一杯。



背負い酒は、
ふたり酒。
だから今宵も、
ひとりふたりの酒を飲む。






二杯。



「他人の酒まで飲むほどに、
  ....
光のたびに
滴は昇る
音に昇る
{ルビ胞=えな}に昇る


肌色をした袖をふり
雲をふちどりゆらめく何か
あとわずかでわかるというのに
午後は土の影を見つめる

 ....
あおむけになって寝て
しゃべって笑って
ふっと黙って

あおむけになっているところだけ舟

ひとりぶんの

ちいさな


{引用=
私は目をつむり、水のゆらめきに合わせた動きの ....
ほころびをなぞる指さきを
もうひとつの指が追いかける
つゆ きり もや
つゆ きり もや
ふたつ ぬれる


いきもどる雪
手玉 てのたま
三つのやりとり
いさめる声な ....
落合朱美詩集『思惟』(詩遊会出版部)

手にとってみると、紅い表紙に、バラの花だろうか白い線のイラストが大きく配置されている。ルナクさんの絵。詩集の紅い色と、著者名の「朱」という色が呼応しているよ ....
涙が涙へ落ち
映る雪は昇る
花はひとつ多く
土に消えずに残る


やわらかに覚める
手の甲ふたつ
波と曇の鳥
鳥に沈む鳥


ひとみしり
とおまわり
道 花 原
 ....
羽の息をし
羽になり
さかしまの空
ひと指とおる


勝ち負け無しの
明るいあやとり
胸からのばし
ふたたびしまう


草のとなり
ふくよかな闇
波紋をつくらず ....
ふるらふらるる
風うごかして
冬の晴れ間の
{ルビ鈍=にび}のたびだち
雪に隠れた原おだやかに
駆けても駆けても
昼のお帰り


てててて まわる
うたのかたち
鳥が ....
  憎しみの中に愛があると
  都合のいい性格占いのような
  内在する、という{ルビ幻想法=パラダイム}で
  あなたの半身を
  私は求めてしまった

こうして高原に陣取り
遠めがね ....
{引用=


一、ハッピー・バースデー

たとえば今日が
誰かの命日かも知れなくても
生まれたあなたに
おめでとう

そうして
またひとつ
わたしは欠ける


たとえば今 ....
きっと、知らない町なんだと思う
不器用に建ち並ぶ、高層マンションに隠れている
ありふれた日常だとか、錆付いたマンホールの下から
伝わってくる、救いようのない虚しさだとか
見慣れた信号の色と形で ....
互いに背を向け
曲がり またたき
空と波を
指おり数える
月が隔てる言葉たち


手のひらの海
無数の帆
とまどいは澄む
濁りのあとさき


透明でもなく鏡でもな ....
目をきつく閉じて
何度も何度も反芻する
あなたの姿
暗闇でも兵士が
銃の整備をするための
あの訓練だ

分解は簡単だ
合理的にできたあなたは
いくつかのホックをはずすだけで
そのす ....
長い夜の
ゆめとうつつの狭間で
わたしたちは
何度もたしかめあって
疲れはてて
耳元で
あなたの鼓動を聴いて
おなじ速さで脈打つ

長い夜だから
そんな時間がふえて
すこし持 ....
 ゴロしがぐね、
かちゃときの罵びん

 よくとめの帰しに
   ガザン、
     パ毛。

 野の雲、身すらくも
  奈菜フェル 
   藻爬p数 )))

メレぬこし 花咲 ....
あなたの花開くようなお口へ
鈴の音の鳴る金のスプーンに
一さじの杏ジャムを載せて
含ませたいの 
とても穏やかな様子で
わたくしの はやる気持ちを隠して


柔らかな顎に そ と手 ....
ひびくものなく
もとめもせずに
おなじところを
わたしはまわる



五秒にひとつ
昇るあしおと
たどりつかない
ひくこともない



わたしは崩し
わたしを ....
羽が
風を巻いている
葉から 黒から
生まれてはもどり
消えかけた輪を空に置く


折れた枝
弓なりの雪
空へかがやき
問いを放ち
誰も恨まぬ応えを浴びる


 ....
わたしのふたつ
かくりとまわる
わたしにつもる



くちびるがおもいだされる
くちびるがおもいだされる
そのおくをもとめたくなる



とどまらぬ冬
とどま ....
{引用=

一、この手

誰かと比べてみたならば
大きい小さいは
あるかも知れないけれど
空はあまりに広いし
海はあまりに重たくて
ほら、
ひとの手は
どうしようもないくらいに
 ....
{引用=街}
街は
灰色にかじかんで
遠くを見る


