洞の実を砂糖醤油につけて呑み



まばたきの遅い一日お茶すする



ひらくたび傘の首すぐ飛んでゆく



弧を刻む光のなかの馬鹿ひとり



とどろ ....
絵の具のにおいの
血の味の白湯に
夜を映して呑みつづけている


光の奥にあるものに
触れたとたんに移動する
人のものではない矜持がある


熱すぎて近づけない
翼と ....
扉をあけると影が廻る
壁を舐める火が径を揺らす
空が巡り 落ちてゆく場所
行方と行方が重なる場所


冬の帽子
両腕をひろげ
花を呼んだ
名前ではなく
かた ....
光の背どこまでもただひとりの背



ふところに乖離の会話隠し持つ 



幽霊と握手した手に残る霧



光から光を取って花格子



むなし ....
その壱


1(1)……大きな段ボール紙を用意する

(2)……段ボール紙を壁に立て掛ける
壁に立て掛けたら絵の具を用意する

(3)絵の具を取り出したらまずその上を黒で適当に ....
洪水の後の濁った水に
どこからか虹がそそがれる
十一月の坂を
十一月の海を
去ってゆく影


灯りのはざま
肺の宇宙
咳き込むたびに
色を失くす径


焦 ....
弱い光のひとつひとつが
羽になり また花になり
触れることなく消えてゆくとき
熱を終えた鉄のような
緑の音を降らすとき


歪んだ金に ふちどられた声
ほどけひろが ....
階段の踊り場ほどき火を編む手



季節さえ知らぬ存ぜぬ{ルビ仮=け}の柱



言葉には言葉の垢の漂いて



{ルビ自身=おのれ}には{ルビ自身=おのれ}を呑む ....
真夜中の
狭い径で
首をまわし
何事かを騙りながら
空の明るさを
隠す四ッ足


日々の渇き
別の轍
水に堕ちて
再び昇る目
静止したものが
見えない目


 ....
枝の影
蜘蛛の影
午後から夜への
庭を噛む影


わずかに斜めの
旅をしてきた
骨に沈む目の
まばたきを数えた


うるおいを はばたきを
置き去りにして ....
「在宅のみとり講習会」という見出しが眼にはいった時
「のみとり?」と思ってしまった
ペットの蚤でも発生しているんだろうか・・と
普通に思ってしまった
記事をよく読むと
「在宅のみとりに必要な ....
雨のなかの無言
港の夜の終わり
藻の緑の昼と午後
霧は凍る
岸を摑む


埠頭の音が曇に映り
やがて粉と降りそそぎ
常に宙に消えてゆく
影さえ土に ....
音のにおいが喉を荒らす
けして呑み干しはせぬ光
壁を越える羽
耳元で話しかけられる
洪水の日のはじまり


砂に突き立てられた羽
あらゆる風に揺るがぬ羽
進めば進むほ ....
器の底の浅い水
光が光を斬る暮れの揺れ
冷たく置かれた広い空地
誰もいない空と空


手を離し
曇は落ち
再び昇る
撲つ音 撲つ音
光の端の
花ちらす音

 ....
 
恋して 弱くなりました

愛して 強くなりました

向き合って 真実を得ました



 
母親らしき人が秋を告げた   秋の町は、
  くれないのさざなみ
  思い出はずっと乾いていた
  ポケットのなかの木の葉



  あのひとからはもらい損ねた
  微笑みの匂いがする
  きみと帰る ....
空に向かって融けてゆく
指のかたちの切る花
切る花
空に向かってかがやく花


鏡に映る 名前の無いもの
欲めると同時に満たされるもの
すぐに消える言葉の背を
長い長 ....
なにが入っていたのやら
わからないのだけれど
綺麗な包装紙や箱

おふくろが
いただきものの
高島屋なんかの包装紙なんぞを

ていねいに折ってあるものが
押し入れの隅からときどき ....
誰かが外から力をねじ込んだ
固く ギリ ギリ と
{ルビ蜷局=とぐろ}を巻いて震える はらわた
突き上げるような衝動!
目を見開き
歯をむき出して
喧しくシンバルを鳴らし 
── 鳴らし ....
明るく狭く
ひらかれた場所へ
漏斗の霧がそそがれる
やわらかく 蒼く 
もろい立体


