すべてのおすすめ
熱を含んだ空気が蔓延するこの部屋で
朽ちてしまう夢を見つつ
汗の滴に塗れた自らの項を疎ましく思い
枕に押し付けて乱暴に拭って
焦点の定まらない視線の矛先を探し続ける
涎も垂らしているのだろう ....
苦しみの吐息に
吐息を返しては
沈黙を掌に掬い
いたわっている

理解は出来ず感じることしか出来ない
砂粒ほどの些細な重みが
僕に付着して堆積していく

払いのけることもなく
ある ....
置き去りにされた筆は
黴びて、いいにおいを放ち

窓の隙間から吹き込んでくる青空は
甘く舌に転がりこんでくる
永遠を誓うように

誓われた永遠はキャンパスの上で
苦しみにのたうち回り
 ....
とり忘れられ
赤々と熟れ過ぎた
トマトが、ふと
地に落ちひしゃげ
鴉が舞い降りた

赤い飛沫を舐めとるように嘴で何度も
つつき、カァァァァァァ、と鳴けども
人びとは潰れた野菜など気 ....
崖地から火葬場を見おろす2階建てアパートに生息した 夕焼けのもらい火が6月の風を駆り立てて死んだ
そんな風の噂

あくまでそんな 何処にも届かない声を追い立てた喉を 震わせて
6月から身を ....
 不確かな旅

羊水に揺られる小舟が
血管の糸できた繭を乗せていたことを
生きる中で傷を受けるたび
思い出す
その糸は長く延びていて
誰かとつながっていたはずだった
それは血を分けた誰 ....
老人そして小さな子を見落とし続けたあなたの眼窩のそこにある脳髄/は/空っぽで楽し気に戦を殺し続けている/空虚の根底に辿り着くまでどこまで遡ればいい/殺戮の宴はどこにあるか/あらゆる語り部を聞き落したそ .... 犬が
風に毛をなびかせている
冬毛はやわらかな鎧
夏毛はワーカホリックな諜報員
さっぱりと生まれ変わった夏毛たちは
世界を傍受する

遠い国のミツバチの羽音
湖でおぼれたアリがもがく音 ....
雨でひんやりした湿気の壁から声がした
私の錯覚が返事をした
夏を越えてぼんやり名月の香りがした

季節は空色に染まり風に運ばれてくる
差し支えのない刹那を1つ盗んで流れてゆく
ただ感覚1つ ....
 
さようなら
静かに落下してゆく
少し前までのわたし

頑張りましたの
はんこを押されもせず
1日が終わってしまう

ねむたいと
感じることを忘れてから
そんな儀式を繰り返して ....
 
アブラムシの大発生に悩まされたのは去年のこと
気温の上昇とともに細菌のようにどこからともなく湧き出る奴らは先端近くの柔らかい茎や花芽や蕾に群がり食い荒らす
本で調べると薬剤を噴霧するよりもゴ ....
花のかたちをした夜が
水を駆けて駆けてゆく
水を求め うたう声もまた
駆けて駆けて駆け抜けてゆく


手のひらに降る灰
すぐ消える灰
鉄柵の内の空
すぐ消える空
 ....
どうでもいいぢやないか

それは君のくちぐせであり
ぐうぜんにも 君からきいた
さいごのことばでもあつた

ひと月まへ 一緒に飲んで
別れ際にきいた いつものせりふだ
その前に何を ....
私は瓦礫のような絵を描いている、
白は絵の具で、絵の具の壁は白い、
あなたは私のガラスを叩くでしょう?
私は吹きっさらしの家です

夢ではなくて、死ではなくて、
現実にはふた通りあります、 ....
あるくとおく、流れ流れて
流されてきた弱さを恨むのか
水にとけた光に問いかけた
転倒した月日の果てしなさ

ただ勘違いしていただけだ

月日は数えるだけしかなく
切り売りして歩くお前な ....
上司にパワハラを受け被害者然としていた人が
自分の部下にパワハラをしている

加害者の時は自覚できない
悪いのは常に他者だから

人を傷つけたってわからない
原因は常に相手にあるから
 ....
草原で踊りもせずに、海岸で泳ぎもせずに読書に耽る人を馬鹿にしていた、そんな夏に
好きになった少年が
寂れた展望台で静かにひらいたタイトルをひそかに探して
わたしはあまり踊らなくなって、あまり ....
わたしの前の席が空いたけど
今しも都市のかなたに沈もうとする大きな夕陽を
見続けていたかったので
座らなかった

燃え滾る線香花火の火球のような
太陽だった
それを反射して真紅に光る壁面 ....
カエルばかり鳴く夜にみた夢のこと
口から泡をふきながら
肝心の言葉が出てこない
夢日記のページは埋まっても
あとで見返せば
何が書いてあるのかわからない
単語と単語の間を繋ぐ接着剤はピンク ....
背のびしても
とどかなくなった月は
親指と
人指し指のあいだで
沙になって
さらさらと風にのる
くらい、脆い

