窓の内を飛ぶ鳥が
ますます大きく ますます遅く
重なる紋を浴びながら
粉の光を泳いでゆく


触れることなく覆う雨
横へ横へすぎる雷鳴
見え隠れする鳥たちの
波ばかり ....
消えない泡と見えない泡が
手をつないで終わりを見ていた
おぼろな背中 光の蔽い
けだもののかたちの曇を見ていた


指を灯す指を絡め
指を照らす光を見ていた
歪ませ ....
降りたはずの人が
まだ乗っているのに
そこに居る人々は
誰も何も尋ねないのだった


列車がいつのまにかバスになり
やがてワゴン車に変わっても
共に乗っている人々は
 ....
記憶の穴の水流に
映っては去る音と影
はばたくばかりで飛べない径
小さな本を敷き詰めた径





いつも何か言いたげな
消えない羽を呑み込んで
蒼と灰の時間 ....
人 人 おまえは
ひと
噛み砕き
噛み砕かれ
野にあいた
暗い穴の淵に横たわる


天気雨
小さな蜘蛛が隠れる場所
風が
少しずつ少しずつ
強くなってゆく

 ....
よく知らないけど蔓延るアイドルたちが
やすっぽく人生の応援ソングを激しく踊って歌っていて
耳には残らなかったけど彼女たちも
生きるのには実際必死なので、あたまごなしには行かず

 ....
「空をください」
http://www.geocities.jp/sati_no_hon/uta_sorakudasai.htm

「空をください

 みあげても
 みあげても
 ....
       ー年を取るとはこういうことか7ー

若者よ ズボンをはくとき
ベッドに腰掛けなくても履けるか

家中の者が畳の上で生活していた頃から
立って履くのが常だった
布団の上で寝転 ....
千歳の少女の誕生日を
誰も祝うものはない
一匹の蟻を避けて
十匹の蟻を踏む
淡く巨きな
泡のなかの午後


手を振るたびに
いのち以外に満ち
暗い街の背後の山から
 ....
蒼の岩 蒼の雨
唇に触れ すぐ放された
二本の指を巡る文字
一人を嗤う異国文字


見つめすぎて
咽が痛くなり
紅い窓を洗う滝
遅い流れ
遅いはばたき

 ....
悪びれることもなく時は捲れ
ゆるゆると確実に老いてゆく
胸に立ち込める冷たい霧
晴れる間もない
季節より早く深まったあなた
色づく言葉が黙々と
忘れ去られた詩人の墓を覆う頃
斜陽に目を細 ....
薄くうつろうもののかたまりが
轟々と夜のはじまりをゆく
剥がれかけた
光の重なり


見えたり消えたりするものが
左側をしたたり落ちる
布や布状のものすべてが
四角い ....
多数の角
多重の角を持つけだものが
真昼の雨の径に立ち
水たまりの光を
見つめることであたためている


紙が紙に戻る音
空気が空気に沈む音
踊り たたずみ 再び踊る ....
基本的にぼくの書いたポエムはあんまりポイントが入りません。
8ポイントが最高記録です。
出来栄えが良くない、ということがその理由だと思いますが、た
だ、一つ思うのは、優れた詩にいつも多くのポイン ....
夜つかむ指
蒼に凭れ
曇の前の穴
はざま過ぎる鳥


引きちぎるたび
生まれる渦
一点に吊られ
回る星座
夜の裾を浸す銀


すべての星が鈴に鳴り
朝も昼も ....
夜は爆ぜ
すぐにまた現われ
朝へ朝へあとずさる
雨に
種を蒔きながら


触れれば空に到く
咲かないものの履歴
指は水を編む
夜を高くする


何処にも行けな ....
不幸自慢の座頭蜘蛛
緑の文字にうろついている
燃やしても燃やしても
早朝を喰みにやってくる
こがねいろの扉が
花にふさがれている
ここは何処なのかと
首をかしげている


くゆる くゆる
くゆ るく ゆる
白湯のなかを
ゆるく ゆるく
午後は廻る


 ....
骨のような岩壁をくり抜き
むらさきの斎場が作られていた
川底には黒い鉱がつづき
岩を二重に映していた


   うれしさはすぐに悲しさになり
   頭のなかには茎がひろが ....
はやにえ
しるべ
ひかりが開けた穴
いそいで




雨の肩書き
午後のおさがり
陽の水母に
別れを言う


溺れかけたのは
羽の子ども
空気の傷が ....

ひとつの金属が鳴り
かけらのように冷えてゆく
響くことなく かがやいてゆく


背中を押す手が
ふいに昇る
何本かの指を
残したままで


声を映す手鏡に
 ....
結婚記念日に新聞ばかり読んでいる夫に抱き付いて
文句を言う
じゃあどこかに食事に行こうか
近くのステーキ屋とか

結婚記念日に仕事で遅くなった夫を待ちかまえて
文句を言う
じゃあどこかに ....
たどりつけない浜辺に
たどりついたものが
ひとり花を詠んでいた
たずねてもたずねても
花は
名のることはなかった


花の後ろの絵を
忘れた
はじまる前の
世 ....
 
しがらみを肴に

また一杯

まったく酔わせてももらえないや



 
触れている
触れている
触れたいものなどないというのに


扉は閉まる
扉は閉まる
ずっとずっと遠くまで


径は離れる
離れゆく
離れるたびに白くなる
 ....
何かに咬まれた指を握り
真昼を渡り海岸に着く
砂浜には紙を追う鳥
波と共に現われ消える


海沿いの径に車は無く
皆ひとりひとり歩いている
砂の丘がつづいては途切れ ....
 
 
バスに乗って目を瞑ると
私の中を通過していく
一台のバスがある
開いた窓から
誰かが手を振っている

懐かしい気がして
手を振りかえすと
バスは小さな魚になり
泳いで行っ ....
夜の晴れ間
煙る光
径を曲がり
打ち寄せる白


壁と窓にしか居ぬ波が
角から角を潤してゆく
糸くずの廻転
ただ最初から崩れたかたまり


立ち止まる
また  ....
緑の通りは影にあふれ
小さな原には誰もいない
橋の上には足音の波
波を押し出す風ばかり


空から橋
橋から原
幾つかの歪みが立つ境いめに
音は残り またたい ....
 




ひとすじの光が
発ってゆこうとするとき
振り返り
振り返り虹を解いた


階段に映る
薄い手紙
窓の水滴
昼から午後へ
めくられる譜


何かが閉まり
 ....
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