泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする

抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ

産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした

今も少し
する
 ....
すうすうと水は目に入る
水には空に向かう手が映る
曇は過ぎてゆく
地には駆けるものがある



どこにも行けない火が
どこにも行けないことを知りながら
十月の光にはばたいてい ....
朝から降り続ける雨

空から細い糸が降りてくる

しとしとしとしと

やむことを忘れたように



濡らしてゆく

乾き始めたこころを

夏の暑さで蒸発してしまったこころ ....
まだ色素の薄い 素の唇に触れて・・・



          おまえの可愛いおでこにキスする
          おまえの二重まぶたに静かにキスする
          おまえの鼻筋に沿 ....
目が覚めたら
隣の布団は空だった
一階の天井と二階の畳
布団と枕
の むこうから
聴こえてる今日
ああ
私がいなくても
今日は勝手に始まっている
このまますうっと消えてしまったら
 ....
影の中から呼ばれた気がして振り向いた

あれは風の音

それともビルの谷間にこだまする車の音

誰も呼んでなんかいなかった

ましてや

こんな誰も知らない街の中で



 ....
  


  ぼくはあなたと
  落ち葉をひろいに
  坂を上った
  あなたは若い作業療法士
  そうしてぼくは
  モン・ベルのTシャツとジーパン姿の
  ピーターパン
  猿 ....
私が見ているのは

しだいに枯れ木となってゆく貴方の

風に微かに揺れる枝の指先


上に 上に

よりも

天に 天にと手を伸ばして

貴方は何を摑み ....
*
目覚めると音のない世界
カーテンの隙間から灰色の光が射している
明けていくカーテン越しの光のなかで
青磁の肌が鈍く輝く

この部屋はこんなふうに朝を迎えるんだね。
僕は君を置き去りに ....
    

   十月はたそがれの国
   と呼んだのはレイ・ブラッドベリだ
   木の葉が散っている街路樹
   シャベルでかき集めては掬うのだ
   そうよんだのはジャック・プレベール ....
手のひらの中に 石がある
握りこぶしに 隠れちゃったよ

指の隙間から飛び出しそう
なので
ぎゅっ て
したら

胸の中 なんだか 苦しいよって


これも 愛かな?
ねころがる
わらう
しぬ
またはしる
ふとんをまたぐ
すてきな
ひとに
ぼくできる
繰り返すことだって
ころころ
かわる
のだって
らくなんだって
ほんとだよ

さばくだ ....
お葬式に 行ってきました

亡くなったのは 私の おばさん

87才の おばあさんで

とても 穏やかで 平静な顔でした


死を考えるのには 疲れてしまったので

ちょっといや ....
何のために拓かれたのか
忘れ去られ 荒れ果てた地に
静かに触れるふたつの指



空き地から空き地へ
ざわめきを越え
かがやく差異の曇がひろがる



空にも地にも
 ....
一時間に一本だけの電車の中で居眠りをしてみると
回想の中で自分の自分に逢えるので
もう一度と思ってみても
一時間に一本なものだから
すごく困ってしまう


ぼくらは、たまに
どうしよう ....
食べることに興味がなかった
何もかもがどうでもよかった
自分に何かができるとも思わなかった
仲間がいるわけでもなかった

ただ
逃げ出すことばかりを考えていた

そんな私が妊娠した
 ....
ちょうどいい
ぐらいの悲しみをちょうだい
とんがりすぎてない
痛みをちょうだい

そしたら
きっと 幸せだから

笑ってばかりは 哀しいし
泣いてばかりも 可笑しいでしょう?

 ....
夜の灯りはあたたかい

ここへおいでと

てまねきする

ここにいるよ

はいっておいで



今にも

誰かが顔を出しそうな





灯りがともる
 ....
今日も世界のどこかで誰かが
此処に居る僕みたいに叫んでる
だけど僕と同じで それは届かない

明日も世界のどこかが壊れて
僕みたいに助けを呼んでるんだ
だけどいつも同じで 思いは届かず
 ....
ビルディングの肩はとうに壊れていて
投げ損ねられた昼がアスファルトで砕け続ける
どれが致命傷なのかわからないくらいの夜が始まる
黒々と割れたビルディングの窓は
誰かの死に愕然としたまま死ん ....
つまるところの、現在位置を


