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いのちの微妙なシルエット
死んだのは色物への泥酔した執着か
それとも白物への酔い醒めた意識なのか
透徹の限りないかなしみ
いとおしい片影の消滅 ....
何故だろう 今夜はいつもより長く感じる
まだ起きているかな もう少しだけ 話そうよ
背中合わせじゃなくて ちゃんと 見つめあってさ
僕の鼓動 君の呼吸 君の声 僕の声
まるで全てが一つにな ....
野良犬が
尻尾をうなだれ
ふと 空を見上げる
ざわめきの中
鳥の鳴き声が
いやに 耳につく
鳥は 鳴く
ひよひよ ひよひよ
今日の日よ
ひよひよ ひよひよ
明日の日 ....
青空なる
自由の大地から
この大地
上下東西南北なる
六種に振動し
法塔 出現し
殿堂なる 天空に
そびえ立てる
この宝塔
ゆうに この大地を おおう
釈尊仏の眉間より ....
やさしい風をつかまえたのか
狂った君にはできるでしょうよ
昨日の悪さを覚えているか
あの子の名前を忘れていたろう
そこに幾千の星が待っているのか
おいおい、じいさん長くはないぜ
....
フ と目の前に綿毛が飛んでいたので
ク とつかまえて離して見ると
それはチカリと赤い血の玉で
もう一度握ってはなすと
{ルビ捩=よじ}れてつぶれて菱形のいのちに変わった ....
昔或る国が或る国を占領した 国民全てが捕らえられ 牢屋へ入れられた
占領した側のお姫様は牢屋を見回っている時に 占領された側の王子を見た
それは一瞬のことだった しかし永遠のものとなった お ....
鈍く 深く
光り出す、碧に
そっと手を伸ばして
触れる
小鳥たちが歌う
「ねぇ、今日は」
もちろん
これは想像の範囲内
なのだけれど
まだ
あの白は
寝ぼけている ....
少し遠くに執着が見える
何もないアスファルトへの
紐を引っ張られ、首輪で引き戻す
あの好奇心 あの自己主張
かつて共に過ごした老犬の気配に
身をゆだねてみる
成し遂げた人たちの無関心に ....
「リスト」
僕の昔の恋人に
いつも左手首に包帯を巻いている子が居た
最初は自殺未遂かと思ったが
そうではないらしかった
理由は訊かなかった
彼女は毎日包帯を ....
詩を書ける人になりたかった
なってみたら ろくなもんじゃない
詩が書けるなんて ろくなもんじゃないよ
不器用なあなたを縛ってみる
抵抗するたびに麻縄が黒い肌にそって生き物みたいに動く
熱に浮かされていて気づいたらそんなことをしていた
ずっと触りたかった黒い肌にわたしのすべてを這わせて
少し ....
春がゆく
春が ゆく
毎年 逃げ出したくなりますので
束縛の呪文を繰り返し 繰り返し
残りわずかの平衡感覚で
危うい足元を耐えています
一点の迷いもなく
無邪気にあふれる光が ....
しなやかな風の
金糸を振るわせ
飛びかう陽の
青い弦を引くならば
蒼天を奏でる楽人に
なれるだろう
風光は耳を咬み
黄色い呼吸音で囁いた
黄塵の果ての
花埋まる皮膚を ....
水鳥の翼を持ち
頭には金の輪を
食事はしない
夜露が栄養になる
神様からの伝令
弓を持ったら
キューピッド
実は両方とも少年なんです。
そんな矢を持っていたら
好きなあの子を ....
コンビニの入口脇で。
ホームレス風情のおじさんが。
焼きそばパンを貪り食う姿を見た。
よく分からないけれど。
こんな光景を見るといつも。
僕は胸を締めつけられてしまい悲しくなる。
....
間違って配達されたのが原因だけど君から手紙が届いたのが始まりだよ 手紙の最後に君が好きな人宛に書いた詩が載っていたよ とても感動したよ
僕は他人宛の手紙だと知りつつも何百回も詩を読み返したよ そ ....
曙興産営業二課の青野君29歳は今年入社三年目を迎えた。社内で彼はみんなから青ちゃんと呼ばれている。彼、青ちゃんは世界の平和を守る為に、日夜命を懸けて戦い続けようと心に誓ったばかりである。
先 ....
ある
ありふれた
想い
という
呼び名の比喩が
争え
という
プログラムの元
生まれて初めての出航をし、
次の刹那
辿り着いた先が
温かい
実は
腹の上
だったと
結局
....
波打ちぎわに
光る、{ルビ蟹=かに}
蟹をみていた、飴色の
もう、よしてしまおう
人間なんて、よしてしまおう
親の為
夫の為
子供の為
年老いた母
自分を犠牲に
愛情を振りまいた
泣き崩れて泣きに泣いた
不幸の数だけ喜びは増える
生命保険が満期になり
家族を国内旅行に
招待するって ....
空 遠く 架かる
空に月
雲 風に たなびいて
消えていった
静かな 寝息は
繭玉のように
部屋に 浮かぶから
子守歌は 歌い継がれて
とっぷり 日が暮れた
夜の 十 ....
おぉいえぃ
だなんて叫びながら
あなた。わたしのひみつをかき回す
そこじゃないけど
そこも。いい
ひみつはひみつ
おんなのひとは
おとこのひとと愛しあったなら
うー。だなん ....
カラスが
砕けていく
お金を払っていた右手が
砕けていく
赤ん坊の泣き声が
砕けていく
夕日に照らされたビルが
砕けていく
コーヒーカップが
砕けていく
さっぱ ....
せせらぎの横で
赤い花の蜜を啜る
掌ほどの小さな命が
力強く羽ばたいている
ハミングバード
悲しみは置いてゆきなよ
君の小さな体では
あまりにも荷が重過ぎる
追 ....
今
冷たい驟雨は
晴れ上がり
光
雲間を裂き
法のごとき
日輪の蓮華 現れる
朝の勤行 唱題
南無妙法蓮華経
流れる 音声
流麗の時
焼香の煙り
龍神のご ....
かえるところがあるのならば、それでいい)
お葬式
カラスが黒く はばたいて
おひとりですか、と
月へ笑う
いいえ
あたしは迷子です、と
黒く燃える
火へ手紙を焼べた
....
午後十時を過ぎると外は絶対零度に陥る
誰も外に出る者はいない
一年中 この調子だ
どうしても出掛けなければならない用事があって 外に出る時には 宇宙服のような最高の防寒具を着て出る
....
待っています。
待っているのです。
あれを。
私は誰だって?
ふふーん
どうか、苦笑しないでくださいよ。
わかりました、ではヒントをあげましょう。
私は、
バス停に ....
僕ハツマリ寂シイノデス。
目ノ前ヲ行ク、男女ノ仲ヲ、
壊シタクナド、テンデアリヤシナイノデス。
僕ハ悲シクアリマセン。
オ星ニ誓ツテ言イキリマセウ。
ダケドモ涙ヲトメラレマセン。
....
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