仕事が忙しくて
体の疲れが取れなくて
人の顔を殴りたくなる
振り上げたこぶしを
見つからないよう
そっと下ろす
胃に穴が開いちまった
口からは血反吐しか出ない
女に振ら ....
阿修羅マンの塩ビ人形を手でもてあそびながら
手にしている時 墜落した航空券のチケットを
回転させている時 必死で
五十嵐さんは 立ち尽くしていた そこに
ぼんやりと 歯車を 見つめていると ....
私は釣り竿もエサも持っていない
なんとなくぼんやりと うつろな今日も 私自身は
何かを考えているようだった けれど 今日も何も釣れなかった
ああ そんなことはどうでもいい
ああ きっと ....
恐竜が訪ねて来ました
砂漠ですからね
骨は沢山在るのです
ときには生きてる奴も来ます
おもてなしの準備はありませんでしたが
旧知の仲
まずは乾杯
あとは一献、一献、また一献
背 ....
またあの子
そうか 小学校が休みだから
女の子はもじもじしている
暑い昼に お母さんと道で弁当なんてという顔をしている
頬に浮かぶその汗を無理やり拭いている
わたしが来ても顔色一つ変えな ....
あの子の話をしたい
あの子は、なんと言うか、傷つけやすくて傷つきやすい人間だ
柄のない刃物を握って切りかかる、ような
自分の手も血だらけになるのに、それでも切りにいかずにはいられない
痛み ....
秋が深まる頃に
音もなく舞い落ちる銀杏の葉
通りを行く人々は
無意識のうちに踏みにじる
懸命に生きれば生きるほど
他人に利用されて
手元には喀血しか残らない
長い間
繰り返し繰 ....
ははににたろうばが
えきのまえにすわってる
ちいさなリュックひとつで
このひとにも
かつてしあわせなひびがあったのだ
としったのは
わたしがこえをかけたからだ
それだけでわた ....
最近料理をしている。あまり外では飯を食べない。特に肉に関してはそれが外では冷凍されていることがほとんどなので、おいしい肉を食べたくなった時であれば、なるべくそれを自分で買い、焼いて食べてみることをおす ....
新しい車はやってきたようだ。
きっとたぶん、雨の音に耳をすませていた。
いつだって、考えていたいのだ。僕はだから、風の音を耳にして、
あの信号機を、
私の目で、色んな風景として広がったのだ。
....
詩を書こうとしても
休日の食料はすでに貯蔵されていない
正しいのだろう でも 私も
あなたが ペンを握ろうとしていたって
雨の中を歩いて帰ってきたのだ しかし
そして そう 私は信じた
....
母さんにちゃんとした初給料で
ご飯誘ったら、笑ってやがる。
何食べるか考えといてって言ったら
へっへと笑ってやがるんだ。
つられて ....
寝苦しくって
寝返りゴロゴロ
猫など連れてきてみたものの
寝付かれなくて
猫だけゴロゴロ
そのうち布団を逃げ出すし
ごろりと
猫の秘密基地
ほら部屋干しの傘の下
まるで丸 ....
いつからだろう
恋をしなくなったのは
私はまだ高校の一年生で
中二までは恋してた
そう思っていたけれど
ある日先輩が言ってたの
「恋をすると会えない日がすっごく苦しい」
....
潮風が夜の帳を連れて去り
厳かな今日の光が
水平線を少しずつ露わにしていく
岩肌が頬を染め
砂浜が肌を隠そうと波にもぐる
生気と活気に風景が色づいていく中
僕だけが依然として黒い
....
役場に呼ばれて俺は行った
お前が確定申告をしなかったがために
県民税・市民税の徴収に差し支えが出ている
ついては指定の日時に必ず出頭するように
そんな葉書が送られてきて困るのは
俺には確定申 ....
私の思いを私は 子供らの 未来に放って投げかけている
私の思いを知らないあなたには遊び回っている友達がいる
私の思いは消えたよ 国民の遊び回っている選択枝がある
私の思い ....
ああ、私は夜の街を新宿のビルの最上階から見つめているときには、何かを掴むべきなんだろうと野心を抱いているよ
夜の中で色々なことを考えてしまっているその時も!
私は渋谷の深夜の喫茶店の暗闇の中で、知 ....
食膳にきっと飯ができた
佃煮のかぼちゃ
それは景気回復の見込み無しと、朝日新聞の朝刊に掲載、
円なる円の、乱高下。
本日、鬼コーチの特訓が待ち伏せ。
東京の厳しさに腹をたて
それらの許 ....
ぼくはもう
誰とも会わなくていい
君に逢えたから
からくりは
すべてクリアーされた
君に逢えたから
ひとりのときには
君を思うよ
一緒にいないときには
もしもひと恋しくな ....
高速道路のうえに月が照っている
喫茶店なんかもうやってないだろう
コンビニでホットを買って
クルマんなかでじぶんを愛してみよう
光があたっているだけなのに
光のかたち ....
久々に実家に帰省したのだった
父は朝と晩にサプリメントを大量に噛んでいた
母は髪が抜けて
いよいよレディースアートネイチャーが必要なのかもしれなかった
「おめ、売れでんのか」
父が言 ....
誰かを踏み台にするなんてこと
あの頃の俺は考えもしなかった
「誰にも縛られないし
誰も縛らない。」
尻の青いロックンローラーの常套句を
恥ずかしげもなく仲間に話したっけ
時は流れ
....
ある科学者は、そこで対になる点などセカイの怠慢の極みだという。
ある考古学者は、われわれが日常で行っていることはすべてその向き合う点のバランスだという。
ある文芸評論家は、点は一つの空間に一 ....
四十九日
冷たい雨が降っている
きっと
わたしが帰らないからだ
どれだけ
待っていたことだろう
わたしの帰りを
孫と一緒に暮らしたかった
日々を
待たずに父は ....
セミの崩れかけた抜け殻にすり変えられてしまっても、
私の思考の中でそれは微妙に、変化していくのかもしれない。
たぶん君には眠り続けていくことは、できるのかもしれないね、
もうすでに私は、成功につ ....
若い女性に人気があるクレープを
男子高校生たちは売ろうと決意した
クレープは売る前に
クレープは包むものだ
経営観は強気の攻め一本
結果については勝つか負けるか
の二分法
若気の ....
海が青く見えるわけをいくつ知ってる?
夢路のフェリーをたどれば
水脈の狭間に浮かんでいるクラゲたちの
そのくっきりとした輪郭
流れ藻のかげには小魚たち
大きな魚も隠れている
飛び出 ....
おたまじゃくしたちはみな元気です
明るいネクラの未婚
賢しらな{ルビ猿=ましら}の胃の中で
自詩も
アポトーシスも悪くはないけど
溶けもせず
溶かされもせず
ひとりひとりのとおりに
....
レモン色のチューリップが
それは雨天のせせらぎであって
顔は飛沫(しぶき)をはじいていたのです
あなたは最初の花ですか
植物図鑑のはじめですか
あなたは「赤」のはずなのに
あなたの夢み ....
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