すべてのおすすめ
秋風に揺られ
無数に実りゆく
夜の小さい太陽達
今にも落ちそうな実に
枝はしなる
自分らしく熟れるのを待つ
世界中の人々のように
ぶら下がる無数の実が
枝から離れる ....
いつも笑っていたグー
泣き笑いのような顔だった
勉強の出来なかったグー
けれど絵は上手かった
いつもみんなの笑いものだった
奴が絵の展覧会で入賞し
先生がそれを発表して
....
ヒラリ 舞い落ちる
赤い 小さな紅葉が
風に吹かれ そっと流れ
地面に落ちていった
秋の匂いが包んでく
私と君との時間
君の頬に キスしてみたよ
照れた横顔 ....
秋の日の涼しい夕暮れ
散歩から帰り家の門を開くと
上から ばっさ ばっさ と
木の枝が降ってくる
数日前66歳になった親父が
はしごの上から「お〜い」と呼ぶので
もうすぐ3 ....
目の前をみつめると
十字架は橋となり
わたしの明日へと架かっていた
振り返ると
両腕を広げたまま
横たわる人の体の上を
気づかぬうちに踏みながら
産声を上げた日から今日ま ....
頭が数字でいっぱいになると
詩が書けなくなる
不満が解消されて
悩みがなくなると
詩が書けなくなる
人に伝えたいことなんてないときには
詩なんか書かなくていいの ....
一、 銀色の背中
飯も喰わずに、カピが月ばかり見ているので
座敷に上げて訳を聞くと
長い沈黙のあと
神妙な顔で
片想いなのだという
いったいどこの娘かと問えば
まだ逢ったこと ....
風ひとつ
赤い首輪の放浪者
立ち止まって後ろを振り返るのは
淋しさを断ち切るため
お行きよ お行きよ
赤い首輪の旅人よ
風は追い風 君の味方さ
淋しくなんかはないはず
お行きよ ....
小さな女の子が俺に
だじゃもん ちょうだいっていう
だじゃもん ほしいっていう
だじゃもん ねえ だじゃもん
だじゃもん ちょうだい
だじゃもん ほしい
そういわれ ....
一 琴引浜
さくら貝は、はかないという言葉がお好き
はかないという枕詞がつくものには
とりあえず歌ってみる
それらはかつては量産されたものだが
貝は、そんな厄介なものは持ち合 ....
松の湯
跳ねる湯船も恐ろしく
あれは白鯨モビーディック
いかつい背中の倶梨伽羅紋紋
あまりにも鮮やか過ぎて
タオルで隠さぬ前を横目に見れば
なぜか思わず猿山の猿気分
ラッキョの皮 ....
おしまいは
呆気ないね
今しがたまで注いでいた目線を
手元のカップに移して
囁くようにあなたが嘆いた
続けてのため息は
ほんのり紅茶の匂いで
外には
すぐそこに夜がある
北西 ....
水に流すは あなたのいたみ
流して晴れぬは わたしのおもい
春なら雛に のせましょか
夏なら精霊に のせましょか
秋なら紅 ....
「ありがとう」というきもちなのに
くちをついてでるのは
「ごめんなさい」だった
なみだがにじんできた
幸せな日々を送りたい
あなたと
そして 他に何人かいたらいいな
そうだったらいいな
なんてかなわないかな
これはわがままなことですか
ただ幸せな人生を歩みたいだけ
夢をかなえたいだけ
....
美しく輝きに満ち満ちた世界
見上げればユニコーンが駆けている
その先に何があろうとなんて考えず
ひたすら先だけを見て駆ける
突然の警笛に目を覚ます
この寄せ鍋の世界で
一 ....
朝顔の 露に張りつめた花びらは
美しい
しかし 弄れば弄るほど萎れていく
ダイヤは研けば研くほど
耀きをます
あなたはどちらが真に
美しいと思ふだらう
いや 野暮な問ひは止め ....
光よりも暖かく
この地球を包み込められたら
どんなに素晴らしいことか
光よりも速く
愛でこの地球を包み込められたら
どんなに素晴らしいことだろうか
....
ねえ 窓を開けて
ねえ ちょっと見るだけでいいの
まるでそれは火の海よ
燃え盛る炎の中で
私が立っているのが見えるでしょう
ねえ 目をそらさないで
ねえ まっすぐに私をみつめて
想い ....
止まることなく
車輪は回り続けて
今夜銭湯帰りの空の三日月は
泣いてるように見えたのは何故?
心の穢れを落とそうと
湯船に浸かって体を洗い
それでも落ちないと嘆いて ....
そして
冬将軍がやがて
この森にも流星を連れてきます
今夜は月のない晩なのでとても綺麗に見えるでしょう
私が待ち遠しいのは流星、
じゃなく、やさしさ
愛しい人の名前を呟けば
白い息ととも ....
わたしだって
夢見るおんなでいたいから
満月の夜
かぼちゃの馬車に乗り
お城の舞踏会にでも繰り出して
素敵な王子様と踊ったら
ガラスの靴の片方をわざと忘れてしまう
Shall we da ....
湖の絵葉書が届いた
大して親しくなかった人からだけれど
きれいなので捨てられない
大して親しくなかったけれど
その人を思い出す
お互い積極的に話しかけていれば
きっといい友達になれ ....
こんな日は誰が雲を運ぶのだろう
空を見る
雲が流れて
ゆっくりと ゆっくりと ゆっくりと
あの場所では風が吹いているのだろうか
決して手が届くわけもなく
....
急いで道を歩いていたら
目の前の車が{ルビ理由=わけ}もなく止まった
(下手な運転しているなぁ)
車と壁の狭い隙間をすり抜けると
痩せこけた若い母が{ルビ咳=せき}を繰り返しな ....
窓外に
枯れたまま{ルビ俯=うつむ}く
{ルビ向日葵=ひまわり}
夏
辺りを照らす
太陽の花に
振り返っていた人々
秋
{ルビ独=ひと}り汚れ身を{ルビ晒=さら}しな ....
ごめんね
今まで気づかなかったよ
赤や黄色の季節の絵の具で
みずみずしく重ね塗りされた
桜の木の葉っぱの影に
ちいさなちいさな
土色の蕾
今までずっと蕾は ....
見上げた天井にそれは映る
夜更けに甘い罪を犯す僕には
その幻が見える
艶やかな黒い髪の毛が輝き
そしてまた好奇心に満ちた黒いつぶらな瞳
僕に向って微笑んでいる
きっと ....
橙に染まる道
遠くに伸びる影連れて
陽の匂いの二人
また明日と
いつもの約束交わして
あの角を曲がれば
優しい明かりの灯る家
のはずなのに
空になった部屋、で
ひとり泣いた少女の ....
それは自然のなせる業にはちがひないが
梢からまつすぐ
命中するやうに頭に降つてきた木の実
重たく硬い木の実
何か不当な打擲を受けたやうで
穏やかではなかつ ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179