{引用=鳥}
丹念に編み込まれた
木々のレエス
鳥が壊す


{引用=画廊}
画廊の扉は
今日も閉じられて
あの絵も ....
リンリンと初雪がゆっくりと

空から落ちてきます

手で取って見たけど体温で

雪が滴へと変わってしまいました

今日はずっと降っているらしい

明日起きたらスグ窓を見て ....
12月3日付の某朝日新聞に、小野十三郎賞贈呈式の記事が出てました。そこで、選考委員でもある詩人の金時鐘(キム・シジョン)さんの講演の要約が、本人の寄稿として載ってます。これをみて、(あーまたこれかー) .... 白い花弁に滲んだ色は、
褪めた肌の哀しみにも似て
わずかな岩の裂け目へと根をつけた
くらしの危うさを今も孕みながら
押殺した声の倹しい日々さえ底なしに
やがて崩れ落ちる恋に焦がれて

夢 ....
触れて触れて 粗く
肌が肌に 痛く
どこまでも拙い指きりに
耳をすます


{ルビ白湯=さゆ}の林
そよぎささめき
花を織る熱
冷えて 冷えて


波 海鳥
山の ....
音は高く
鳥の背にのり
光はにがく
水をつぶやき
道にこぼれる
日々の花房
砂の花 花の乳
うすくくゆる みどりの


建物は泣き
門は目をふせ
かつての幸は
 ....
 『カッターナイフからの逃走』

手首を切る。其の或る美の宿る、しかし多分に内省的に成りがちな行為に、多くの人間が行き場の無い血液を流している。
其の、或る種捨て子の様な赤い愛への憐憫から、 ....
薄すぎたミルクティーを飲みながら
なんとなく夕陽を眺めていた僕は
辛うじて今日の生存を終えつつ
生温い部屋で過ごしていた

静寂はテーブルの肩に寄りかかり
世界を停止させようと 息を潜めて ....
空  そ ら
雲  く も
風  か ぜ
雨  あ め
柔らかい心もちで呟けば
優しく響き
美しい思いで見上げれば
ああ
こんなにも
こんなにも


土  つ ち
水  み  ....
紀伊国屋書店にいって、ぼへらーって立ち読み。現代詩手帖。詩学。詩と思想。MY詩集は、パス(笑)。

きれい。
きれいだけれど、プラスティック。

たとえば。選定された野菜のように。
きれい ....
砂木さんのおすすめリスト(5644)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「_背負い酒。_」- PULL.自由詩10*06-12-24
冬鳴- 木立 悟自由詩406-12-23
あおむけになって寝て- ふるる自由詩19*06-12-20
水軌- 木立 悟自由詩406-12-18
落合朱美さんの詩集『思惟』(詩遊会出版部)の感想_を書いてみ ...- 光冨郁也散文(批評 ...9*06-12-16
囁日- 木立 悟自由詩706-12-14
ノート(晨星のうた)- 木立 悟自由詩406-12-12
ノート(ある冬のうた)- 木立 悟未詩・独白406-12-12
【フラクタル・パンドラ】- たりぽん ...未詩・独白10*06-12-12
小詩集【シンメトリー・パンドラ】- 千波 一 ...自由詩22*06-12-12
君に会いに行く- 青山スイ自由詩4906-12-11
洞輝- 木立 悟自由詩1006-12-10
暗闇で銃よ、帰郷とは撃つことか?- たりぽん ...未詩・独白10*06-12-10
可惜夜- 落合朱美自由詩28*06-12-10
ゴロし- atsuchan69自由詩4*06-12-10
ナイチンゲール- 千月 話 ...自由詩18*06-12-7
ノート(43Y.12・7)- 木立 悟未詩・独白106-12-7
午後の息- 木立 悟自由詩506-12-7
ノート(43Y.12・6)- 木立 悟未詩・独白406-12-7
小詩集【ちいさなてのひら】- 千波 一 ...自由詩18*06-12-5
冬の情景- ふるる自由詩28*06-12-5
遅刻あきらめの登校- こめ自由詩1806-12-4
短歌的抒情は現代詩の敵か?- umineko散文(批評 ...10+*06-12-3
奈落に咲く_★- atsuchan69自由詩19*06-11-30
降り来る言葉_XXVI- 木立 悟自由詩706-11-30
ノート(庭)- 木立 悟自由詩506-11-28
手首_エデンへの変容- 六崎杏介散文(批評 ...6*06-11-27
黄金の馬- yukimura自由詩4*06-11-26
秋晴れの日に- さち自由詩13*06-11-25
詩化粧- umineko自由詩10*06-11-25

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