震える指先が凍りついて
いつか口に含んでも動かなくなったとき
幾度も自分を納得させる言葉を吐いた

私は人より多少不自由なだけ
壊れた右耳は機械の力で補える
動かない指先は動く片手で補える ....
あんちゃん大学出の新人か
ゆくゆくは幹部やな
まあ研修期間は「ご安全に」やな

あ〜
かっこ悪う
そんなピチっとした作業服にするさかい
ちょっと踏ん張っただけでケツが破れてまうねん
ま ....
軋みを撒いては走り去る鉄
遠い悲鳴のように過ぎてゆく
またひとつ助けられない小さなものが
手の甲に重なり 増えてゆく


開こうともせずに開く瞳が
そばにたたずむふた ....
古本屋の女主人は
若くて
美しくて
両の目の間が人より少し離れている

本をめくりながら
チラリとその方を見たりすると
何故自分が生きているのか
時々わからなくなる
歩け
私よ


高い高い 青い 硬い硬い 空に
息も出来ぬほどの銀杏
高い高い 青い 硬い硬い 空へ
撒かれた イエロー
湧く イエロー
破れた イエロー
の 咆哮
 ....
白の白からはじまる声
ゆるくほどける水の鳥
ひろくとどまる陽の光
町に渦まく影を着せる


散る鳥 生まれる鳥の中心
人と機械の目のなかでさえ
生きた絵のように咲きひらき
 ....
ほたるになりませんか
と 呟いたひとの目
雪を見つめていた目



私のいない目を
空と空の隔たりを
思い出す
森のすきまを覆う街
道をゆく赤い衣たち
誰かがまいた白い紙
銀の飾り
頬かむり
目にいっぱいの赤
目にいっぱいの赤



階段は鳥
そっと踏みしく
脱ぎかけ ....
右耳に車は聞こえない
左耳に降る金属音
追い抜くたびに空は笑う
切れぎれに拍手は過ぎてゆく


飛び去れ
飛び去れ
ひとりと
ひとりの道
ひとりの自転車の他はみん ....
うなじ、ああ、うなじ
寒々と潔く、美しさを意識していた付け根あたり
いつかの冬に結い上げた髪、が
氷のように動かし難く完全だったから
私、もう髪を伸ばさないだろう、もう結わえたりな ....
青になってはじめての青
目のなかに鳴る金の糸
歌をつなぎ 手をつなぎ
熱い国の衣のように
風を立てる輪の踊り
雲を混ぜる手の踊り
遠い水に火を散らし
遠いふるえのした ....
ひとつの落雷のはじまりと終わりに
すべての線路がはばたいては消える


火のような虹が
幾つも幾つも噴き上がる


ふところの鍵が重い夜
出会いがしらの火花の ....
目を閉じて
自分の身体をなぞる
髪がある 冷たい感触
耳がある したのほうが柔らかい
眼窩がある 目が飛び出そうで怖くなる
鼻がある 少し油っぽい
唇がある 言葉が溢れそうだ
首がある  ....
冷たさだけの空を流れる星に
母親は

わけのわからない詩を書く子より
ボーナスの出る職に就く子がほしい
と願った

堕ちる天使と微笑む地使に
自分は

わけのわからない言葉以外
 ....
がちゃがちゃと
サンタの袋はかさばっていた


人殺しのおもちゃをほしがる子供で
世界はあふれていた
誰にでも 好きです
好きです と言って
みなを集めてまわる詩人を見て
自分は死ぬまでひとりでいいや
と思った


誰からも 好きです
好きです と言われ
みなに囲まれている詩人を見て ....
今日は来ないでほしい。
僕も、君も、
きっと余計に淋しくなるだけだから。
今日、会えば、
君についた嘘を全て告白してしまいそうだから。
花に触れた虫たちが
ひらきふるえる花になり
花のまわりを
まわりつづける


暗闇のなか
さまざまな数字たちが立ち上がり
わずかに差し込む光の下で
花粉のように踊り ....
あたしの声なんて 届いてない
あたしの想いなんて 伝わらない
だから 切なくて
だから 会いたくて

