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大陸が大陸を噛み砕き
顎から瀧が流れ落ちる
仰向けの空の背中に
海の光が照り返す


鳥は数字を紡いでは落とし
緑の輪 緑の輪
羊の喉と繋がる空
ゆうるりと廻る虹の柱 ....
時おり止まり
時おり流れる時間の上を
雪と羽はすぎてゆく
星に棘に傷つきながら


雪夜の森に星雲が降り
倒れた霧の塔にまたたき
朝の月 昼の月のふちどりが
消え ....
透明な板に仕切られた街で
鳥は哺乳類を呑んでいる
人は 恐れて近づかない


板と板のはざまを
皆 目をそらして通りすぎ
空を忘れた鳥が見つめる


径の終わりでま ....
光の柱に指を寄せ
確かめながら触れてゆく
光でも水でもあるかたちまで
幾度も幾度も確かめながら


芯には幼いものたちが居て
はじまりを忘れてははじまってゆく
水と光の ....
額の上の
紙の風見鶏
けだものはただ聴いている
手のひらのなか冷える円柱


空のはさみ
晴れとしずく
風と渇き
音と苦み


筒の空を伝う水
上の上 ....
何か小さな祝いの言葉が
ずっと背中に降りつづいている
鉛の泡
砕ける冷たさ


夜が夜を着ては脱ぎ
雪を渡る光を見ている
そそぎ そそがれ
そよぐうつろ


 ....
何もせず
ただ見ているだけの空に向かい
皆 手にしたものを次々に投げつけ
空はさらにかがやいてゆく


水へ水へ溶けた景色が
浮かび沈み 夜になり
駆け降りてくる空に照 ....
指を枯らし
宇宙を二回
排泄したら
時間は唱う
緑の下を濃緑が
水のように流れゆく
化石の木々から
止まぬ震動


硝子に分かれる
もうひとつの径
岩穴の向こうの
凍てつく群れ


布 麻
消えかけた火 ....
海の底から立ち上がる城
瓦礫の泡 草の鎖
空と樹 樹の前の樹が重なり
骸のように立ち尽くす


霧と岩は夜に溶け
雷雲は野外の舞台を照らす
山の裾野を登る波音
水 ....
雪の頬 雪の頬
おまえは触れぬ
いかずちの音
花に花に 到かぬ音


熱は奪い 熱は伝う
あえて語らぬ事のために
やすらぐ心は冷えてゆく
水の向こうを 転がる ....
湯のなかで痛む指
数えても終わらない曇の流れ
冷たさを呑むこと
手のひらの空をかき混ぜること


双つの明るい星
火と火の生きもの
森の目 岩の目がひらき
ふたたび静 ....
金魚鉢を売りに
宇宙基地に行くと
そこには所狭しと
地球脱出用ロケットが並び
丘一面の仙人掌が
キカキカキカと揺れている
頭の上の羽のかたまり
空は川底 地は水面
光と ....
午後の羽の蝶が群がり
枝は一時 空に呑まれる
実は鉱に転がり 水に落ち
空へ還る空を見つめる


砂漠の火花に
鳥は降りる
そこに在ったかもしれない命の
無機と無 ....
光を打つものの影が
空に映り揺らめいている
二本の穂の墓
影が影に寄り添ううた


切り落とされても切り落とされても
見えない部位は羽ばたきつづけ
音の無い風が生ま ....
流木と焦木が
河口に混じり
川辺の火を見つめている
低い 低い月の渦


見えない雑踏にまみれ
等価を与えられる
抱くと同時に抱かれるかたち
水で水を受け取るかたち
 ....
花のなかの
蜘蛛の影を吸い
水の螺子を巻く指が
静かに空をまさぐっている


まだらな闇
居るはずのない家族との約束
ところどころ見えない階段
現われては消える粉 ....
深夜の白く澱んだ曇から
硝子の光が降りつづいている
枯葉と鉱のはざまの音が
甲と指を擦っては落ちる


あちこちに
赤く乾いた小さな実が散らばり
時おり虫のように震 ....
死も生もなく笑む波を
取り囲んでは光の渦の
散らばる視線を集めて白の
ひとつの樹にだけ降る午後の水


