干からびた冨を聴いている
背の高い真夜中の
影しかない影を知っている


どこへ向かうのか
右も左も無数にある
何も映らない鏡のプラカード


夜の目をした巨人 ....
三十年程生きてきたけど、使える言葉が余りにも少ないことに気付いて、昨晩、何も無い部屋で少し泣いた。内側に潜む物の名付け親になるのは少し怖い。世界に触れるには温度が足りなすぎる。関係を感覚以外の何かで自 .... 灰緑の目を拾い
ひとつ聴き
またひとつ拾い
またひとつ聴く


頬の上にあるのに
見つけられない
遠い遠いはざまから来る
遠すぎてかたまりの音の群れ


笑みや ....
電車はもう乗り終えた
飴の袋もからっぽ
歩き出す
足元の道はごつごつしている
日の光は花や木にばかり当たっている
ような気がする
水が飲みたい
と思った矢先に
湧き水の立て札
山深く ....
眠りかけた猫の横
雨も生もゆうるり過ぎる
階段にだけ残る水滴
たたずむものを映しつづける


明るさのなか
明るさを知らず
光をこぼす光を見つめ
からだの半分が泣 ....
誰か知らぬひとの手をとり
裏の暗がりの路をゆく
鳴りつづける何か
水たまりのつらなり


土の眠り
土の夢
影の家々
光の淵につもる雪


風が分かれる ....
{引用=嬰子の褥


闇のひとつ奥に蠢動する白光体がたしかにあった
血に焼かれた嬰子が視えない手のひらに止まって
私の身体に続いている
いやへその緒はぜんまい状に闇に溶けて
それはもうわ ....
焼けこげてしまいそうな 夏
小さい背中で
我慢を覚えた

春のうららかだったことも忘れて
はだしの17センチに
世のなかは わからない
雲に乗れることさえ 疑わない

小さい背中 ....
闇のなかを 群れがすぎる
音は光り 見えなくなる
低い午後に
指ひとつ残る


二色の霧
陽の渦の橋
冷えた片目
手のひらに隠す


白い花の背
浴びては ....
突き抜けた青天から目をそらし
振り返ってしまうことがためらわれ
気付かなかったことにした

水滴ひとつ浮かばない箱を抱えて
所在を見つけようともしなかった
抜けた羽毛を一枚入れて
ふたを ....
埃の海に生まれたもの
きらびやかに手放されるもの
岸から流れつづける景
底をすすむもののかたち


褪せた光の降る路地の
さらに褪せた色の扉の
入るものもない静けさ ....
あの頃
私は叙情の生き物で
君の全てが詩歌であった


差し出された手の平に
丁度良く収まる
この手を乗せると
合わさった部分は
いつもほの暖かく
淡い色合いの空気が
ぐるり ....
卵の殻が片目に入り
蛾は内から去ろうとしない
眠ることなく
粉に満ちる


雷鳴が
蝙蝠に抜け出る
群れながら群れではない
朝の蒼


誰もついてきてほしく ....
音のない息の浪が
寄せている
ひとつの曇の裏ごとに
くちびると闇はわだかまる


補色の先へ向かおうとする
水の上にしか映らぬ鳥
冬に軋る
冬は軋る


影の斜 ....
かすかに
ひかり
あるく
浮かび沈むものを
なだめゆく道


座礁した船を残し
潮は干いてゆく
岩のような蝶のあつまり
分かれ解かれ 浪をたどる


冷め ....
銀が銀を囲む道
鍵が鍵をひらく道
迷子の文字
目の奥に目を描く銀


誰もすぎず
誰もすぎない
銀の鎧の内の道
やわらかな光の刺さる道


長く長く猫が鳴く
 ....
夜が終わる前に
銀河がサイクロンになって
いらない文字を吸いとりに来る
(サクラ、サクラ、琴のおと)
貼りついてしまったものを
ひとつひとつ
はがしてみれば
どれも忘れがたいもの
けれ ....
冬鳥の啼く声も掠れ
野火煙る薄闇に
遠い鐘の音とともに
虚ろに舞う、
まばゆい欠片たち

山颪(おろし)の風に攫われる
か細い梢の一瞬の落花、
土に眠る豊かな彩りと
ひややかな水の命 ....
この野郎、ピンポンダッシュしたろかな

マンションだと言われればそんな気もするアパートの角部屋
レースのカーテン越しに人の気配が行ったり来たり
どうやら生きてることは間違い無さそうだけど

 ....
ひとり ひとり
夜の裸眼史
硝子のむこうの硝子と星


騒がしい影
何もない肌
土に映る
腕のかたち


闇に冷やした
ひとつの果物
指なぞる文字
雪を ....
ダイ、ダイラ、
風吹きわたり
陽あたりのいい場所で
投げ捨てた果実の種が
ことごとく芽吹いて巨樹となり
大地を引き裂いて
ダイ、ダイラ、
風吹きわたり
陽あたりのいい場所で
はらわた ....
右手を透る左手が
咽の前に描く球は
星の生まれ 空の生まれ
笑みの生まれ 穂の行方



陽曇雷海砂瞳
五本の明るい指と柱
あたたかさはどこからもやって来ない
あた ....
かげろう
冬に漲る
かげろう


蜘蛛を喰い
春を産む
川を
のぞきこむ鴉

あなたはいない



ああわたしには
鴉がいない
昇り降りる明るい雨の
降り降りる間に 降り昇る間に
人のかたちにまたたく鏡へ
灰と花は訪れる


壁に窓はなく
窓の絵があり
鈴の溝の午後
空はすぎる


 ....
あたたかな骸
ころも脱ぎ去る
ひかり ひかり


拾うしぐさ
つぼみのように
水にふたつ


目と頬のはざまの歴史
ひとつの舌で掘り起こし
あなたは指の国境を消 ....
白の崖 白の椅子
海へ突き出る



耐えられなくなり
あなたの手を取り
月と曇を無理矢理見せる


蒼のなかににじむ灰
丘を昇る星の群れ
言葉は有限 空の手 ....
火の境い光の境い冬ひとつ


穂の奥の鉛の森ぞ燃えさかる


岐に至る言葉のすべて水を招ぶ   


にきにきと片手の光においけり


冬の背に失いしもの踊 ....
はね橋が分かれ
呼吸が分かれる
緑は
重くなる


雨 行方 雨
行方 雨
窓のかたちの光が吹いて
窓のかたちの空に重なる


着いたはずのしずくは離れ
 ....
冬の咽もとに指を寄せ
ふるえのかたちを描いてゆく
あなたは
あなたを描いてゆく


太い流れが細くなるとき
熱は流れに染みとおる
夜が夜を圧そうとするとき
熱は夜の辺をめ ....
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