雨の
こぼれたすきまから
青く
ふる光を
織るようにしてなびく
 ....
天気予報は雨でした
なめられっぱなしのなめくじが繁華街へ向かう

あなたの名前は何ですか
えっ 名前 何だろう
名前のない なめくじ
かたつむりのように背負うものもない なめくじ

ガ ....
虚しさは、ろうそくの炎のように揺らめいて
正体を見失う
スマホをスクロールさせても、行き過ぎてしまって
たどり着きたい所にはいけない
私たちは正しく嘘を、粉飾できないでいる

街灯ひとつで ....
有精のそれがこの体に宿った夜
わたしは
高い梢に身を寄せう番のコマドリを
ヤドリギの茂みから見つめていた
無垢で美しい二羽の囀りが
森の向こうへ遠のいてから
わたしは
花落ちた虚 ....
前庭に鯨が打ち上げられて
砂が、チョウ砂が舞い上がれば
世界は揺れて空と大地は
ぐわぁんぐわぁんと回転しながら
遠ざかったり近づいたり

もしチョウ砂が黄砂のように
気流に乗るなら、あの ....
井戸を覗いてはいけない
母が教えた

井戸なんか覗くもんじゃないよ
祖母が言った
井戸は
覗いた子どもを吸い込んでやろうと
待って居るもんなのさ

橋から下を見下ろした子を
川がい ....
柔らかいグラスに
硬質のワインを注ぎ
手で包んでいると手の形に
だんだんワインが馴染んでくるので
もうそろそろ飲み頃だろうかと傾けても
グラスが変形するばかり

透明な器に生野菜を盛り
 ....
日暮れ時
蜜を求めて飛ぶアゲハが
自殺した美しい女達の
芙蓉のような人魂に迷い
燃えて無くなってしまった

いかに美しくても
幸せになれなかった
業深き女達の
貧しい平等

鱗粉 ....
そろりそろりと剥ごう
皮をつつつ、と剥ごう
夜を剥いで朝を剥いで

私というものが
どこでもない場所で剥き出しで
死んでいる、或いは

台所で皮を剥がれた
剥き出しの野菜や肉に混じっ ....
どこまで漕いで行こうか
こんなにも暗い夜だ
幽かに揺れている水平を
描いているのはいつの波紋か
この舵だけが覚えていることだ
銀の月が爛々と眩い
溶けているのだな、おまえ
うつくしく ....
あかるい蝶々のみちにひかれてまだ見ぬ息子がゆれていた
いとけない息子の息をわたしはきいていた

突堤のテトラポッドで男は根魚を釣っていた
その側で片耳の三毛猫がひなたを掘っていた

夏 ....
ただのみきやさんの自由詩おすすめリスト(14141)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
熱気のただ中で- 坂本瞳子自由詩1*19-7-31
悲しみもなく- 帆場蔵人自由詩319-7-28
置き去りにされた筆の言葉- 印あかり自由詩1119-7-28
夏の階に立ち- 帆場蔵人自由詩11*19-7-22
さよなら、ジューン_アニマルズ- DFW 自由詩10*19-7-20
塩田千春展にて- 紀ノ川つ ...自由詩319-7-20
- 田中修子自由詩2*19-7-17
アンテナ\ネバーランドはどこにもない- そらの珊 ...自由詩819-7-17
雨の佇みを拾って- 朝焼彩茜 ...自由詩819-7-14
きのうの自分- ベンジャ ...自由詩9*19-7-14
毒の花たちは私の理想の庭で微笑む- Lucy自由詩9*19-7-12
ひかり_ひとふさ- 木立 悟自由詩119-7-11
或る友へ- 石村自由詩31*19-7-8
ハチミツ- 由比良 ...自由詩719-7-8
痛み- 帆場蔵人自由詩11*19-7-7
正義はいつも自分にあるから- Lucy自由詩3*19-7-6
馬鹿にしてた- DFW 自由詩13*19-7-4
高架を走る電車の窓から沈む夕日を見つめていた- Lucy自由詩13*19-7-3
夢から覚めたカエル- Seia自由詩219-6-29
午睡- むぎのよ ...自由詩619-6-29
なめくじフェスティバル- 松岡宮自由詩18*19-6-28
傾いていく夜- 長崎螢太自由詩4*19-6-28
托卵- 両性具有自由詩219-6-26
眩暈- 帆場蔵人自由詩7*19-6-25
水のおしえ- Lucy自由詩9*19-6-24
やわらかいねこ- Lucy自由詩9*19-6-24
美人魂- ゴデル自由詩7*19-6-23
剥き出し- 帆場蔵人自由詩8*19-6-22
- 新染因循自由詩17*19-6-22
夏の夢- DFW 自由詩20*19-6-22

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