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漫然とした教室の中
五感が鈍くなった私に
ただ一人だけ
語りかけてくれるものがいる
親指のささくれ
はみだした部分を
引きちぎる
滲む
赤く
私の証明
そっと押さえる
指に転写さ ....
七色の水が流れる川
架かる橋を渡ると
煙が立ち込めていて
しばらく歩くと
世界が暗転した
(どこにもない
たった一つのものを
....
水辺で老人が少年と釣りをしている、のは創造ではない。記憶である。誰の頭も、何も作れない。・・・・隣人のしたり顔を見ていると、腹立たしい。お前の頭の中には何もないよ、からっぽだよ、 ....
三十年程生きてきたけど、使える言葉が余りにも少ないことに気付いて、昨晩、何も無い部屋で少し泣いた。内側に潜む物の名付け親になるのは少し怖い。世界に触れるには温度が足りなすぎる。関係を感覚以外の何かで自 ....