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公園に着いたがエリカはいなかった
大きなため息をついて腰を下ろした
ふと、自分は何故こんなにがっかりしているのかと
疑問に思った
エリカという名前を知っているだけであとは
....
見送るものは、誰もいない。
錆びれゆく確かな場所を示す
冬景色の世界地図を
燃やしている過去たちが、東の彼方から孤独に手を振る。
知らぬ振りをする眼は、遥か反対を伺って、
不毛な距離をあらわ ....
ほど近い、
雨音の届く、
屋根裏部屋で、
眠りは紡がれる。
了。
お気に入りのファッション雑誌を買ってきた
特製コーヒーココアを台所から持ってきて
いけないとわかっていても
ベッドに寝そべりながらマグカップを傾ける
少しあわ立った薄茶色の液体が
きれい ....
星の茂みの広がる{ルビ遠音=とおね}の空で
回音をのぼりつめて円頂で弾け
ふくらんでゆく
重い光で発散しながら
無重力して律動する心臓
瞬く今晩は
{ルビ青柳=あおやぎ}に迷蝶がさ ....
爛漫の春、日の光を一心に集めて
桜は夜に発光して花吹雪を降らす
花びらを拾い集めたその手
今は傘の花を咲かし
砕け散ったこころを
ジグゾーパズルのように
張り合わせる
欠 ....
まとわりつく
曖昧さと憂鬱の衣装を
剥ぎ取ろうとして
踊り 舞い 跳ぶ
目の前を誰かが作った物語が
通り過ぎて行く様をみて
風と雨の中で虚無の自分を確認する
夢を ....
サンドイッチをほおばりながら
桜咲く公園に貴方と二人
桜の木のしたで戯れていた
あの頃生きることに真剣だったから
貴方の桜色に染まる様子が
眩くて
思わず足を滑らせた
....
音の無い夜
僕は一人、煙草をふかす
空には数え切れない多くの星
大きな大きな世界の中で
小さな小さな君を思う
取るに足らない小さな星も
僕にとっては何より大切な星
....
舗装された道の
ペイントされた、とまれ
踏みつけられた骨の色の
見上げる季節の樹香
舞い散ってへばりつく
美しいという名の死骸
立ち上がれない
ペイントされた、とまれ
月が ....
ゆびさきのまちなみは
すりきれたしんきろうをひきずりながら
すいへいせんのかがみに
あおぞらのつきをうかべている
どこからかのさいしゅうへいき
そのきせきとかがみのきせきがこうさくする
....
とろりとことこ船影が
岬を曲がって帰ってきます
時計はもう零時を回っています
恋人よ
よい人であろうとすることが
いかに厳しいか
僕はとりとめもなく考えています
この密やかな夜に ....
それがいつもの常である
変わらぬ桜がそれにある
雨の飽和した合間にそれとある
傘を大きく膨らませてそれを聴き
まつろわぬのはいずれかとそれととい
ぬかるむ根元にてそれを待ち
濡れた手でそっ ....
華が散る
ロマンティックなあなただから
あたしにさよならを捧げたの
ただ去っていく
ただ去っていく
冷たくあたしは冷えていく
春がきたからコートをしまった
ストーブだってしまったよ
....
ターミナルに出ると
うす青い空が広がっている
通りは車で渋滞していて
そのまんなかでは 赤信号が
意味をさがしながら
点滅する
帰らなければ、と漠然とおもっていた
帰ろうとするその方角を ....
わたくしはなりたい あなたに
好きからはじめる花占い
かならず好きで終わるから
弘前のあなた 今年も綺麗に咲くのね
好き
嫌い
好き
嫌い
好き
幾度やっても ....
雨を避けながら私は歩いている
傘に守られて私は歩いている
円形の
ぽっかり浮かぶその空間で
私は世界を眺めている
雨粒が傘の端から端から
あふれるように流れている
それは本来私の上に ....
僕らいつもボーダーにいんだ
レールの端に齧りついて 生きてんだ
惨めに目腫らして それでも前へ って
世界から零れ落ちないように
みっともなく足掻いて わかってるよ
....
喧嘩の締めくくりはいつも
見えない一本の線だった
あたしがこっちで
のんちゃんはむこうね
そう言いながら
両腕を伸ばして陣地を分ける
ぜったいはいらないでね
ぜったい ....
いつだって鳴いて良いとあなたが云うから、
私はいつの間にか、鳴くことを止めた
いつだって鳴いて良いと
そう云ったあなたは
穏やかな喧騒の中に、消えた
一過性の渦の中で叫んだ愛 ....
その道を歩むことを拒んだ
きみが
いくなと僕に叫んだ
それと 同じ気持ちで
拒んだ
春は残酷だ
なにもかもが崩れていく音しかしな ....
ぬるい空を突き抜ける感覚
舞い上がる花弁の錯覚
振り返る闇を照らす月の雫
愛想
相槌
振りまく情事
心まで腐りそうな
何処までも果てしない空
もう 腐っ ....
いろんな色で
飛んで たり
する
ふわふわの
きらきらの
君のゆびさきから
こぼれる
なにかじゃなくて
あたしの体温が ....
空が、
ゆっくりあの日の
色を取り戻す
あれはオレンジと呼ぶには淡い
橙と名づけた空を
描きとめたスケッチブックはもう
色褪せて
何度もアスファルトの先に
思い出を見ようとして ....
がっこうのりかしつにはウーパールーパーがいます
ちいさいときはすごくかわいかったけどいまはぜんぜんかわいくありません
{引用=
....
陽子は、すっと敷居をまたぎ
玄関を通りぬけ門をくぐり
香気ある光の朝にあいさつをした
罪とはいつか
姿なく大地に影をおとすような
色なく野原に咲きほこるような
清々しい朝日 ....
うまく動かない
{引用=
ろうとぼんやり思っている
その穴を埋めるのはなんだ
ろうと っている
その なんだ
ろ いる
そ ....
切るの?
鏡のような銀 の二本の脚
{引用=
ひとつのものを 切るとふたつに
なります。ふた つになったもの
....
君は意味何をしているの
何を考えているの
もう終わってしまったのに
あなたの顔が浮かんでくる
耐えられない
体の中に重い何かが入ったような
そんな気持ち
それ ....
使い捨てられたカメラと
眠りすぎた昼寝
無残にも別れを告げられた男
残されたフィルムは
焼かれることも無く
時が経つのを待っている
傾く影と壁に映る窓枠
....
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