すべてのおすすめ
目の前にあるガラスを割れば
あなたのところに行けるのね
だけど手を怪我してしまいそう
じゃあ軍手を使えばいい
バットで窓を割ればいい
だけど今の私は武器も防具も持っていない
素手で割るしか ....
街は静か
車の中には甘酸っぱい芳香剤の香り
夏を告げる音楽
じりじりと焼け焦げていく人を知らない人
海が未だにきれいだと信じている人
愛してるが口癖な人
体はきたないものなの
それでも抱 ....
月の夜道を行ったって
どこに辿りつく訳でもない
ただ
視線を先へと伸ばしても
あの光は遠すぎて、見えない
月の夜道を歩いたら
立ちすくむ銀うさぎ
あそこから来た訳ではない、と言う
....
ネオンが瞬き始める夕暮れに
あの娘は小さな部屋でもがいてる
すぐ行かなきゃ
隣り街まで各駅で行く
群集に混じっても
僕は詩人
皆が見落とす雫を拾い集め
....
祝日 新宿の午後は人波に{ルビ溢=あふ}れて
逃れるように僕は古びた細い路地に入る
道の両脇に{ルビ聳=そび}え立つ高層ビルの壁に挟まれた
細い空を見上げると吹いて来る向かい風
ア ....
僕が生きている人生は
悲しみに満ちたストーリーだった
泣きながら倒れ
夜空を見上げれば
流れ星が一つ
流れていった
僕は何もお願いすることなく
消えていった
....
花のあるところに 埋まってください
日向の多いところで 眠ってください
淋しくないように 小鳥が好む土地で
粟の穂が 棚引いているような地で
魂だけは 健やかに 休んでいてください
出来 ....
まだ少しひんやりす深夜の公園に吸い込まれるように出向いた
暗く街灯のともらぬ疏水沿いを誰にも会わずに眠れないので来てしまった
疏水の流れる様を見て流れるスピードに合わせて歩いてきた
....
忘れる前に振り向いて
氾濫した川に飲み込ませて流させて
嗚呼 今日は月が明るい
だなんて呑気に呟く場合じゃない
鋭い眼光で凝視して
無駄な笑いは捨てましょう
胡蝶蘭でも何でもない
そ ....
「だから開いちゃダメなのに」
もうそこに何が描いてあったかわからない
なにか、素敵なものだった気がする
夜がすっかり落ち着いた頃
誰にも見られないように ひっそりと
絵も ....
いつもとおる道。
あるいていると。
道のはしにうめの木がある。
まるでおじぞうさんのように。
ぜんぜんかわらない。
次の朝いつもとおる道をあるいてみた。
うめにつぼみができている。 ....
それは
濡れた樹々の梢に透かし見た
緑の扉
明るい庭先のその扉を夢見る
光と影を刻み憧れにたたずんで
あるいは移り変わる街の喧騒の中に
待ちくたびれて
人知れず錆びついていたあの扉
そ ....
忙しく行き交う電車
その車窓から見る景色は
瑞々しい緑に栄えているのに
僕の瞳には虚ろに映るのは何故だろう
行き先案内のない我が行路
人々はただの虚像にしか写らなくて
....
眠りから覚めると真っ白い世界が待っていた
黄金週間の真っ只中
僕には予定なんかありゃしない
こんなに神々しい日においてけぼり
こんなに喜びに満ちた日に喜びを感じない
い ....
一杯のレモン水が
少女の潔い清らかさを崩壊させる
振り払ったはずの
輪切りする手のぬくもりを
思い出す指が水滴に濡れて
この苦悩は
億千と繋がる母らのつらみ
そうであるなら耐えてみせ ....
ただひとことの言葉を
決して口にはしない貴方は
優しいだけのふりでいつも
私のこころを{ルビ抉=えぐ}るばかり
このままでいて。
変わりたくない。
どうして私じゃいけないの?
はぐら ....
大きな湖に
沈んでいく夕陽を追って
ガリレオってすごくない?
これで
地動説なんて
思いつかんよ絶対
ぶつぶつと
つぶやきながら
コウちゃんは
デジカメを構えてる
その ....
ゴールデンウィークは
ずっと居酒屋でアルバイトだったけど
夏休みはタヒチに行って
ポールゴーギャンを探しにいきたい
歯がしくしく痛む夜にミントを、
初夏の風と小さな葉っぱを
コップの水に
くるくる溶かして
蛍光灯の下で、うがいする
クールグリーンの麻酔をかけられて
小骨のように引っかかっている、 ....
囀るひばりに誘われて
五月の原っぱ
やわらかな緑が
裸の足にくすぐったくて
昨日はふり向きもしない
ぺんぺん草がかわいらしい
青い空に
浮かんだ雲を
目で追いかけて
眩しい形 ....
期待していた約束は
この新緑の季節風で
あっさり破られた
人は期待するから
腹が立つ
絶望する
堰を切った奔流のように
日差しは僕らに降り注 ....
腹が減った
家には何もない
金もないから何も買えない
水道水を飲む
少しだけ空腹が満たされる
それでも
俺の腹の虫が鳴く
寝て空腹を紛らわそうかと
布団にもぐりこむ
今日は寒い
....
あのあおい波が沖まで連れて行くんだわ
そうよ私たち逃げるの
あそこにあかい鳥がいるわ
そそり立つ岸壁はまるで斧
こわいなんて言っては駄目
だってあんな絵本は嫌い
小鳥は飛ぶことを諦め
....
戸を 開ければ 鳥が 落ちる
五千年 経った 後 鳥は 生き延び
戸は 壊れ 破壊されたまま
愚者は 井戸に 落ち
賢者は 僧侶を 落し
戸は 開けっ放しになっている
仏師が 猿 ....
僕が大事に守ってる
キレイな空間に
足跡とか傷をいっぱいつけて
きみは
泣いていた
両手を必死に差し出して
子供のように求め
ぼろぼろ崩れてゆくきみに
悲しくも ....
ちょっと寝不足
コーヒーを飲みながら
スズメの鳴き声
子供たちの黄色い歓声
隣のおじさんの洗車の水音を耳にする
休日の朝
今日は晴天だ
光がこぼれてる
ゆっ ....
自分のためになっているかどうかなんてわからないけれど
私、変にプライドが高かったりするのよね
アルバイトも部活も勉強も
怒られるのが嫌いだから頑張っているだけだよ
だからあなたも
「私の ....
川縁の土手に根を生やした蒲公英たちは
うららかな春の陽射しを浴びて
いっせいに背を伸ばす
夏になったら向日葵になるの
ダンデリオンが通りかかると
みんなで声をそろえて問い ....
眠れない夜
眠らない夜
想いの行方は
彼方
銀の先は
星を射す
いくつの言葉を
集めても
満たなくて
繋げた言葉は
形を描けず
流れる星になる
めぐる
めぐる ....
頭を振りながら
そんなのはちがうと
胸の中で呟いて
もう一度
自分の目の前の世界に
焦点を合わせる
強くなりたい
強くなれ
現実に打ちのめされても
....
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