草木のゆれる
その方角に
わたしはときを聴いている

これまでを悔い
これからを問い
わたしは巧みに
たじろいでいる



雲のちぎれる
その方角に
わたしはことばを ....
雨の一粒ひとつぶは
空気を孕んでいて
引力にひきよせられて落ちるときに
真ん中に窪みができる

屋根から
下がる糸の鏡に
することもない子どものものおもいが
写しとられる

傘から ....
五つとひとつの指で実をささえ
右は左の午後を見わたした
こぼれゆくものを
見わたした


鉄とガラスのはざまの蜘蛛
ずっと光を投げつづけている
陽でも灯でもない
雨の ....
 夜の湿り気が
ぬぐいきれずに
わたしのゆりかご
あなたはそっと
うしろむきで 

雨を吸った
風が吹いて
胸に空洞
わたしができることは
ただ、毎日をすごすことだけ?

 
 ....
はてしなく
広がるものは
絶望、に他ならないから

おねがい、天馬
そのたてがみに
一度でも揺らせて
ぼくの
名を


命中しがたい
銀の矛先
大鷲の
視線

 ....
青空から
おそわった言葉を
思い出せずにいる横顔を
やわらかく演じたら、

気まぐれな風たちの向こうに
緑はあふれて、
揺れている



 たいようを
 描きつづけるこ ....
土曜日のお昼ゴロ
テレビの前でゴロゴロ

珍しくないから
昆虫図鑑にも載せてもらえず
面白くないから
観察日記にも書いてもらえず

疲れやすいお年ゴロ
リモコン片手にゴロゴロ
 ....
緑は透り
透りは緑
雨の手のひら
うらがえす


斜めへ斜めへ息を吐く
斜めの先には水がある
見えない左
見えない弛緩


碧に翠に黄緑の羽
灰に白に水銀に
 ....
真夜中のいたずら電話

死ぬほど嬉しかった

たった今 僕は

孤独から解放されたのだから
夜、は
首筋からこぼれ落ちて
かすかに甘い蜜のにおいを
隠している

命令に逆らいたい鳥たちが
もうじきそれに気づくだろう

囲いはすでに
万全なのだ



風がかく ....
はてない偶然で
おてがみをくれたとき
トライアングルのような音色がむねに
うちつけて反芻した

涼色のびんせんに
えんぴつで
ことばじゃないことばのられつと
はにかみ・かみみ
 
 ....
あなたは
決してわたしをゆるさなかった
はじまりの
隠しあう接触のぬくもり
黒くながれおちる髪を
手櫛でやさしく梳きながら
洩れる水を袖口に運ぶ


清潔な距離がくれた
まどろみの ....
うつぶせに眠る広きもの
夢とうつつの燃えるさま
陽も月も星も遠のいて
目をつむり目をつむり行方を追う


空に書かれた余計なことから
目をそらしてもそらしても
響きは進 ....
わたしはわたしとは別に
川に沿って進んだ
曇は倒れ 消えたあとも
水の上に映りつづけていた


わたしはわたしとは別に
どうとでもなるものだった
民族の音を消してまわっ ....
降る傷
金の跡
午後の塵
地に空を作れずに


空の径やはじまりや
辿れないものを辿るとき
警告は来て
河口に置かれる


光の原をゆくものの
隣の闇を歩むと ....
風林火山のごとく
誰にも知られず家を飛び出したわたしたちは
しばらくおびえながら暮らし
酷暑の陽炎 むしばまれつつ
いまに至っている

