ぼくは言葉を信じない
ぼくは論理を信じない
だれも答えなど
求めてはいない
言葉は記号でしかなく
論理はぬかるんだ
常識の上に
かろうじてその定型を
保っている
ぼくは君 ....
脱ぐときは背中から脱ぐ春近し
目薬のまばたき世界を巡りゆく
歯の奥の穴に詰め込む笑いかな
にやにやと胃がさげすむ日空は青
とどこおる想い手のひら解き ....
空は青く
冷たく痛く
腕を飛び去る
朝のまなじり
切るように
音は音の手を振り上げる
手の甲を踏み
空へと至る
光の響きは絶えることなく
かすかに腕を震 ....
バード!
その飛び立つ瞬間の
美しい記憶が頼り
二度とは同じ羽を広げず
同じ飛び方をしない
美しい記憶が頼り
そして僕らは
いつもこんな平原をさまよう時
とてもとても
ジェリービ ....
家系ラーメンの発祥の店
磯子にある本家の店に入った
カウンターへ座るとすぐに
厨房の中で夫婦喧嘩が始った
店主が昼飯に選んだ店屋物
奥方がうどんとそばを間違えたらしい
奥方に怒声を浴びせな ....
母をおくる と
おそらく
わたしの半分が終わる
半分が終わる と
わたしには
守るものがたくさんあって
後戻り
できないことも
また
たくさんあるのを知って
さみしさの ....
消えていく記憶の
映像はやがて
色あせた
一枚の写真になって
避けられない風に
彩りをながしてしまうの
くるくると
回る
地球儀の おと
重ねた手のひらの微熱 ....
中庭に緑の影を落とすのは独りのために建てられた家
階段と蔦からむ窓ゆらす音めぐりめぐる手すがた持たぬ手
門と門くぐる者なき中庭に降る雨のよな鳥たちの影
....
あ、
ああ、
陽光が、
陽光が、
私を、
する、
陽光で、
飽和してゆく、
ひとつのわたしの肺胞、
ひとつひとつのわたしの肺胞が、
春を、
春を、吹き ....
らんらんらん と いうほどではなく
ふんふんふん と いうくらいの
ちいさな
ちいさな
おうえんかが
こころのなかで なってます
たぶん
かあさんの こもりうたのこえで
堆積する僕らの羽で世界は作られるという話。
リノリウムの床を滑らない上履きの爪先
ゴム製の高音が窓に当たる
スーパーボールの見えない躍動
それが、君らの証しだ。 そして
....
原に舞う少女の肩に髪の毛に見えない蛇がうずくまる午後
くずおれた樹と鉄塔は野に沈み過ぎゆくものの夢をみている
花ひとつ口に含んでまた戻し蛇と少女の無言のくち ....
{引用= 1935年、文化人類学者のキルトン・スチュアート博士は、マレー半島に住む先住民族『セマイ族』の調査を行なったところ、彼らは独自の方法を使って、夢をコントロールしている事が明らかになった。そし ....
戸口に見えない花がいて
あわてて扉をあける夢を
幾度も幾度も見たあとに
切り忘れた爪を思い出す
床に置かれた硝子の内には
水の影が流れている
割れた鏡に映る横顔
....
母から、私の野菜過食の罪を告げられた瞬間
木製の食卓は突然老成してしまった
木製の食卓は突然老成してしまった
だから私どうしてもアルコールせざるを得ないの
だからどうしてもアルコールせ ....
小さな傷に満ちた目で
火の曇 光の曇を見るとき
歌はひとつひとつ分かれて
近づくように遠去かる
既知と未知は窓に波打ち
生になじまぬものたちは
光をひとつ負うごとに
....
{引用=
「童心というのは、人間はみんな平等だという心ですね。白人の子も黒人の子も、小さいときはいっしょになって遊んでいる。決して差別しない。いやがらない。童心というのは、ものを知らない、ということ ....
1.
かみさまは、どこですか。
2.
かみさまは、どこですか。
道すがらたずねると
あっち、と指をさした人がいたので
ひたすら あっち、に向かって歩いた
歩いて歩 ....
{引用=
「どのようなエクリチュールも、最終的には、言葉を知らない、コトバ以前の感覚的な、感性的な存在を、コトバによって、ということは同時に法によって貫かれた倫理的な世界へと、〜ある決定的な痛み ....
雪のないアスファルト踏む嬉しさに駆け出して跳躍 春が好き
こりこりと先のほうから順番にリズムとられる 竹の子が好き
{ルビ冷酒=ひやざけ}と桜とおにぎりがあればふわりと楽しい 御花 ....
人間は、厄介です
自分が
子供であるのか
大人であるのか
解らないからです
....
船で行きました
ああ、あの空へです
あの、虹の橋をくぐって行きました
雲の波に乗って・・・・
星は夜光虫のようでした、まるで
月は灯台のようにあたりをてらしていて・・・・ ....
雪解け水は残雪に囲まれ
降りてくる空を見つめていた
曇はまだらに音を梳き
残雪の声を揺らしていた
水面の風 水底の風
誰も鳥を見なかった
風が小さく ....
{引用=
「詩学は詩の屍体解剖である」 高村光太郎
}
○まえがき:
はじめにことわっておきますが、私は「詩学」について全くの無知です。はっきり言って、「詩学」が何たるか ....
どこにいるのだろう
時間を記録していた
たくさんの指は
どこへいってしまったのだろう
絵の具の味をした水が
一本の髪の毛から
くちびるへとくちびるへと
終わることなく落ち ....
君と手をつないで見てる赤い空 春の毒皿どこまで喰らおか
満ちてゆく月を恨みつその日まで素知らぬふりで花摘む逢瀬
かの人を心で百度斬ったとて力なき手は髪を梳くだけ
つい ....
道は水に覆われている
水には雪が映っている
雲も風も星もなく
空は粗く覆われている
灯は消え
曲がり角は軽くなる
貨物のない貨物列車に
持ち上げられては降ろされて ....
22:20。ジョッキでの赤ワイン、干し、真夜中近いのに、次には珈琲を淹れようと思っている。明日は昼からの出勤だもの、少しくらい眠れなくったって!
晴天の、光をよく含んだ空 ....
牧場は、今日も晴れるや。
山の向こうまで続く青空に
ポツリ、ポツリ 綿雲
良く乾いた干草が ホロホロと
風に浮かびそうな具合で
何となく 美味しそうだと思うのは
雑食動物の脳内変換 ゆえ
....
毎日見慣れた部屋の中で
いつもと少し
違う私になって見ようなんて
時間も いつもとは
少し違う角度で流れて
早いうちに片付けも終えて
それも気が向いたところだけ
テレビ ....
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