行き交う車の雑言に聴き疲れた時に、ふと洋楽を好きになった、
ある日
晴れならスピーカーも鳴るから
せちがらしいって言ってしまえば
まぁそれまでだよね

 ....
哀しいときに哀しいって言えなくなって

淋しいときに淋しいって言えなくなった

まるで路地裏の捨て猫みたいなあなたとわたし

お互いの傷なめあいながら

ぬくもりだけを信じて寄り添って ....
不凍になった雪を顔に押し付ける事を望んだ



いつまでたっても逃れることのない野原を自分の根源として
散々嫌んなった事をボールに握り締めて投げた
ボールは腐った
僕は陳腐だった
 ....
ススキ野 原が 北に向かって揺れている
渇水した南風 けだるい西日
東から 懇願の声が聞こえる

私もそこに加わろう
この手に 白い穂を付けて

太陽の光りがいつまでも照らし続ける体(茎 ....
わたしは川を下り
骨だけの草
骨だけの景を組み立てる
雲を集める
息を集める
ひらひらとする



羽のつけ根にひろがる国
赤く透きとおるまなざしの国
からだのすべてに生 ....
ゆるりところがる指のからまり
ほぐれるたびに空は変わる
ふるえからゆらぎへ
青から碧へ
変わりつづける遠くの道を
冬はたしかに歩いている



銀に洗われる世界に立ち
流れ ....
 小学校3年生の時の担任のN先生は、子供に作文や詩を書かせることによって、考える力、生きる力をつけさせるということを提唱し、本も沢山書いている方でした。
そして、授業中やそれ以外の場所で、草野新平や ....
覚えていますか

問いかけるのは怖い
そして無意味だ
わたしはあなたにとって
最初から存在しなかったと
同じなんだと
確認したところで
一体なんになるだろう
覚えていますか

 ....
日暮れの蒼のわたしへと
空も地も金を置きに来て
今日も緑に埋められていて
流れ込む色のわたしで居る



ひとり歩いて すれちがう
醜いものも 悲しいものも
みんなみんなわた ....
 
 たった一言交わして
 すれ違うだけの人にも
 私を憶えていてほしい
 それは贅沢なことだろうか


 食卓や墓地や廃屋にさえ
 いつも人の面影があった
 私の生まれは人だから
 ....
砂木さんのおすすめリスト(5644)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かわいい匂い- チアーヌ自由詩7304-10-4
響水領- 木立 悟自由詩604-10-3
「_秋の雨_」- 椎名自由詩2*04-10-3
LIPSTICK- 千月 話 ...自由詩3*04-10-3
無題- さち自由詩5*04-10-3
「_オレンジの月の夜_」- 椎名自由詩1*04-10-3
旅の宿- 天野茂典自由詩2*04-10-2
幻の嘴- 蒼木りん自由詩3*04-10-2
ANOTHER_GREEN_WORLD- カワグチ ...自由詩51*04-10-1
卒業写真- 天野茂典自由詩7*04-10-1
レッスン5- ひより自由詩6*04-10-1
つあー- 石川和広自由詩3*04-10-1
お葬式- こむ未詩・独白2*04-10-1
ノート(指の季)- 木立 悟自由詩304-9-30
故郷日和- 霜天自由詩1804-9-30
そして恐怖の中で私は祈った- 初代ドリ ...未詩・独白7*04-9-29
たぶん- さち自由詩5*04-9-29
「_夜の灯りに魅せられて_」- 椎名自由詩1*04-9-29
peace- 海美自由詩104-9-29
秋のカルテ- A道化自由詩1004-9-29
存在地- 祐伸自由詩2*04-9-29
「_あの日を_」- 椎名自由詩1*04-9-29
はがれた、こえ- 祐伸自由詩1*04-9-29
燃える秋、ススキ野_原で。- 千月 話 ...自由詩8*04-9-28
国の季- 木立 悟自由詩404-9-28
朝の季- 木立 悟自由詩304-9-27
「詩と私」- ふるる散文(批評 ...12*04-9-27
忘れられた女- チアーヌ自由詩9*04-9-27
ノート(歩の季)- 木立 悟自由詩304-9-26
人_(2004.9.25)- 和泉 輪自由詩2904-9-25

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