洗濯もの 干してたら綿毛の種がとまる ふわり ....
朝七時半くらいになると淋しい

それはクセのようなものだ

夜八時くらいになると淋しい


ツメを噛もうとおもっても

噛めるところがないよ

だからツメのおもてを

したの前歯で研いでいるよ


朝 ....
じいちゃんが
死んで
棺桶に入れられた顔を
じっとみては
安心していたけれど
触ってみる気には
なれなかった

じいちゃんを
火で焼いて
消す
ひどく惨い
ごおごおと
火 ....
夜が夜を動く
ふたつの音
ふたつすぎて
削れる音


緑の鍵盤をひとつ呑み
崖を歩く
植物園
火のなかの釦
かけてはほどく指


前へ 前へ 過去ではなく
 ....
つむる左目から駆け昇る刃
羽を断ち空を断ち 花に降る


重なりすぎて見えない重なり
かき分ける拙い手


背を散らし 背を散らし
また夜は来る 夜は来る


 ....
歯は歯へとたどりつかぬまま歯となりて響かぬ箱を咬みつづけている



卵から卵のかたち抜け出して誰も居ぬ街誰も居ぬ日々



数列の文字の並びに指を置き現われる色あ ....
ヨウ素、セシウム、ストロンチウム

体内に入れば

なんにち、なんかげつ、なんじゅうねん

悪さをしつづける

ということは

その逆の現象もあるだろう

体内に入れば

 ....
インド料理のお座敷で

王様気分で料理を食べた

トマトのスープもほうれん草のスープも

オレンジ色したドレッシングのサラダ

マトンカレーにインドウィスキー

あれがあんなに
 ....
中国から来た客人たちと会食をした

市長や副市長、市の商務局の役人総勢20名ほどの一行だった

彼らのプレゼンをぼくは羨ましく聞いていた

ところでしあさって

アメリカはどうするのだろう

8月2日 ....
約束の

返事もなければ

予定もなにもたてられなかった

それでも信じて

返事を待っていた


そういうことが繰り返されていた

虫けらだって

天候不順で出てこなか ....
ぴよぴよと鳴く魚だけ撫でてみる



槍とおせ骨の目から目へ槍とおせ



分からぬと分かるの境に立ち尽くす



埋められて掘り返されて嗤われて


 ....
絵の具のにおい
月に触れる指
何処へもいかない


うたの行方は
異なる星
燃えおちる 燃えおちる


ひとりの内に ひとりは増し
さらにひとり
さらに緑
 ....
望んでない炎
炎に{ルビ塗=まみ}れた稲わらが強引に{ルビ傾=かし}げる 
カーテン越しから囁く者たちは
そこから離れなさいと
ただ 唇を動かす

ありえない色
塗り替えられた あの土地 ....
インドから来た 一隻のタンカーが 岸壁の前に泊まっていた…
だけど海は それを知るにはあまりにも広すぎた…
私の好きだったことは 一体 本当は なんだったのだろう
季節は 流れていく
そし ....
跛(びっこ)をひいた男が独り
本屋の軒先を横切る
そこが本屋の軒先であることなど
全く意にも介さず

杖をついた老人が本屋の中から出てくる。
一冊の本を購入するでもなく
じっくりと日課の ....
砂木さんのおすすめリスト(5644)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
その方角に- 千波 一 ...自由詩5*11-8-15
雨の溜め息- 殿岡秀秋自由詩711-8-15
ノート(雨と王座)- 木立 悟自由詩411-8-15
つたえて- 唐草フウ自由詩8*11-8-14
天馬- 千波 一 ...自由詩3*11-8-14
窓越しの嘘- 千波 一 ...自由詩7*11-8-13
ゴロゴロ- nonya自由詩13*11-8-13
ひとつ_いない手- 木立 悟自由詩211-8-13
いたずら電話- subaru★自由詩18*11-8-12
漆黒- 千波 一 ...自由詩3*11-8-12
ことしの熱- 唐草フウ自由詩8*11-8-11
こいびと- 因幡菫子自由詩32*11-8-9
いない_かたち_Ⅵ- 木立 悟自由詩211-8-8
ノート(いない_わたし_Ⅱ)- 木立 悟自由詩111-8-8
いない_かたち_Ⅴ- 木立 悟自由詩111-8-6
回顧夏- 唐草フウ自由詩6*11-8-5
淋しきクセ- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...211-8-3
焼骨の埋葬- 長押 新自由詩4*11-8-2
ノート(いない_わたし)- 木立 悟自由詩111-7-31
いない_かたち_Ⅳ- 木立 悟自由詩211-7-31
キース・レヴィン- 木立 悟短歌311-7-31
見えない邪- 吉岡ペペ ...自由詩111-7-31
暗黒宇宙のそのなかで- 吉岡ペペ ...自由詩411-7-30
青い街なみ- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...111-7-30
虫けらだって- 吉岡ペペ ...自由詩311-7-29
六と七- 木立 悟川柳211-7-28
いない_かたち_Ⅲ- 木立 悟自由詩411-7-28
稲わらの火- subaru★自由詩17*11-7-28
譲れない自分- 番田 自由詩411-7-28
頑固堂書店購買部- ……とあ ...自由詩13+*11-7-27

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