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覗く穿孔の先
しろい魚がいて
半透明の皮膚を
鈍く光らせては
時々憂鬱そうにそらを仰いだり
恨めしく心火に身を焦がしたり
何時にか逃げてしまったけれど
伺う穿孔の先
しょう ....
扉から 漏れる 白熱電灯
白檀の香 しめやかに 香り
私は この仏間に
この世のありとあらゆる
悲惨を出現させる
戦争 飢餓 病気
怒り 憎しみ 嫉妬
唱題しながら
どす ....
「 この世の外なら何処へでも ! 」
という最後の詩句を読んだわたしは
「 転居先 」について考えていたが
そんな場所は、何処にも無かった。
日常から逃れるほどに
毎夜訪れ
....
路上に{ルビ棄=す}てられて
崩れた米の{ルビ塊=かたまり}
割れた破片のまま
空の雲を映す鏡
何事も無い顔で
わたしはそれらを通り過ぎる
遠く置き忘れた
砕 ....
書き人知らずの本でした
棚から引き抜き
いくつかの確かな硬貨を払い
手に入れたというのに
ふと気付けば
それを生んだ人の名は
どこにも刻まれていませんでした
家に帰り
日差しが中途 ....
ボンボリつけて
ビーズの蝶々付けて
学校に登校する
革の手袋する
先輩にもらったキーケース
弟が友達のお母さんに
声を掛けられ
貴方が誘拐犯かもしれない
と言ったそうな
小さ ....
甘え甘えて箱入り娘
とうとう三十路ひとりきり
必死でいきないこの30年
努力しなかったこの30年
身体は衰弱し
すれすれの実態に
この支配する金
いつからか泣けなくなった
そう
残暑 ....
君が勢いよくカーテンをあけるから
まさに零れ出ようとしていた光が
勢いよくぼくを包み込む
その白い肌は朝に満たされて
なんて君を美しくさせるんだ
たった今ぼくのなかも
朝が通り抜けて行った ....
2007/06/02
単純な飛行機を飛ばす
ゴム動力でプロペラを
クルクルと回し
ゴムがゆるむまで
どこまでも飛んでゆき
見えなくなって
ステルス機になっ ....
雨の夕暮れ
うそはまばたき
影の下
ぼくはうそつき
路面をみてごらんよ
路面を
路面を見てごらんよ
路面を
神頼み
なみだはかがやき
空の下
ぼくはうぬぶれ
....
人間(ひと)は成長するもので
とても短い間で変わってしまうもので
目を逸らしたら見失ってしまうよ。
瞬きをしている間に消えてしまうよ。
さっきまで目の前に描かれてい ....
黄色い、アジサイが咲いている。
黄色いアジサイは、
ホントは泣いているのだ。
土が汚くて、水が汚くて、と
泣いているのだ。
私はそれを哀れに思ったけれど、
あちらこちらに黄色いアジサイが咲 ....
自分が千年近く生き続けることになるなどと
知るよしもなかった少年時代の{注メトセラ=メトセラ(Methuselah)旧約聖書に登場する、九百六十九歳まで生きたという族長の名前。}は
酷く臆病 ....
今の時間から親友が集まる木の上の秘密基地へ行く
夜も更けて満天の星空が顔を出している 月の時計が僕をウキウキさせる
濃密な暗闇は景色に馴染んでいて リュックを担いで夜道を全速力で走る
僕 ....
今日も螺旋階段が鳴っている。
カンカンカン。
私を動かしている
その螺旋階段は、
いつだって忙しい。
カンカンカン。
だけどお年寄りの螺旋階段は、
どこかしら鈍くて
ど ....
雨雲に覆われた街を
切り取る車窓を眺めれば
まるで僕らは
ネガの中を走っているよう
降り出しそうで
{ルビ堪=こら}えるあの空には
あとどれだけの
時間があるのだろう
始まれば ....
すきま風が吹く時は
私は部屋で横になる
私の部屋で横になる
その迫りくる木目調は
まるで時の流動
人の振動
謎めいてなお不気味に見える
ふと足下を見た
蒼いカーテンあっ ....
1
鮮やかな生に焦がれて
無意識のうちにこめかみに
魂の弾丸を撃ち放つ
立ち籠めていた紫の煙
視界の中に映るのは
生の匂いを放つ花
前世を占えば
俺は天使
2
....
部屋の中は蒸し暑い
狭いベランダに出て
物干し竿と手すりを利用し
布を張り
テーブルと椅子を出して
小さいおうちができました
レモンの鉢植え
ホウセンカ
ハナスベリヒユ
あと、分 ....
カーテンが頬を撫で
柔い夢を
そっと与える頃
ワタシという私は
教室と意識の狭間で
青インクを
走らせている
緑を模した声音が
頭上を掠め、そして
空へと還ると
ワタシは私に ....
一匹の{ルビ蜻蛉=とんぼ}が
脚の間をすり抜けて
小さくさざ波立つ水田
暮れ翳り始めた空に
フラミンゴの色の雲
エミール=ガレの作品集を
撫でる指で繰っていた
男のこと
苗のき ....
これでも頑張ってるの。
頑張ってバカやってるの。
みんなに、笑われても
嫌われても
一生懸命バカやってるの。
大人になったとき
あぁ、あん時バカやったなあ。
って
笑いながら、言えるよ ....
耳から
抹茶がこぼれてしまうという
朝になるとシーツは
たっぷり緑を含んでいて
洗うたびに
深みを増していくのだという
(この時期だけなんですの
と
さして困ったふうでもなく
さらさ ....
君がチョコの包み紙で折った鶴が
私の部屋にいて
羽を休めている
君に置いてきぼりにされて
これからどこに飛んでゆこうかと考えている
触れて離れて
覚醒の夜風は君を連れ去る
....
散歩していたら
犬がへいのへーい
少年がへいのへーい
HOTELの赤ランプ
へいのへーい
じいちゃんがへいのへーい
タマがへいのへーい
でも怒らない
ちゃんと処理をしてあげる
....
どうか私に
アナタの命の残りを
これから犯す罪を
恐がらないだけのkissを
甘くとろけて
頭が痺れるまで
離れることなく
Kiss you
どうかアナタも ....
一生青春、なんて言わずに
人生には
朱夏
白秋
玄冬
とあるのだから
たまには
真っ赤に染まる夏も
白くおおらかな秋も
奥深い黒の冬も
あっても良いな
ネコ追いかけて 君と一緒にカフェ
チーズケーキと 君の笑顔が好き
ネコより気まぐれ 君にふりまわされ
それでも良いさ 君と一緒にいたい
わかってるんだろ? 僕が君に弱いこと
気づいて ....
黄金の水を とくとくとく
あわの神秘に どきどきどき
ごくごくごく
ごくごくごく
毎日僕は
繰りかえす
熱くなまった
僕の身体は
どうして君が
欲しくなるのか
....
あなたを打たせて取りたい
雨の降るデイゲームで
三振はいらないから
たったひとつの直球で
あなたを打たせて取りたい
できれば一回表の先頭打者がいい
雨でそれっきり
試合が終わって ....
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