二重の種子の太陽
淵に滲む光
数倍 数十倍にふくらみながら
 ....
水紋のそのままが伝わり
川底の色に雨が加わる
あやまちの子が
夕暮れに手を振る


曇わたる曇から蒼が降り
唱う譜面の切れ端も降る
幾つかに分けられた家並から
楽隊の ....
曲がり角の雨
踊り場の雨
常に潜む雨
葉を照らす雨


理由もなく
人のかたちをしている蛭が
街を造り
歩きつづけている


空の子蜘蛛
低い青
かすか ....
曇のない空の下に
灯りが落ちている
傾きに逆らい 水は上り
空の奥の火を映しだす


何もかもがぶら下がる方へ
夜は静かに沈みゆく
鉱の声 光の声
水たまりの心を過ぎ ....
何も見えない湖は
来るもの 発つもので騒がしい
無数の軌跡
無の飛跡


まつろわぬものらの轟きの朝
すべてからすべてから離れてやっと
自分自身で居られる音の
近く遠 ....
鉄の孑孑が
陽に吸い付く
山羊は飾られ 剥かれ
刎ねられる


空の管が鳴り
青は黙る
三方向に拡がる風景
外のちから 滴の影


淵の淵から
雨が掘り起 ....
雨を呼ぶ声
空をくぐる火
曇の牢に動く影
水の径を追いつづける午後


涙で目を洗うとき
ふと片目に残る光
三日月となり常に静かに
銀と灰を重ねてゆく


多く ....
針の翼
夜の屋根
緑の雨が
楽譜を照らす


街の起伏
夢のつづきの夢ばかりつづき
目覚めも指も
夜になれない夜をこぼす


葉の陰の硝子
雨の奥の太陽
扉 ....
氷の川 紙の舟
暮れを旋す 空の浪
小さなけだもの
踏みしめる葉


神棚の窓の下の囲い木
降りそそぐ見えない雪のようなものから
何かを護りつづけている
いつか朽 ....
低い空の斜め左に
かがやいては煙となる光
煙が煙でなくなるまで
煙は光を昇りつづける


流れ星が流れ星にぶつかり
祈る間もなく 消えてゆく
けだものの夜
やわら ....
暗がりを映せば鳴る目の水の
緑に散っては集まる姿
標を失い かたちを失い
かがやきながらすぎゆく姿


階段の前に
すっくと立つ影に
目が触れ 揺れる
滾ることの ....
海のすぐそばを通る径に
崩れかけた廃屋があり
それを覆うほどの大きさの
汚い布が何枚も
何枚も重ねてかぶせられていて
浪や風が来るたびにひるがえり
がらんどうの廃屋 ....
砂木さんの自由詩おすすめリスト(4706)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ゆくえ_とどろき- 木立 悟自由詩417-1-28
鏡振街- 木立 悟自由詩517-1-3
ノート(彷鳥街)- 木立 悟自由詩216-12-31
夜鉱街- 木立 悟自由詩416-12-28
ふたつ_満ちて_Ⅱ- 木立 悟自由詩416-12-24
冬とむらさき_Ⅱ- 木立 悟自由詩916-12-19
暗輝_はざま- 木立 悟自由詩616-12-12
ノート(53Y.12・8)- 木立 悟自由詩316-12-12
冬と射手- 木立 悟自由詩516-12-8
ひとつ_水音- 木立 悟自由詩616-12-3
ゆらぎ_さまよい- 木立 悟自由詩416-11-29
ひとつ_露光- 木立 悟自由詩716-11-24
ノート(金魚鉢)- 木立 悟自由詩416-11-20
夜へ_ふたたび- 木立 悟自由詩716-11-17
ふたつ_冬野- 木立 悟自由詩1716-11-14
ひとつ_まなこ- 木立 悟自由詩516-11-11
午後と秘名- 木立 悟自由詩616-11-8
ひとつ_冷笛- 木立 悟自由詩316-11-3
ひとつ_夜音- 木立 悟自由詩516-10-28
夜と羽- 木立 悟自由詩616-10-23
しずく_手のひら- 木立 悟自由詩516-10-19
うつろ_かがみ- 木立 悟自由詩316-10-14
白_めぐる白- 木立 悟自由詩816-10-6
黒よ_黒- 木立 悟自由詩516-9-28
あゆみ_むらさき_Ⅲ- 木立 悟自由詩616-9-21
あゆみ_むらさき_Ⅱ- 木立 悟自由詩816-9-15
あゆみ_むらさき- 木立 悟自由詩416-9-4
外へ_むらさき- 木立 悟自由詩516-8-25
ひとつ_しめす- 木立 悟自由詩216-8-19
ノート(浪)- 木立 悟自由詩216-8-19

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