明後日の事は知らない。(今日と明日と明々後日と)
プル式

雨でも無いのに霞む線路道
ヘッドフォンから聞こえる六弦の弾き(はじき)
森のなかへの餌食の様に飲み込まれる僕ら
雨でもなく風でもない森の声と
混ざり合い溶け合う歌と僕の耳

ここから見えるのは何?
曇り空?
線路の上の電線?
緑の中に消える道?
時折見える郊外のスーパー?
坂の階段の上に何かがあるの?
なにが見えて
何が見えないの?

空が一転暗くなり降り出した雨
白く消える世界にはスポーツジムが似合う
造られた無機質で快適な空間と自己管理
ガラスの中から見える緑の山々とざわめき

六弦が頭を揺らす
見えるものも見えない事も変わりはない
同じだけ与えられた
世界と今
そうして電車に運ばれて緑の餌食となり
都会へ捨てられていく

思い出した
朝、洗濯物を干したままだ
理不尽な世の中だ。


自由詩 明後日の事は知らない。(今日と明日と明々後日と) Copyright プル式 2008-09-04 11:02:34
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