すべてのおすすめ
たまに
思い出す
ふと
きみのゆびさきの
深爪のやさしさ
買い物帰りの
坂道や線路沿い
二番目の
小さな交差点
そんな場所に
沸き立つ
やさしさ
ひらがなを
好むきみ ....
闇
から病んで臥せっていたはずの姉さんが這い出てきた
北の海はすっごく寒かったんだから
カラカラと寂しい音が喉からして
手で青を掴んできたわあんた青が好きだったでしょう
ショウの途中で姉さん ....
車椅子に座る
小さいお婆ちゃんを
前から抱きかかえる
少し曲がった
「 人 」という字そのものに
なれた気がする
ごめんなさい、ごめんなさい
と繰り返すので
な ....
私を好きに
なる人がいる
私を嫌う人が
いる
私を憎む人がいる
私を喜ぶ人がいる
来るものは拒まず
去るものは追わず
自分を見失わないで
皆を信じて
全ては良い方向へ向かう ....
手のなかに
ことばを握ることがあったね
あるはずもない質量に
身を任せてしまうことが
あったよね
どんなこころ模様にも
ときは流れてゆくものだから
いつか
わた ....
来たる満ち潮 大合唱
灰に声 湖のほとり
賭ける鍵盤 白か黒か
鳴り止まぬ霧 無表情
この世はいつから
闇と呼ばれだしたの
すちにぴぷぷれ
ぺんぺらりさりろ
こっぽこふ ....
気付かないうちに
また季節が巡り
なにげない日常の色が
景色に映っていく
変わり行く景色
変われない自分
微かな秋の気配
いつもの帰り道
ふと拾い上げた落ち葉一 ....
心の中の海が騒いでいる
いつまでも鳴り止まない潮騒
僕は不安でたまらなくなる
こうして本当の海を眺めていても
聞こえて来るのは僕の心の潮騒か
それとも目の前にある海の波の音か
それさえ ....
スカアトを持ち上げたわたくしの
内股を流れおちる、それは
ルビイのやうに光り輝いておりまして
わたくしの声を
ただの吐息としてしまいます
生まれでる前に
終はりを迎えたいのちが
恍 ....
2007/07/18
崖の縁に腰掛けて下を覗く
50m下には波頭が砕けて
落ちてきた生き物を飲み込んで
粉々に砕く気配を見せては
あっさりと引いてゆ ....
車の走り去る音が水飛沫のように聞こえて心地良かった
誰かが車を閉める音が夏休みを彷彿とさせた
熱は下がったが医者から絶対安静と言われた
まだ咳と痰が出る
動くとすぐだ
こう暇であると天井をじ ....
あなたが
自分を必要としていると
思い込んでいて
勝手に
色々無理をしたりしました
勝手に
疲れたり
勝手に
悲しんだりもしました
だけど
....
夏の
夜が
激しさを増し
ぼくは
水が欲しかった
とても
海水浴
波に
持ち上げられて
足がもうつかない場所へ
つま先に虚無が触れ
頭上には
目を閉じても赤い
太陽
....
サイレンに近づいてはならぬ
そは破滅をもたらすもの
そは災禍をもたらすもの
蒼き焔の説法
歌声がいかに甘美であろうと
美しき星が時を奪うように
その先には屈折した現実が
口をあけ ....
庭土が連日の梅雨で 満足げに
雑草まで育てている
庭木も梅雨の晴れ間で 満足げに
みどりの息を弾ませている
そして 生垣の隙間には
....
なにも伝えられない
こんな夜は
静かにあなたの詩でも読んでいよう
なにも言えない
こんな夜は
静かにあなたの歌声でも聴いていよう
今夜だけは
あなた
ひとりでい ....
向日葵は上を向いてなにやら
太陽とお話をしているようだ
太陽さん、
私と一日だけ交代しませんか
お疲れでしょうし
太陽は答えた
そうですね
一日くらいお言葉に甘えて
休ませても ....
まあるい泡を
ぷくりと吐いて
そっと寝床を抜け出す
水の流れは
暗いぶん少し冷たい
おびれとむなびれ
ぷるぷる舞わし
水草の間から
夜の空を見上げた
真昼の水面を
きらきら照ら ....
高校入学前の4月
一足先に入学する高校に見学に来た
まだ雪が残っている
桜はまだ咲いていない
グラウンドの横を通るサイクリングロードを
蕾を付けた桜の木々が覆い被さっている
....
玄関のチャイムが鳴ったので
仕方なく立ち上がろうとしたら
背中の上に
重たい鳥が
止まっていた
「どいてくれますか?」
黄色の羽根を
ぱたり、と閉じて
ずん、と居座る
「私は止ま ....
2007/07/17
月曜日の午前中
頭がふらふらして
夏風邪かとも思ったが
新潟県中越沖でM6.8
気象庁発表で地震と知る
訳の分からない時間が過ぎ ....
匂やかにすみれ花咲く
白い星を押し{ルビ抱=いだ}き
夜の{ルビ水面=みなも} さざめきだち
{ルビ朱=あけ}にめくれてゆくまで
1 + 1 = I Love You
2 - 1 = I Miss You
?.
七百七十六番目の天使が
翼をなくした
俺は 黙っていた
言葉は全て 汚れているから
俺は 黙っていた
あと十秒
?.
六百六十五番目の悪魔 ....
テレビをつけると
瓦礫の山から掘り出され
額に血を流した中年の女が
担架から扉を開けた救急車へ
運び込まれていた
その夜
テレビの消えた部屋で
歯を磨き終えたぼくは
....
空と宇宙の間
光る尾を引いた
星の欠片に、乗る
本当は
光ってるんじゃなくて
燃えているということには
知らんぷりをして
指で作ったカメラで
シャッターをきる
閉じ ....
あなたが教えてくれたうたを
繰り返し うたい続ける
なげだした足にまとわりつく憂鬱は
綿菓子の最期みたいにねっとりして
組み敷かれたうたは
少し雑音が入っていた
無 ....
ここ数日止まない雨
雨が止んだらあなたに逢いに行こうって
あなたの側でずっと笑っていようって決めているのに
まるであなたとの間を阻むように雨は降りやまない
最後に逢ったとき ....
汚れた雨が蹂躙する街角で
傷をかばいあうために手を繋ぐ
傘を持たない日だけ、どうしようもなく
君の手があたたかくて
切れた指先が痛みを増した
僕の手は
どんな温度で君に ....
抱き締めて
抱きかえす
口づけを交わして
手を繋ぐ
肩を寄せ合い
眠りに就く
言葉はいらない
だけど
言葉が欲しい
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