水応
木立 悟





あたたかな骸
ころも脱ぎ去る
ひかり ひかり


拾うしぐさ
つぼみのように
水にふたつ


目と頬のはざまの歴史
ひとつの舌で掘り起こし
あなたは指の国境を消す


花を移る
一羽の影
みなもとの前をすぎる音


花 空 花 と空に着き
花はふたたび空を発ち
水に卵を描いては消す


倒れつづけるひかりの道
歩むものらのかけら かけら
高みへ高みへと流れ去る


緑の奥 ひとつの水紋
空を映したひかりの底に
ひとつの骸が沈んでいる


あたたかな気泡が指を揺らし
空を 花を
揺らしつづける














自由詩 水応 Copyright 木立 悟 2009-03-16 10:19:39
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