少しでも 近くに居れたなら
少しでも この想いは伝わるのだろうか
少しでも 傍に近づ ....
僕は彼女に嘘をついている
僕がいちばん好きなのは彼女じゃない
だけど好きな素振りをしている
もちろん嫌いではない
好きだ 大好きだ
でもいちばんではない
きっとそれは彼女がすぐに手に入った ....
夜明けと午後と夜中の夢に
同じ女の子が現れて


わたすものがあるけど
まだなんなのか
よくわからなくて


と言った



気が付いたら
受け取っていた ....
踏切の陽
濡れた傘ごし
枕木を追う
複眼の火



草の管
草の筒
草の洞
あふれでる
穂の明るさ
光の背の道
はじまりの
花の
はじまりに
よみ ....
夜の砂の上の家
花のように動いては止まる



朝になると人は戻り
少しだけ掃除をして
着替えをしては出かけてゆく



昼と午後は暑い
風と風のすきま
 ....
訪れるものに告げられる
訪れてなお訪れるのだと


川の水は増し 鳥たちは
乾く間も無く飛び立ってゆく


まじわり はなれる
指の内 指の外
同じかたちの ....
やわらかな文字が降りてくる
葉の裏側の粗い緑に
次々と染まり 降りてくる
朝の方位へはばたく鳥の
青い青い羽の炉心へ
影はたなびくように落ちてゆく



午後の淵 ....
これは
あなたのためのおみそ汁
あなたのための水をおなべにはって
あなたのためのおだしをいれて
あなたのための大根をきって
あなたのためのわかめをもどして
あなたのための玉葱をきって
あ ....
のみかけのココアはそのままに
あなたはここを出ていった
コーヒーものめない子どものくせに
あたしから離れていくなんて
のみかけのココアは
つめたい部屋にぽつんとおかれて
ゆき場をうしない
 ....
この世でいちばん哀れな女って
どんな女だと思う?
それはね
忘れられた女よ
捨てられた女よりも
死んだ女よりも
もっと哀れ
あたしのママはバーの歌手で
たばこやら
酒やらを片手に
 ....
そのままの静かな脚の間から
見える色は枯葉だった


風と風ではないものの境に
あなたは立っていた


空き地に囲まれた家が
はじめて舞うもののようにふるえてい ....
流れはじめる雲はみな
夜の灯りに焼けたように
薄暗く赤く降りてくる


あの雲のほうに行くのだ
町をがさがさと覆い隠す
あの雲の視線を向くのだ


曲がり角を ....
砂木さんのおすすめリスト(5644)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
指先と神様- 竹節一二 ...自由詩503-12-6
ネジ締めたろか- AB(な ...自由詩1703-12-6
ノート(たたずむ瞳)- 木立 悟自由詩203-12-5
- たもつ自由詩903-12-5
イエローの咆哮- A道化自由詩503-12-5
ノート(けだもの)- 木立 悟未詩・独白403-12-4
ノート(冬の目_Ⅱ)- 木立 悟未詩・独白103-12-4
ノート(冬の目)- 木立 悟自由詩203-12-2
ノート(自転車)- 木立 悟未詩・独白603-12-2
付け根- A道化自由詩303-12-2
ノート(おどり)- 木立 悟未詩・独白103-12-1
ノート(鉄の夜)- 木立 悟自由詩103-12-1
からだ- 竹節一二 ...未詩・独白403-12-1
ノート(40Y・11.23)- 木立 悟未詩・独白303-11-27
ノート(40Y・11.24)- 木立 悟未詩・独白103-11-27
ノート(ひとり)- 木立 悟未詩・独白403-11-27
ふたり- 恭二自由詩403-11-27
日々の花- 木立 悟自由詩303-11-23
会いたい- 唯月自由詩103-11-21
- 本城希望自由詩203-11-20
ノート(40Y.10・26)- 木立 悟未詩・独白303-11-13
ノート(ひらく)- 木立 悟自由詩203-11-12
ノート(40Y.11・5)- 木立 悟未詩・独白403-11-6
ノート(かたち)- 木立 悟自由詩203-11-6
真昼- 木立 悟自由詩403-11-2
おみそ汁- かなりや自由詩103-10-30
のみかけのココア- かなりや自由詩403-10-30
忘れられた女_に- かなりや自由詩203-10-30
ノート(ふるえ)- 木立 悟自由詩703-10-29
九月散景- 木立 悟自由詩203-10-29

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