雪が触れる
影が触れる
常に常に
泣いている片目に
うたを塗す


 ....
小さな子らが
涙を浮かべた目を見つめ
虹の瞳だ と言った
たくさんたくさん 集まってきた

特別なことは何もない
すべてを
ただ恐れているのだ
と言った



 ....
洗面所で
顔を洗っていると
母が居間から話しかけてくる
何を言っているのかわからない


洗面所で
歯をみがいていると
母が台所から話しかけてくる
何を言っている ....
雪に重なる雪の音
角を曲がり 消えてゆく
光のはざま 分かれ径
樹々のかたちに倒れる霧


光の壁に光が
影の壁に影が浮かび
輪郭だけが吼えている
誰もいない街に吼え ....
冬の背中
冬の公園
冬の遊具
開くはずのない窓のまぼろし


そこに居ない声
大勢はひとり
冬の径
握りしめた楽器


明るい
ただひとりの窓
陽を浴びてい ....
チョークの音
ひとつ
ふたつ


左目が右目と喧嘩したので
花の冠は
明日にします


水の名前
鬼の名前
数え切れずに


ひとつひとつの花を見なが ....
秋草や見覚えのある人の影 鳥のそばに鳥が降りて

と つぶやく


すると色は
色をやめるのだ
指さえ かなぐり捨ててまで


目は とうの昔に
泡のものだから
灰を踏みしめ 灰を廻る ....
蜘蛛の糸の生きものが
紙の壁をのぼりゆく
少しずつ少しずつほどけながら
夜の明るさへと近づいてゆく


歪んだ空の台形が
高みの曇に照らされている
斜面が斜面を
金属 ....
水底の傷
陽を見つめつづける
水底の傷


霧の奥の棘
言葉を抄えない
霧の奥の棘


空き地をわたる風が
目を潤ませる
昨日の雨
昨日の文字


 ....
砂木さんのおすすめリスト(5644)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
うつら_うつら- 木立 悟川柳214-12-3
ひとつ_篩- 木立 悟自由詩314-12-1
外へ_夜へ- 木立 悟自由詩4+14-11-26
ひとつ_閉じて- 木立 悟川柳314-11-26
美しく死ぬための助方- アラガイ ...自由詩7*14-11-21
ひとつ_つまさき- 木立 悟自由詩114-11-17
ひとつ_あまた- 木立 悟自由詩114-11-12
梳く手_こがね- 木立 悟川柳214-11-12
ひとつ_わざわい- 木立 悟自由詩614-11-4
ひとつ_逢魔- 木立 悟自由詩3+14-10-31
のみとり- Lucy自由詩23*14-10-27
ひとつ_鉄岸- 木立 悟自由詩214-10-26
降り来る言葉_LXVIII- 木立 悟自由詩414-10-22
ひかり_遠景- 木立 悟自由詩2+14-10-14
あなたとわたし- 殿上 童自由詩22*14-10-12
母親らしき人が秋を告げた- 北大路京 ...自由詩214-10-12
さざなみ- 草野春心自由詩414-10-12
ひかり_かたむき- 木立 悟自由詩314-10-11
包装紙- 梅昆布茶自由詩2214-10-11
誰ももうネジを巻くな- ただのみ ...自由詩22*14-10-8
白と灰の実- 木立 悟自由詩214-10-1
Sunrain- 木立 悟自由詩214-9-25
ノート(過ぎ終わりはじまる)- 木立 悟自由詩414-9-20
夜毎_夜迷- 木立 悟自由詩414-9-20
ノート(凍奏者)- 木立 悟自由詩414-9-15
ノート(連絡)- 木立 悟自由詩214-9-15
秋草や見覚えのある人の影- 北大路京 ...俳句114-9-14
ノート(午後のかたち)- 木立 悟自由詩914-9-11
うつわ_しずく- 木立 悟自由詩514-9-10
午後と手のひら- 木立 悟自由詩6+14-9-5

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