ



きれい ....
いやな知らせを
渋るみたいに
雨は降りつづけ

おれたちのいらだちは
こころのひだに
致命的なまでに
濡れて張りついていた

オールディーズがいつも
バースデイみたいに流れ ....
研いだペン先 手首を切り裂き
赤い言葉が流れ出す

真夜中のキッチン
冷たい蛍光灯
君の目は
糸を引く赤い流れを
舐めるように追いかける

冷や汗

白い寝巻のワンピース
今年 ....
時を待つ
ただひたすらに
その時を
時が来れば大輪の花を咲かすだろう
いや
その前に心無い人に手折られるかもしれない
どうなるか分からないが
今は
その時を待つ
香 ....
海が
めくれてゆく
いくつもの
いくつもの
海が
めくれて
岸壁から
追い縋って
宙を泳ぐ指先に
紫貝のように
閉じる音楽

 (母は海に還ったのだ

街が
たわ ....
自分の事だけ言って
人の話は聞かない
勝手に自分なりに解釈して
妥協を知らない

目先の事にこだわり
長期の見通しがない
人をバカにする
バカにされると怒る

意地悪が大好き
自 ....
詩を口の中で転がしながら
飲まないように過ごす
紙もない
携帯もないとき
忘れないように
いいフレーズが浮かんでる
なんてね
書き出してみると
なんてことない
掻き出してみると
ど ....
朝の微睡みの中
腹に行儀良く座っている黒猫
薄く開けた眼の先には
彼女の瞳がある
夢と現うつつを行き来するうち
そのまま抜け出した僕の意識は
彼女の瞳の中に落下する
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月の光が燦ざめく
まだ春浅き夜更けのこと
女が独りで死にました
誰にもみとられず
たった独りで息絶えて
時計の針は零時で止まったままに

 ....
ただのみきやさんの自由詩おすすめリスト(14140)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
岩石のような人- beebee自由詩27*12-3-18
ニジンスキー日和- salco自由詩9*12-3-18
武道女子- 木原東子自由詩18*12-3-18
開宴の前に- まーつん自由詩312-3-18
いぬふぐりに会いたい- 森の猫自由詩19*12-3-18
荒地- HAL自由詩6*12-3-18
『かたちづくるもの』- あおい満 ...自由詩5*12-3-18
ベランダ- 草野春心自由詩6*12-3-18
世界を呪う日- yamadahifumi自由詩212-3-18
希望- 吉岡ペペ ...自由詩4*12-3-18
誰かの部屋の、テーブルで- 番田 自由詩512-3-18
星の海の底- mizunomadoka自由詩412-3-17
予兆- 高原漣自由詩3*12-3-17
日々の言葉_- 服部 剛自由詩212-3-17
- まーつん自由詩2*12-3-17
冷蔵庫- まーつん自由詩5*12-3-17
きんぽうげ- そらの珊 ...自由詩10*12-3-17
age24- たもつ自由詩612-3-17
はいっ- 砂木自由詩11*12-3-17
春の熱- 砂木自由詩17*12-3-17
独房の春- 草野春心自由詩9*12-3-17
うちあげ- 八男(は ...自由詩112-3-17
エディ・コクランと冷たい指先- ホロウ・ ...自由詩4*12-3-16
赤い言葉- まーつん自由詩6*12-3-16
- 蒲生万寿自由詩2*12-3-16
発端- 壮佑自由詩36*12-3-16
Woman_on_the_fool- ペポパン ...自由詩7*12-3-16
薄いうろこで指きった- 朧月自由詩412-3-16
微睡(まどろ)み- ……とあ ...自由詩12*12-3-16
【_月の棺_—ツキノヒツギ—_】- 泡沫恋歌自由詩14*12-3-16

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