ぽろん
見崎 光



あなたは
かけがえのない空

そう悟ったのは

自信の欠落したあの日から
幾月を見送った頃


新しい光
淡さを秘めた数分
あなたを忘れた数時間
掬われた空虚に
多少の望みを残したまま
捕らわれ戻る景色

そこに浮かぶ
変わらない空


色をなくした目に
タンポポは差し出した
嘘で固めた涙のかけらを

逸らしても
瞑っても
空は広がっていて
素直を吐きだすたび
澄んでキレイな青に

わたしは包まれた


あなたは
かけがえのない空
けれど
この手で汚してしまわないよう
わたしは
野に咲くタンポポで在りたい


小鳥でも
雲でもなく
ましてや風でもない
野に咲くタンポポで
見届けたい
幸せ色の空



残した望みもせせらぎに返して…




携帯写真+詩 ぽろん Copyright 見崎 光 2008-06-08 21:46:02
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